2025.02.27
◇東京マラソン2025(3月2日/東京都庁~東京駅前・行幸通り)
東京世界選手権代表選考会を兼ねたJMCシリーズG1の東京マラソンが3月2日に行われる。国内はもちろん、世界トップランナーが今年もTOKYOに集結。世界屈指の高速コースを駆け抜ける。
東京世界選手権の代表枠は3。そのうち1つは、JMCシリーズのシリーズチャンピオンに与えられる。大阪を終えて、現在はパリ五輪代表の小山直城(Honda)がトップに立っている。
ここまでの選考会では、福岡国際の吉田祐也(GMOインターネットグループ)、別府大分毎日の若林宏樹(青学大)、大阪の近藤亮太(三菱重工)が日本人最上位を占め、候補に挙がっている。現時点でレースを勝ち切った吉田の評価が高いだろう。近藤が大阪で出した2時間5分39秒が一つのターゲットになるかもしれない。
国内招待選手にはパリ五輪6位の赤﨑暁(九電工)が登場。赤﨑は五輪初レースだった昨年11月末の5000mで13分28秒43と自己記録に迫る好走を見せている。ニューイヤー駅伝は2区区間11位。東京では「日本記録(2時間4分56秒)を狙いたい」と力強い。
昨年のベルリンで2時間5分12秒(日本歴代2位)を出している池田耀平(Kao)、23年ブダペスト世界選手権で入賞に迫った山下一貴(三菱重工)、こちらも同代表の其田健也(JR東日本)が有力。山下と其田は得意の東京でどんな走りを見せるか。東京五輪代表の中村匠吾(富士通)も復活を期す。もう1人注目を挙げるとすると、太田蒼生(青学大)。別府大分で同期の若林、大阪では後輩の黒田朝日と、立て続けに学生記録を更新しているだけに、刺激を受けているだろう。
海外勢は超強力。前回2時間2分16秒で制しているベンソン・キプルト(ケニア)が連覇を狙う。昨年夏のパリ五輪でも銅メダルと勢いに乗っている。
大注目は5000m12分35秒36、10000m26分11秒00の世界記録保持者ジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)だ。パリ五輪は10000mで金メダル。トラックで現役最強の王者は、23年12月のバレンシアでマラソンに初挑戦したが、その際は2時間8分59秒にとどまった。2レース目で覚醒する可能性もある。
パリ五輪5位のデレサ・ゲレタ(エチオピア)、2023年ブダペスト世界選手権銅メダリストのレウル・ゲブレシラシエ(エチオピア)、前回の3位のヴィンセント・キプケモイ・ゲティッチ(ケニア)、2019年、20年と連覇しているビルハヌ・レゲセ(エチオピア)と錚々たる顔ぶれだ。いよいよ“人類初の2時間切り”もあり得るか。
女子の代表選考レースは大阪国際女子、東京、そして3月9日の名古屋ウィメンズ。大阪国際女子では小林香菜(大塚製薬)が日本歴代10位の2時間21分19秒で日本人トップをつかみ、パリ五輪6位の鈴木優花(第一生命グループ)が2時間21分33秒の自己新で同2番手だった。JMCシリーズでは鈴木が現時点でトップに立っている。
東京にはパリ五輪補欠の細田あい(エディオン)と安藤友香(しまむら)が国内招待選手として登録。細田は昨年のベルリンで日本歴代7位の2時間20分31秒をマーク。また、安藤は昨年の名古屋ウィメンズを2時間21分18秒(日本歴代9位)で優勝している。ともにJMCシリーズでの上位進出の可能性もあるが、まずは小林の記録=2時間21分19秒はターゲットにしたいところ。
海外招待選手には、前回2時間15分55秒の大会記録で制したストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)が今年も出場。前々回Vで青森山田高卒のローズマリー・ワンジル(ケニア)は奪還を狙う。昨年のドバイを2時間16分07秒の自己ベストで優勝したティギスト・ケテマ(エチオピア)、2時間17分58秒の自己ベストを持つハウィ・フェイサ(エチオピア)、2022年世界選手権金メダリストのゴティトム・ゲブレシラシエ(エチオピア)と、男子同様に実績のある選手がそろった。
海外選手も祖国の東京世界選手権代表を狙ってくるはず。世界で最も名高く大規模な6つのマラソン大会の一つされるアボット・ワールドマラソンメジャーズの東京。国内最大の市民マラソンと相まって、今回も華やかな1日となりそうだ。
東京マラソンは9時10分にスタート。日本テレビ系全国ネットで朝9時から中継される。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.01
-
2025.10.26
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.01
世田谷246ハーフに青学大・安島莉玖、荒巻朋熙らが登録!中大は吉居駿恭、溜池一太、本間颯らがエントリー
世田谷246ハーフマラソンの主催者は、11月9日に開催される第20回大会のエントリーリストを発表した。 同大会は駒沢オリンピック公園陸上競技場発着で、国道246号や多摩堤通りなどを通るコースで実施。埼玉県で開催の上尾シテ […]
2025.11.01
澤田結弥がクロカンで15位 チーム総合過去最高に貢献/SEC選手権
10月31日、米国テネシー州ノックスビルで、全米大学体育協会(NCAA)クロスカントリーのサウスイースタンカンファレンス(SEC)選手権が行われ、女子(6km)で澤田結弥(ルイジアナ州立大)が15位に入った。 日本陸連の […]
2025.11.01
ハンマー投・木村友大が現役引退「幸せな競技人生」17年アジア選手権4位、学生5人目の70mスロー
男子ハンマー投の木村友大(ゼンリン)が今季限りで引退を発表した。 木村は京都府出身の29歳。城陽中では砲丸投で全中に出場し、乙訓高に進学してからハンマー投を始めた。高2の日本ユース選手権を制すと、3年時にはインターハイ、 […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望