HOME 駅伝

2021.01.01

【駅伝】2年分の思いを込めて、名門・富士通が盤石の日本一/ニューイヤー駅伝
【駅伝】2年分の思いを込めて、名門・富士通が盤石の日本一/ニューイヤー駅伝

2021年の幕開けを告げる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝inぐんま)。

1年前は、東日本予選で選手が故障するアクシデントで敗退を喫し、元日決戦の舞台に立つことすらできなかった。優勝2度を誇る名門・富士通。その連続出場が「29」で途切れた屈辱を、1年後に歓喜へと変えた。4時間48分52秒で12年ぶり3度目の栄冠をつかみ、選手たちは2年分の喜びを爆発させた。

コロナ禍に見舞われた2020年にあって、トラックシーズンから存在感を示してきた。9月の全日本実業団対抗選手権では5000mで坂東悠汰が優勝、10000mでは鈴木健吾が日本人2番手。12月4日の日本選手権5000mでは坂東が優勝、松枝博輝が2位と上位を占めた。

「この1年の結果で、『富士通は強いぞ』というイメージを植え付けることができた」と福嶋正監督。あとは個人の力を、東日本予選会(11月3日)の2年ぶり制覇をステップに、チームに集約させた。

「とにかく2年間の思いをもってスタートラインに立とう」(福嶋監督)と送り出された選手たちは、1区・松枝博輝のトップ中継を皮切りに躍動した。

広告の下にコンテンツが続きます

その中で、チームのポイントだったのが「4区・中村匠吾」。東京五輪マラソン代表のエースに、どんなかたちでタスキをつなぐか。

福嶋監督からはトップに立ったうえで「15秒」のリードを作るという指令を受けた中村は、3番手から首位に立ち、2位に18秒差をつける力走。きっちりを仕事を果たし、5~7区の若手たち、2年目の塩尻和也、3年目の鈴木健吾、ルーキー・浦野雄平の奮起を引き出した。

終わってみれば、2位のトヨタ自動車に1分03秒差をつけての快勝。2区で6位まで落としたものの、鈴木と浦野を含めて3つの区間賞。2区でいったん6位に下がった以外は、常に上位にいる盤石のタスキリレーだった。

予選敗退をきっかけに、一つひとつの取り組みを丁寧に見直したという。選手、スタッフを含め、まさにチーム一丸でつかんだ栄冠だ。

中村は2月末のびわ湖毎日マラソンをステップに東京五輪に挑み、坂東や松枝らも中村と同じ五輪の舞台を目指していく。常に世界を目指してきた名門は、2021年元日をきっかけに、さらなる飛躍を期していく。

■富士通の優勝メンバー
1区 松枝博輝 35分28秒(区間1位)
2区 ベナード・キメリ 22分21秒(区間13位)
3区 坂東悠汰 38分03秒(区間6位)
4区 中村匠吾 1時間4分14秒(区間2位)
5区 塩尻和也 46分38秒(区間3位)
6区 鈴木健吾 35分33秒(区間1位)
7区 浦野雄平 46分35秒(区間1位)

2021年の幕開けを告げる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝inぐんま)。 1年前は、東日本予選で選手が故障するアクシデントで敗退を喫し、元日決戦の舞台に立つことすらできなかった。優勝2度を誇る名門・富士通。その連続出場が「29」で途切れた屈辱を、1年後に歓喜へと変えた。4時間48分52秒で12年ぶり3度目の栄冠をつかみ、選手たちは2年分の喜びを爆発させた。 コロナ禍に見舞われた2020年にあって、トラックシーズンから存在感を示してきた。9月の全日本実業団対抗選手権では5000mで坂東悠汰が優勝、10000mでは鈴木健吾が日本人2番手。12月4日の日本選手権5000mでは坂東が優勝、松枝博輝が2位と上位を占めた。 「この1年の結果で、『富士通は強いぞ』というイメージを植え付けることができた」と福嶋正監督。あとは個人の力を、東日本予選会(11月3日)の2年ぶり制覇をステップに、チームに集約させた。 「とにかく2年間の思いをもってスタートラインに立とう」(福嶋監督)と送り出された選手たちは、1区・松枝博輝のトップ中継を皮切りに躍動した。 その中で、チームのポイントだったのが「4区・中村匠吾」。東京五輪マラソン代表のエースに、どんなかたちでタスキをつなぐか。 福嶋監督からはトップに立ったうえで「15秒」のリードを作るという指令を受けた中村は、3番手から首位に立ち、2位に18秒差をつける力走。きっちりを仕事を果たし、5~7区の若手たち、2年目の塩尻和也、3年目の鈴木健吾、ルーキー・浦野雄平の奮起を引き出した。 終わってみれば、2位のトヨタ自動車に1分03秒差をつけての快勝。2区で6位まで落としたものの、鈴木と浦野を含めて3つの区間賞。2区でいったん6位に下がった以外は、常に上位にいる盤石のタスキリレーだった。 予選敗退をきっかけに、一つひとつの取り組みを丁寧に見直したという。選手、スタッフを含め、まさにチーム一丸でつかんだ栄冠だ。 中村は2月末のびわ湖毎日マラソンをステップに東京五輪に挑み、坂東や松枝らも中村と同じ五輪の舞台を目指していく。常に世界を目指してきた名門は、2021年元日をきっかけに、さらなる飛躍を期していく。 ■富士通の優勝メンバー 1区 松枝博輝 35分28秒(区間1位) 2区 ベナード・キメリ 22分21秒(区間13位) 3区 坂東悠汰 38分03秒(区間6位) 4区 中村匠吾 1時間4分14秒(区間2位) 5区 塩尻和也 46分38秒(区間3位) 6区 鈴木健吾 35分33秒(区間1位) 7区 浦野雄平 46分35秒(区間1位)

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top