HOME ニュース、国内

2022.03.07

一山麻緒と新谷仁美が2時間21分台の競演!コスゲイが国内最高記録でV/東京マラソン
一山麻緒と新谷仁美が2時間21分台の競演!コスゲイが国内最高記録でV/東京マラソン

◇東京マラソン(3月6日/都庁前スタート、東京駅前・行幸通りフィニッシュ)

広告の下にコンテンツが続きます

「東京マラソン2021」の女子は2時間14分04秒の世界記録を持つブリジット・コスゲイ(ケニア)が圧倒的な強さを見せた。

第1集団は2時間16分26秒ペースの1㎞3分14秒前後で進み、中間点を1時間8分06秒で通過。ペースメーカーのいなくなった30㎞を過ぎて、コスゲイがアシェテ・ベケレとゴティトム・ゲブレシラシエのエチオピア勢を突き放す。状態に不安があったというものの、大会記録(2時間17分45秒)を大きく上回る2時間16分02秒のセカンドベストで圧勝した。

日本勢は東京五輪で8位入賞を果たした一山麻緒(ワコール)と、10000mとハーフマラソンで日本記録を持つ新谷仁美(積水化学)の直接対決に注目が集まった。

日本記録(2時間19分12秒)と2時間19分台を視野に入れていた2人は2時間18分32秒ペースとなる1km3分17秒設定の第2集団でレースを進行。中間点は1時間9分29秒、30 kmは1時間39分02秒で通過した。

広告の下にコンテンツが続きます

ペースメーカーがいなくなった後は一山が引っ張り、新谷が後ろにつくかたちになった。しかし、終盤は向かい風もあり、ペースが上がらない。30 kmからの5kmが17分04秒、次の5kmは17分21秒とスピードダウンした。

隊列が崩れたのは40 km手前。「前だけを見て走っていました」という一山が新谷を引き離す。2時間21分02秒でフィニッシュに飛び込み、夫の鈴木健吾(富士通)に続いて日本人トップの6位。13年ぶりのマラソンとなった新谷も2時間21分17秒(日本歴代6位)の好タイムをマークした。

一山は新谷を見つけると、「一緒に走ってくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。しかし、レース内容は満足できるものではなかったという。30kmまでは「ジョグ感覚」で行く予定だったが、終盤は余裕がなくなった。それでも「オレゴン世界選手権の代表を勝ち取りたい」という強い思いが脚を動かした。

「今回は最後まで動かすような練習をしっかり積んできました。今日のレースも余裕がないわりには、最後まで大きくフォームを崩さずに走ることができたのは練習の成果が出たのかなと思います」

手応えをつかんだ反面、「目指していたのは2時間20分を切るところだった」と悔しさがにじんだ。

永山忠幸監督も「日本人トップは想定通りでしたが、自己ベストを出せなかったのはもったいなかった。仕上がりが良かったので、第1集団で行こうか迷ったんですけど、世界選手権の代表を確実につかむために私も慎重になり過ぎました。30km以降は(新谷との)勝負になって、向かい風もあったのできつかったですね」と好タイムを逃したのを残念がった。

一方、東京五輪の女子10000mで21位(32分23秒87)に沈み、「過去の自分と決別したくて、今回の挑戦を決めました」と話していた新谷は『新たな自分』に出会えたようだ。

「どういう結果になるのかわからないままスタートしたんですけど、そのときに思ったのが仮に失敗したとしても自分を責めずに、この先も陸上競技を続けたいなという思いでした。勝負の意味では負けましたが、マラソンという種目に関しては自己ベストを更新できて良かった。不思議と気持ちは軽やかというか、思い悩むほどのものじゃないんだなという感じがあります」

オレゴン世界選手権を大きく引き寄せた一山と13年ぶりのマラソンで自己ベストを10分近くも短縮した新谷。日本女子長距離を牽引する2人はまだまだ進化していく。

文/酒井政人

◇東京マラソン(3月6日/都庁前スタート、東京駅前・行幸通りフィニッシュ) 「東京マラソン2021」の女子は2時間14分04秒の世界記録を持つブリジット・コスゲイ(ケニア)が圧倒的な強さを見せた。 第1集団は2時間16分26秒ペースの1㎞3分14秒前後で進み、中間点を1時間8分06秒で通過。ペースメーカーのいなくなった30㎞を過ぎて、コスゲイがアシェテ・ベケレとゴティトム・ゲブレシラシエのエチオピア勢を突き放す。状態に不安があったというものの、大会記録(2時間17分45秒)を大きく上回る2時間16分02秒のセカンドベストで圧勝した。 日本勢は東京五輪で8位入賞を果たした一山麻緒(ワコール)と、10000mとハーフマラソンで日本記録を持つ新谷仁美(積水化学)の直接対決に注目が集まった。 日本記録(2時間19分12秒)と2時間19分台を視野に入れていた2人は2時間18分32秒ペースとなる1km3分17秒設定の第2集団でレースを進行。中間点は1時間9分29秒、30 kmは1時間39分02秒で通過した。 ペースメーカーがいなくなった後は一山が引っ張り、新谷が後ろにつくかたちになった。しかし、終盤は向かい風もあり、ペースが上がらない。30 kmからの5kmが17分04秒、次の5kmは17分21秒とスピードダウンした。 隊列が崩れたのは40 km手前。「前だけを見て走っていました」という一山が新谷を引き離す。2時間21分02秒でフィニッシュに飛び込み、夫の鈴木健吾(富士通)に続いて日本人トップの6位。13年ぶりのマラソンとなった新谷も2時間21分17秒(日本歴代6位)の好タイムをマークした。 一山は新谷を見つけると、「一緒に走ってくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。しかし、レース内容は満足できるものではなかったという。30kmまでは「ジョグ感覚」で行く予定だったが、終盤は余裕がなくなった。それでも「オレゴン世界選手権の代表を勝ち取りたい」という強い思いが脚を動かした。 「今回は最後まで動かすような練習をしっかり積んできました。今日のレースも余裕がないわりには、最後まで大きくフォームを崩さずに走ることができたのは練習の成果が出たのかなと思います」 手応えをつかんだ反面、「目指していたのは2時間20分を切るところだった」と悔しさがにじんだ。 永山忠幸監督も「日本人トップは想定通りでしたが、自己ベストを出せなかったのはもったいなかった。仕上がりが良かったので、第1集団で行こうか迷ったんですけど、世界選手権の代表を確実につかむために私も慎重になり過ぎました。30km以降は(新谷との)勝負になって、向かい風もあったのできつかったですね」と好タイムを逃したのを残念がった。 一方、東京五輪の女子10000mで21位(32分23秒87)に沈み、「過去の自分と決別したくて、今回の挑戦を決めました」と話していた新谷は『新たな自分』に出会えたようだ。 「どういう結果になるのかわからないままスタートしたんですけど、そのときに思ったのが仮に失敗したとしても自分を責めずに、この先も陸上競技を続けたいなという思いでした。勝負の意味では負けましたが、マラソンという種目に関しては自己ベストを更新できて良かった。不思議と気持ちは軽やかというか、思い悩むほどのものじゃないんだなという感じがあります」 オレゴン世界選手権を大きく引き寄せた一山と13年ぶりのマラソンで自己ベストを10分近くも短縮した新谷。日本女子長距離を牽引する2人はまだまだ進化していく。 文/酒井政人

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2026.01.20

関東学連・植田会長「早い時期にという希望があった」 1部・2部は同時スタート 関東インカレ・ハーフ併催発表会見

焼津みなとマラソン実行委員会や関東学連などは1月20日、静岡・焼津市役所で記者会見を開き、4月5日の焼津みなとマラソン・大学対抗ペアマラソンと関東インカレのハーフマラソンを併催すると発表した。 会見には、焼津みなとマラソ […]

NEWS 関東インカレハーフが4月5日の焼津みなとマラソン・大学対抗ペアマラソンと併催! 5月の栃木と分離開催

2026.01.20

関東インカレハーフが4月5日の焼津みなとマラソン・大学対抗ペアマラソンと併催! 5月の栃木と分離開催

焼津みなとマラソン実行委員会や関東学連などは1月20日、第105回関東インカレのハーフマラソンを第41回焼津みなとマラソン・第38回大学対抗ペアマラソン大会(4月5日・静岡県焼津市)と併催すると発表した。 関東インカレは […]

NEWS 城西大女子駅伝部・赤羽周平監督、赤羽有紀子コーチが退任 昨年、大学女子駅伝2冠を達成 「感謝の気持ちが尽きません」

2026.01.20

城西大女子駅伝部・赤羽周平監督、赤羽有紀子コーチが退任 昨年、大学女子駅伝2冠を達成 「感謝の気持ちが尽きません」

城西大学は1月20日、女子駅伝部の赤羽周平監督および赤羽有紀子コーチが、3月31日付で契約満了により退任すると発表した。 赤羽周平氏は1979年生まれの46歳。学生時代は城西大学陸上競技部で主務を務めた。後に北京五輪およ […]

NEWS 劇場アニメ「ひゃくえむ。」が日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を授賞 3月13日に最優秀賞を発表

2026.01.20

劇場アニメ「ひゃくえむ。」が日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を授賞 3月13日に最優秀賞を発表

日本アカデミー賞協会は1月19日、第49回日本アカデミー賞の優秀賞を発表し、25年9月に公開された劇場アニメ「ひゃくえむ。」が優秀アニメーション作品賞を授賞した。 「ひゃくえむ。」は「チ。―地球の運動について―」で注目を […]

NEWS 走高跳世界記録保持者・マフチフが室内で2m03 東京世界陸上100m銀メダリスト・トンプソンが60mで6秒52

2026.01.19

走高跳世界記録保持者・マフチフが室内で2m03 東京世界陸上100m銀メダリスト・トンプソンが60mで6秒52

室内競技会「デミアニウカ記念」が1月17日にウクライナで行われ、女子走高跳で世界記録(2m10)を持つY.マフチフ(ウクライナ)が2m03で優勝した。 マフチフは現在24歳。24年に世界記録を打ち立てており、世界大会は2 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年2月号 (1月14日発売)

2026年2月号 (1月14日発売)

EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝

page top