2025.11.01
全国高校駅伝の出場権を懸けた大阪府高校駅伝が11月1日、大阪市のヤンマースタジアム長居・長居公園周回コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は薫英女学院が1時間7分13秒のオール区間賞で20連覇を達成。2016年に出した大阪府高校最高を11秒更新した。男子(7区間42.195km)は興國が2時間8分56秒で初優勝。悲願の全国大会出場を決めた。
女子は薫英女学院が1区(6km)からレースの主導権を握った。主将の河村璃央(3年)が序盤からレースを引っ張り、3km過ぎで東大阪大敬愛の長谷川莉都(2年)を引き離す。
「焦らずに淡々と走ることを意識していて、その中で最後でペースアップして、テンポよく走ることができたかなと思います」と河村。同校OGの水本佳菜(エディオン)が持つ区間記録まであと4秒に迫る19分05秒の好タイムで東大阪大敬愛に55秒のリードを奪った。
2区(4.0975km)では村井和果(2年)が「どんな状況であっても自分が1位でタスキをつなぐことを決めていました」と区間タイムで東大阪大敬愛・久保凛(3年)を8秒上回る快走を見せる。13分03秒と前年に河村が出した区間記録を3秒更新した。
これで勢いづいた薫英女学院は3区(3km)の田谷玲(2年)が9分27秒、4区(3km)の黒葛原唯夏(3年)が9分21秒とそれぞれ区間新記録の走りでリードを拡大。5区(5km)の福本真生(2年)も16分17秒の好記録で駆け抜け、圧巻の強さで20年連続20回目の都大路行きを決めた。
「うまくいけば1時間7分台、大会記録(2021年に薫英女学院が出した1時間8分24秒)くらいは出るかなと思いましたが、思いのほか良いタイムが出ました」と語った安田功監督。昨年度、エース、主将としてチームをけん引した塚本夕藍(エディオン)が卒業して、新チーム結成当初はその穴を埋めるのに苦労したが、チームの底上げが進み、10月のくらよし女子駅伝ではAチームが優勝、Bチームが2位の好成績を収めた。
「ここ最近の練習見ていましたら、上位の選手数名が塚本より力があるんじゃないかなというくらいの感じだったので、『ひょっとしたら』という思いはありました」(安田監督)とレース前から密かに自信を持っていたようだ。前の府最高記録(1時間7分24秒)はその年の全国大会の優勝タイム。9年ぶりの都大路制覇に向けて戦力は整っている。「今年は絶対に全国優勝という目標を強く持って練習に取り組んでいます」(河村)と選手たちの都大路に懸ける想いは強い。
2位は東大阪大敬愛が1時間9分21秒で入り、2区を務めた久保は区間2位。3位は1時間11分43秒で香里ヌヴェールだった。
男子は1区(10km)で関西創価の田村幸太(3年)が29分43秒の区間新記録で発進。興國は主将の阪本圭一郎(3年)が39秒差の2位でつないだ。
2区(3km)では興國のデイビッド・ムワンギ(3年)が区間賞の走りで関西創価に14秒差まで接近。3区以降は関西創価がトップを走り、興國が追うという展開が続いた。
レースが動いたのは6区(5km)。先頭から8秒差でスタートした東海斗(1年)が「2kmまで余裕を持って、残り3kmから前に出る感じでした」と1km付近で関西創価に追いつき、2km付近で引き離しにかかる。その後も順調に差を広げ、24秒の貯金を作って7区(5km)の松本敬太(3年)にタスキをつないだ。
松本も区間トップタイの力走で先頭を守り、歓喜のフィニッシュ。「高校3年間、優勝だけを目指してきたのでうれしかったです」と仲間と喜びを爆発させた。
長距離部員がいないところからチームを指導して23年目の鈴木直監督は男泣き。「とにかく長かったなというところと、途中も怖くて、他校さんの力を凄く感じました。そういう中で本当に選手ががんばってくれました」と喜びを噛みしめた。
10月の日本海駅伝では5位に入っており、上位を狙える力はある。「日本海駅伝で負けたチームにもしっかり勝っていきたい」と阪本は初の大舞台に向けて意気込んでいた。
また、同日はヤンマースタジアム長居の隣にあるヨドコウ桜スタジアムでサッカー部が全国高校サッカー選手権大阪大会の決勝を戦っており、PK戦の末に優勝。学校全体が大いに盛り上がる1日となった。
2位には2時間9分31秒で関大北陽。アンカーの北村徹志(3年)が興國・松本と並んで区間賞に輝き、1つ順位を上げた。6区途中までトップで走った関西創価は2時間10分28秒で3位だった。
全国大会は12月21日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。昨年に続いて、男女ともに都道府県代表に加え、地区代表が出場する。
文/馬場遼
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