HOME ニュース、国内

2021.10.10

ヘンプヒル恵が涙の復帰 1年ぶり七種競技で今季日本リスト3位の5578点
ヘンプヒル恵が涙の復帰 1年ぶり七種競技で今季日本リスト3位の5578点


10月9日、10日に行われた日体大競技会の七種競技にヘンプヒル恵(アトレ)が出場。1年ぶりの七種競技で今季日本ランキング3位となる5578点をマークした。

昨年9月の日本選手権混成競技のやり投で膝を負傷して以来、約1年ぶりに七種競技へ出場したヘンプヒル。1種目めの100mハードルで13秒55(+0.4)と復帰してからの公認ベストで好スタートを切ると、本数を絞った走高跳は1m63、砲丸投も11m39とまずまずの積み上げを見せる。200mでは大3以来の24秒台となる24秒99(±0)をマークして初日を折り返した。

2日目のスタートとなる得意の走幅跳は、気温低下と雨の影響もあり5m82(+0.3)にとどまったが、1年前にケガをしたやり投では短助走で41m22を放つ。800mを2分24秒05でカバーし5578点で復帰戦を終えた。

昨年9月の日本選手権混成競技のやり投で膝を故障。日本記録を狙えるペースから一気に途中棄権となった。診断は右膝前十字靱帯断裂。10月28日に手術し1ヵ月間の入院生活を送った。17年にも逆側の左膝の前十字靱帯を同じく断裂しており、これが2度目の戦線離脱。一時は引退を考えた。

それでもリハビリに通うと徐々に競技復帰へと意識が向き、今年6月の日本選手権で走幅跳に出場して復帰。7月には地元・京都選手権の走幅跳で6m19(+3.3)をマークし、ハードルには8月に復帰後初レースを迎えると13秒69(-1.1)で走った。9月の全日本実業団対抗選手権は100mハードル(13秒53/+2.1)、走幅跳5m97(+0.5)とこなし、満を持して七種競技に出場した。

日体大競技会は関係者以外入場不可で行われ、関係者によるインスタグラムのライブ配信などで様子を配信。7種目を終えた後の恒例の集合写真撮影のあと、ライバルたちから「おかえりなさい」と拍手されると、こぼれる涙を抑えられなかった。中学、高校、大学と無敵を誇りながら、2度の故障。その間、山崎有紀(スズキ)が七種競技で日本記録を樹立するなど、先を行かれてしまった。

広告の下にコンテンツが続きます

「ケガをしても頑張っている人ではなく、膝をケガをしてもすごい記録を出して世界大会へ行く。誰もしたことのないオンリーワンになりたい」と、復帰後の想いを語っていたヘンプヒル。日本人初の6000点、そして世界大会出場へ。不屈の女王が涙のリスタートを切った。

10月9日、10日に行われた日体大競技会の七種競技にヘンプヒル恵(アトレ)が出場。1年ぶりの七種競技で今季日本ランキング3位となる5578点をマークした。 昨年9月の日本選手権混成競技のやり投で膝を負傷して以来、約1年ぶりに七種競技へ出場したヘンプヒル。1種目めの100mハードルで13秒55(+0.4)と復帰してからの公認ベストで好スタートを切ると、本数を絞った走高跳は1m63、砲丸投も11m39とまずまずの積み上げを見せる。200mでは大3以来の24秒台となる24秒99(±0)をマークして初日を折り返した。 2日目のスタートとなる得意の走幅跳は、気温低下と雨の影響もあり5m82(+0.3)にとどまったが、1年前にケガをしたやり投では短助走で41m22を放つ。800mを2分24秒05でカバーし5578点で復帰戦を終えた。 昨年9月の日本選手権混成競技のやり投で膝を故障。日本記録を狙えるペースから一気に途中棄権となった。診断は右膝前十字靱帯断裂。10月28日に手術し1ヵ月間の入院生活を送った。17年にも逆側の左膝の前十字靱帯を同じく断裂しており、これが2度目の戦線離脱。一時は引退を考えた。 それでもリハビリに通うと徐々に競技復帰へと意識が向き、今年6月の日本選手権で走幅跳に出場して復帰。7月には地元・京都選手権の走幅跳で6m19(+3.3)をマークし、ハードルには8月に復帰後初レースを迎えると13秒69(-1.1)で走った。9月の全日本実業団対抗選手権は100mハードル(13秒53/+2.1)、走幅跳5m97(+0.5)とこなし、満を持して七種競技に出場した。 日体大競技会は関係者以外入場不可で行われ、関係者によるインスタグラムのライブ配信などで様子を配信。7種目を終えた後の恒例の集合写真撮影のあと、ライバルたちから「おかえりなさい」と拍手されると、こぼれる涙を抑えられなかった。中学、高校、大学と無敵を誇りながら、2度の故障。その間、山崎有紀(スズキ)が七種競技で日本記録を樹立するなど、先を行かれてしまった。 「ケガをしても頑張っている人ではなく、膝をケガをしてもすごい記録を出して世界大会へ行く。誰もしたことのないオンリーワンになりたい」と、復帰後の想いを語っていたヘンプヒル。日本人初の6000点、そして世界大会出場へ。不屈の女王が涙のリスタートを切った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

NEWS 100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」

2025.04.30

100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」

福島千里や寺田明日香ら女子短距離を中心に数々の名選手を育成した中村宏之氏が4月29日に79歳で他界したことを受け、寺田が自身のSNSを更新して思いを綴った。 寺田は北海道・恵庭北高時代に中村氏の指導を受け、100mハード […]

NEWS 9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート

2025.04.30

9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート

東京都は今年9月に国立競技場をメイン会場として開かれる世界選手権に都内の子どもたちを無料招待すると発表した。 「臨場感あふれる会場での観戦を通じて、都内の子供たちにスポーツの素晴らしさや夢と希望を届ける」というのが目的。 […]

NEWS 新しい形の競技会「THE GAME」が9月14日 大阪・万博記念競技場で開催決定!

2025.04.30

新しい形の競技会「THE GAME」が9月14日 大阪・万博記念競技場で開催決定!

「陸上競技の魅力を最大限に引き出し、観客と選手の双方にとって忘れられない体験を」をコンセプトに、三重県で開催されてきた『THE GAME』。今年は会場を大阪府。万博記念競技場を移して、9月14日に行われることが決まった。 […]

NEWS 中村宏之氏が79歳で死去 福島千里、寺田明日香、伊藤佳奈恵ら女子短距離日本記録保持者を育成

2025.04.30

中村宏之氏が79歳で死去 福島千里、寺田明日香、伊藤佳奈恵ら女子短距離日本記録保持者を育成

女子短距離で数々のトップ選手を育成した北海道ハイテクアスリートクラブ前監督の中村宏之氏が4月29日に逝去した。享年79。 中村氏は1945年6月9日生まれ。北海道・札幌東高,日体大で三段跳、走幅跳選手として活躍し、卒業後 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top