2023.08.30
学生長距離Close-upインタビュー
山本 唯翔 Yamamoto Yuito 城西大学4年
「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。32回目は、城西大の山本唯翔(4年)をピックアップする。
1月の箱根駅伝で5区区間新と話題を集めつつ、今季はトラックでも躍動。4月の日本学生個人選手権10000mで優勝すると、8月上旬のワールドユニバーシティゲームズでは銅メダルを獲得した。
トラック、ロードともに高いレベルでの活躍を続ける山本に、最後の駅伝シーズンを目前に控えた現在の心境を聞いた。
学生世界3位の称号を手に
「山の妖精」が世界の舞台で羽ばたいた――。8月に中国・成都で開かれたワールドユニバーシティゲームズ男子10000mで、山本唯翔(城西大4年)が銅メダルを獲得した。
レース当日、日本と同じような蒸し暑い気象条件。山本はスローな展開を予測していた。櫛部静二監督からは「特にアフリカ系の選手はタイム以上に強さがあるから用心しよう」とアドバイスを受けており、「スローではあった中でも上げ下げがあるレースでした。特に5000m過ぎてからの揺さぶりで、集団も絞られていきました」と振り返る。
6000m過ぎにウガンダとトルコの選手が抜け出し、4人ほどの3位集団で山本は粘った。終盤はケニアの選手と一騎打ちに。「粘りに粘って、ケニアの選手が離れ、最後までペースを落とさず押せたことが3位につながりました」。
メダル獲得を目標に挑んだ。「陸上人生でメダルを取ったことがなかったのでうれしかった」と語る。一方、「前の2人の持ちタイムは自分より下だった。そういう選手に負けたのは悔しい。『うれしさ半分、悔しさ半分』みたいな感じです」
初めて挑む国際大会。独特の雰囲気を感じ取り、「アップを始めてから急に緊張してきました。招集所で他の選手を見て『自分より強そう』と勝手に思い込んでしまって……。気持ちの面で初めから負けていました」と反省を口にする。
一方で、「どういう状況でも冷静に対処できる選手にならないといけません。海外では必ずしも日本のレースとは一緒じゃないと実感できました」と収穫を得たことは今後の糧にするつもりだ。
フィニッシュ後には日本の国旗を背負い、上位2選手と健闘を称えあった。「日本代表として中国に行き、恥のない走りを心掛けました。メダルを獲得でき、これまで陸上をやってきて良かったなという思いもあります」。この先も競技を続けていく山本にとって、世界陸上や五輪を目指すモチベーションも生まれたようだ。
学生世界3位の称号を手に
「山の妖精」が世界の舞台で羽ばたいた――。8月に中国・成都で開かれたワールドユニバーシティゲームズ男子10000mで、山本唯翔(城西大4年)が銅メダルを獲得した。 レース当日、日本と同じような蒸し暑い気象条件。山本はスローな展開を予測していた。櫛部静二監督からは「特にアフリカ系の選手はタイム以上に強さがあるから用心しよう」とアドバイスを受けており、「スローではあった中でも上げ下げがあるレースでした。特に5000m過ぎてからの揺さぶりで、集団も絞られていきました」と振り返る。 6000m過ぎにウガンダとトルコの選手が抜け出し、4人ほどの3位集団で山本は粘った。終盤はケニアの選手と一騎打ちに。「粘りに粘って、ケニアの選手が離れ、最後までペースを落とさず押せたことが3位につながりました」。 メダル獲得を目標に挑んだ。「陸上人生でメダルを取ったことがなかったのでうれしかった」と語る。一方、「前の2人の持ちタイムは自分より下だった。そういう選手に負けたのは悔しい。『うれしさ半分、悔しさ半分』みたいな感じです」 初めて挑む国際大会。独特の雰囲気を感じ取り、「アップを始めてから急に緊張してきました。招集所で他の選手を見て『自分より強そう』と勝手に思い込んでしまって……。気持ちの面で初めから負けていました」と反省を口にする。 一方で、「どういう状況でも冷静に対処できる選手にならないといけません。海外では必ずしも日本のレースとは一緒じゃないと実感できました」と収穫を得たことは今後の糧にするつもりだ。 フィニッシュ後には日本の国旗を背負い、上位2選手と健闘を称えあった。「日本代表として中国に行き、恥のない走りを心掛けました。メダルを獲得でき、これまで陸上をやってきて良かったなという思いもあります」。この先も競技を続けていく山本にとって、世界陸上や五輪を目指すモチベーションも生まれたようだ。山に囲まれた環境で幼少期を過ごす
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箱根駅伝5区区間新を経て、「山の妖精」が向かう先とは
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