2025.06.12
広島インターハイ(7月25日~29日)を懸けた地区大会が6月に各地で行われる。
インターハイ東北地区大会(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)は6月13日から16日までの4日間、青森市のカクヒログループアスレチックスタジアム(新青森県総合運動公園陸上競技場)で開催。5月下旬の県大会などを踏まえ、注目種目や選手、見どころなどを紹介する。
まず男子は、東北最速を決める100mだ。福島県大会で1.5m追い風のなか、10秒31をマークした小針星砂(日大東北3)がどんなレースを見せるか。宮城県大会では1.7mの追い風で魚住優斗(柴田3)が10秒45をマーク。また、10秒51の玉木大誠(仙台二3)ら10秒5台の選手も乱立し、展開次第で混戦もあり得る。また、小針は200mでも向かい風0.8mのなか21秒13をマークしている。
4×100mリレーも目が離せない。特に日大東北は小針以外にも10秒54の鈴木我空(3年)や10秒55の御代田弘亮(2年)といったスプリンターがおり、4月下旬には40秒67をマーク。タイムはさらに跳ね上がるかもしれない。ロングスプリントでは長谷川桜介(3年)が県大会で400mを47秒43、400mハードルを51秒55で走り、強さを見せている。
ハイレベルな優勝争いとなりそうなのは、八種競技。県大会で5792点を出した相馬大翔(盛岡市立3岩手)と5775点の千葉遼(東北学院3宮城)が激突する。昨年から自己ベストを300点以上伸ばしている相馬と、3年前の全中四種競技1位や昨年のインターハイ8位といった実績を持つ千葉が激しくしのぎを削る。
中学時代からの実力者という視点では、5000mが熱い。増子陽太(学法石川3福島)と菅野元太(仙台育英3宮城)は3年前、中学時代の東北大会3000mでいずれも当時の中学記録を塗り替え、その後の22年全中では増子が1位、菅野が5位だった。さらにその全中で1500m2位の栗村凌(学法石川3)が昨年から力をつけてきている。また、岩手県大会を独走した古川陽樹(盛岡大附3)や留学生のジェームス・カルリ(青森山田3)らが加わり、激戦となるだろう。
また、1500mではアジア選手権に台湾代表で5000mに出場した簡子傑(仙台育英3)が出場する見込み。3分46秒56のベストを持ち、3分47秒95の栗村とともに最後まで競り合う展開か。同じ中距離の800mは、昨年のインターハイ決勝で1周目を引っ張って落合晃(滋賀学園/現・駒大)の日本新を演出し、秋はU18大会を制した菊池晴太(盛岡四3)が2連覇に挑む。
フィールドは山形勢が主導権を握りそうな予感。走幅跳で7m30の橋本虎雅(九里学園3)、三段跳で15m11の横山達志(山形中央3)、砲丸投で16m15の星川俊輔(新庄東2)はいずれも全国トップクラスだ。山形勢以外では砲丸投の阿部純大(東北学院3)が15m63のベストを持つ。
女子トラックでは中長距離に注目。仙台育英勢は、宮城県大会で800mを昨年の全中覇者・石原万結(1年)が、1500mは長森結愛(1年)といったルーキーがそれぞれ制覇。上級生では渡辺光桃(3年)が3000mで優勝している。宮城勢はこのほか、3000m2位の男乕結衣(東北2)も上位に絡みそう。留学生ではメリー・ムソニ(青森山田1)が1500mと3000mで東北大会の出場権を得ている。このほか、昨年の全中1500mVの井上佳奈(山形城北1)も1500mと3000mで県大会を制しており、この大会にも上位戦線に絡んでくるだろう。
100mハードルでは昨年の国民スポーツ大会少年Aで6位タイに入った佐藤柚希(東北学院3)が13秒74の自己記録を持っており2連覇なるか。
このほか女子フィールドでは、走高跳の阿部野菊(山形中央3)が1m71の今季高校ランキングトップタイ。菅野穂乃(山形市商3)が県大会走幅跳で追い風参考ながら6m04(+2.4)と6mジャンプを見せ、中学最高記録(12m27)、高1最高記録(12m34)を持つ三段跳では12m49をマークしており、全国ランキング2位につける。三段跳では今大会2連覇で全国に弾みをつけたいところだ。
投てきでは遠藤陽菜(常盤木学園3宮城)が砲丸投と円盤投で全国レベルの実力を持つ。記録をさらに引き上げて、インターハイの上位候補に浮上したいところだろう。
全国インターハイは7月25日~29日に広島・ホットスタッフフィールド陸上競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
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