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2022.04.01

東京五輪1500m入賞の田中希実 「目標は世界で戦える選手」豊田自動織機入社会見で意気込み
東京五輪1500m入賞の田中希実 「目標は世界で戦える選手」豊田自動織機入社会見で意気込み

東京五輪女子1500m8位入賞の田中希実が4月1日、豊田自動織機入社会見に出席し、「世界で戦える選手になることが、自分のはっきりとして目標。それまでの過程も大事にしていきたい」と抱負を述べた。

午前中に371人の新入社員の1人として入社式に臨み、「新入社員がいっぱいいて緊張したし、社会人としいての不安のほうが大きい」と田中。しかし、「『何が正解かというものはない』という社長のお言葉にちょっと安心したのと、ここでがんばりたいという新たな気持ちになっている」と笑顔で話す。

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同志社大学2年時から豊田自動織機トラッククラブ所属で活動してきたことに、「個人的にサポートしていただけたことがとてもありがたく、この3年間はそれまでよりもどんどん成長して、世界と戦うことができました」と感謝の言葉を口にする。そして、この日から同社社員としての活動が始まることに関しては、同じ兵庫県小野市出身で2008年北京五輪5000m代表の小林祐梨子さんや、「幼少期からお世話になっていた」という03年パリ世界選手権女子マラソン銅メダルの千葉真子さんが所属していたこともあって「ご縁を感じています」とも。

「大学の時よりも手厚いサポートが受けることができ、自分の目標としている世界で活躍できる陸上選手にまた一歩近づけるのではないかと思う。そういうった努力を続けることで、会社や世間の皆様にもこれから元気を与えていければいいと思っています」

同社陸上競技部の幾世隆部長は駅伝を含む田中の活躍にチーム全体の底上げへの期待を寄せるとともに、「世界選手権、パリ五輪を見据えた競技活動を強力にサポートしていきたい」と語った。活動拠点は引き続き、地元・兵庫に置くという。

3月の世界室内選手権は1500mで29年ぶり室内日本新(4分12秒31)をマークしながらも予選落ち。初めての室内大会出場と、今年初のトラックレースとあって準備不足は明らかだったが、4月からは試合を重ねながら調子を上げていくいつものスタイルで臨む。

屋外初戦は4月9日の金栗記念選抜中長距離の予定で、1500mと5000mにエントリー。2日後にはシーズンイン岩国2022で800mにチャレンジする。その後は、兵庫リレーカーニバル1500mで「アジア大会の権利を取ることで、『勝ち切る』ことで自信を持ちたい」と意気込みを語った。

兵庫リレーでは「体調が良ければ」同日に行われる10000mへの参戦も視野に入れており、「自分しかやってみようと思わないこと。体調が許せばチャレンジしたい。走ることが楽しいと思える境地を見つけられればと思う」。

この日の会見で、社会人としての抱負を「流れにまかせる」と色紙に書いた。世界室内から帰国する機内の中で読んだ本から得た言葉だという。

「私が掲げる目標と、父からの選手としてのモットーである『一志走伝』を達成するにあたって、こうしなければいけないという正解はない。何かに偏ってもダメで、その時々の気持ちが向くことを一通り経験しながら、自分の思うように向かっていけばいいのではないかと感じている」

東京五輪では、1500mで日本人初入賞、さらに準決勝では日本人初の3分59秒19という快挙を成し遂げた。2年後に迫るパリ五輪に向けては、「何回も同じような成績を出せないと、上を目指すとは言えない。会心の走りを海外で重ねていかないと、パリ五輪が具体的に見えてこないと思う」と言葉はあくまでも慎重だ。その第一歩となる今夏のオレゴン世界選手権でも、まだどの種目で狙うかを絞ってはいない。

しかし、「どの種目でも昨年の東京五輪のような走りや、初めて世界陸上に出た時のように、結果よりも、走らせていただけることに感謝してワクワクできる走りをしたい」と田中。父・健智コーチとともに、誰も考えないような大胆な取り組みの中から、パリへと進む道筋を見つけていくつもりだ。

 

※誤りがありましたので修正しました

東京五輪女子1500m8位入賞の田中希実が4月1日、豊田自動織機入社会見に出席し、「世界で戦える選手になることが、自分のはっきりとして目標。それまでの過程も大事にしていきたい」と抱負を述べた。 午前中に371人の新入社員の1人として入社式に臨み、「新入社員がいっぱいいて緊張したし、社会人としいての不安のほうが大きい」と田中。しかし、「『何が正解かというものはない』という社長のお言葉にちょっと安心したのと、ここでがんばりたいという新たな気持ちになっている」と笑顔で話す。 同志社大学2年時から豊田自動織機トラッククラブ所属で活動してきたことに、「個人的にサポートしていただけたことがとてもありがたく、この3年間はそれまでよりもどんどん成長して、世界と戦うことができました」と感謝の言葉を口にする。そして、この日から同社社員としての活動が始まることに関しては、同じ兵庫県小野市出身で2008年北京五輪5000m代表の小林祐梨子さんや、「幼少期からお世話になっていた」という03年パリ世界選手権女子マラソン銅メダルの千葉真子さんが所属していたこともあって「ご縁を感じています」とも。 「大学の時よりも手厚いサポートが受けることができ、自分の目標としている世界で活躍できる陸上選手にまた一歩近づけるのではないかと思う。そういうった努力を続けることで、会社や世間の皆様にもこれから元気を与えていければいいと思っています」 同社陸上競技部の幾世隆部長は駅伝を含む田中の活躍にチーム全体の底上げへの期待を寄せるとともに、「世界選手権、パリ五輪を見据えた競技活動を強力にサポートしていきたい」と語った。活動拠点は引き続き、地元・兵庫に置くという。 3月の世界室内選手権は1500mで29年ぶり室内日本新(4分12秒31)をマークしながらも予選落ち。初めての室内大会出場と、今年初のトラックレースとあって準備不足は明らかだったが、4月からは試合を重ねながら調子を上げていくいつものスタイルで臨む。 屋外初戦は4月9日の金栗記念選抜中長距離の予定で、1500mと5000mにエントリー。2日後にはシーズンイン岩国2022で800mにチャレンジする。その後は、兵庫リレーカーニバル1500mで「アジア大会の権利を取ることで、『勝ち切る』ことで自信を持ちたい」と意気込みを語った。 兵庫リレーでは「体調が良ければ」同日に行われる10000mへの参戦も視野に入れており、「自分しかやってみようと思わないこと。体調が許せばチャレンジしたい。走ることが楽しいと思える境地を見つけられればと思う」。 この日の会見で、社会人としての抱負を「流れにまかせる」と色紙に書いた。世界室内から帰国する機内の中で読んだ本から得た言葉だという。 「私が掲げる目標と、父からの選手としてのモットーである『一志走伝』を達成するにあたって、こうしなければいけないという正解はない。何かに偏ってもダメで、その時々の気持ちが向くことを一通り経験しながら、自分の思うように向かっていけばいいのではないかと感じている」 東京五輪では、1500mで日本人初入賞、さらに準決勝では日本人初の3分59秒19という快挙を成し遂げた。2年後に迫るパリ五輪に向けては、「何回も同じような成績を出せないと、上を目指すとは言えない。会心の走りを海外で重ねていかないと、パリ五輪が具体的に見えてこないと思う」と言葉はあくまでも慎重だ。その第一歩となる今夏のオレゴン世界選手権でも、まだどの種目で狙うかを絞ってはいない。 しかし、「どの種目でも昨年の東京五輪のような走りや、初めて世界陸上に出た時のように、結果よりも、走らせていただけることに感謝してワクワクできる走りをしたい」と田中。父・健智コーチとともに、誰も考えないような大胆な取り組みの中から、パリへと進む道筋を見つけていくつもりだ。   ※誤りがありましたので修正しました

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