2023.12.08
パリ五輪代表選考会となる第107回日本選手権10000mが12月10日に国立競技場で行われる。今年6月にその他の種目は実施されているが、パリ五輪を見据えて10000mに関しては記録が出やすい冬開催に。参加標準記録を突破して優勝すればパリ五輪代表に内定する。男子有力選手を見ていこう。
【女子みどころはこちら】パリ五輪代表内定なるか!?エース・廣中璃梨佳、世界陸上代表の五島莉乃、復活の木村友香、好調・樺沢和佳奈が注目/日本選手権10000m
優勝候補筆頭に挙がるのは田澤廉(トヨタ自動車)。駒大卒の実業団ルーキーは、今年7月のアジア選手権で優勝すると、8月のブダペスト世界選手権に出場した。昨年のオレゴンと2大会連続で代表入り。10月のアジア大会にも出場。今、日本で最も強いランナーと言える。
田澤のベストは21年12月の27分23秒44(日本歴代2位)。湿度はやや苦手と公言しているが、冬場のレースは相性が良い。アジア大会後は米国アルバカーキでトレーニング。「記録を狙っていく」と話していたように、しっかり仕上げてきそうだ。
前回覇者で、日本記録保持者(27分18秒75)の相澤晃(旭化成)はケガから復帰。右足後脛骨筋を痛めて長期離脱し、今年の春から徐々にトレーニングを再開させた。今年9月の記録会で5000mに出場。15ヵ月ぶりのレースで13分39秒25だった。九州実業団駅伝でも力走。調子は上向いており、久しぶりに元気な姿見られそうだ。
相澤とともに東京五輪に出場した伊藤達彦(Honda)は今年6月の日本選手権5000m以来のレースとなる。故障するまでは5月のゴールデンゲームズinのべおかで5000m13分17秒65の自己新を出すなど、スピードを磨いていた。日本歴代3位の27分25秒73を持つ力を発揮できれば優勝争いに絡みそう。
今季、国際舞台を経験するなど好調だったのが塩尻和也(富士通)。3000m障害でリオ五輪に進んだが、現在は障害レースを一旦置いておきフラットレースに専念している。ベストは21年の27分45秒18だが、今季は5000mでアジア選手権2位、ブダペスト世界選手権出場と実績を積んだ。アジア大会では10000mに出場して転倒しながらも5位。東日本実業団駅伝では4区区間賞で優勝をたぐり寄せるなど、一段階スケールアップした印象だ。初タイトルなるか。
27分31秒27を持つ清水歓太(SUBARU)や、27分42秒49の太田智樹(トヨタ自動車)は一発がある。東京五輪5000m代表の松枝博樹(富士通)、アジア大会マラソン代表の池田耀平(Kao)ら日本代表経験者もどんな走りを見せるか。
日本歴代5位の27分27分28秒と衝撃的な初10000mを刻んだ佐藤圭汰(駒大)らをはじめ、駒大勢を含む大学生の出走はゼロとなった。
オープン参加となる黒崎播磨のシトニック・キプロノがペースメーカーを務めるだけでなく、トラックの内周をライトで照らしてペースを示す「電子ペーサー(ウエーブライト)」も日本選手権として初めて採用される。
パリ五輪の参加標準記録は27分00秒00と日本記録よりも高い。電子ペーサーの最も速いものは27分15秒(1周65.6秒)に設定。これに合わせてラスト上げていけば参加標準記録や日本記録更新が見えてくるというわけだ。
ここで参加標準記録を突破できなくても、もう一つの条件であるワールドランキングでターゲットナンバー(出場枠:27人)に入るために、1秒でも速いタイムと順位が求められる。
男子は16時43分スタート。レースの模様はNHK BSで16時~中継。観戦チケットはチケットぴあ、当日Eゲート(外苑門)チケットカウンターで購入可能(一部売り切れ)。パリ五輪代表を巡る熱き戦いの一歩目。冬の聖地・国立競技場で火蓋が切って落とされる。
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