2026.03.02
◇東京マラソン2026(3月1日/東京・東京都庁スタート、東京駅前行幸通りフィニッシュ)
MGCシリーズ2025-2026・G1で、アボット・ワールドマラソンメジャーズの東京マラソンが行われ、男子はT.タケレ(エチオピア)が2時間3分37秒で連覇を達成した。
風の影響もあってペースメーカーが設定よりも大幅に遅れるかたちに。そうしたなか、橋本龍一(プレス工業)が序盤で抜け出して25km過ぎまで日本新記録ペースで突き進んだ。他の日本人選手は大迫傑(LI-NING)、鈴木健吾(横浜市陸協)、近藤亮太(三菱重工)、太田蒼生(GMOインターネットグループ)、工藤慎作(早大)が海外勢による優勝争いの後ろにある“第2グループ”でレースを進めて、ハーフ地点を1時間2分49秒ほどで通過する。
大迫、鈴木、近藤、工藤、太田の5人は30kmを1時間29分18秒ほどで通過。ペースメーカーが離脱すると、31kmから鈴木がアタックして、32km過ぎに橋本を抜いて、日本人トップに立った。しかし、鈴木はそのまま押し切ることができず、34km付近で集団に吸収される。
今度は大迫が36kmから集団の前に出ると、工藤が苦しくなり、続いて近藤も遅れた。その後の日本人トップ争いは、「大迫vs鈴木」という新旧・日本記録保持者対決になった。
2人は40kmを1時間59分29秒で通過。鈴木が揺さぶるも、大迫には通じない。逆に大迫が鈴木を徐々に引き離していく。最後は豊配友(中国)と競り合った大迫が2時間5分59秒の12位でフィニッシュした。
「記録的には問題ないと思うんですけど、順位的にはもっと頑張りたかったですね。ただ、12月のバレンシアが終わって3か月で、ここまで仕上げられたのは、ひとつ良い経験になったと思っています」
大迫は昨年12月7日のバレンシアマラソンで2時間4分55秒をマークして、自身3度目の日本記録を樹立した。そのダメージもあったはずだが、34歳になった日本長距離界のカリスマは過去最短スパンで東京での出場を決意。「新しいチャレンジ」でも結果を残した。
「比較的、走れたかなと思います。ただ、心身ともにということなら、半年くらいは空けたほうが、フレッシュな気持ちで臨めるのかなというのはありますね」と苦笑いした。
第2集団は予定よりもスローペースになったが、大迫は冷静だった。そして終盤の新旧・日本記録保持者対決に「盛り上がっているだろうなって思っていました」と言いつつ、こう振り返った。
「僕としてはちょうどいいペースで進むことができたかなと思います。今回は第2集団で行くと決めていたので、そのなかでしっかり走りきることができました。東京マラソンは序盤に下り坂があり、橋のところでアップダウンもある。暑かったこともあり、徐々に体力が削られていくなかで、最後はサバイバルレースみたいなかたちになりました。上げるというよりも、落ち幅をどれだけ少なくするか。今回はちょっとだけ僕の方が(鈴木より)耐久力があっただけの話かなと思います」
9月に名古屋で開催されるアジア大会の日本代表候補に挙がるが、今後のレースについては、「1回休んで、考えたい」と話した。何がそこまで突き動かすのかと問われると、「モチベーションとかいうのは、それほどないんですよ」と言いながらも、「世界とのギャップはまだまだあるので、その差を若い選手たちと一緒になって埋めていく努力をしていきたい」と日本の絶対エースはさらに上を目指していく。
文/酒井政人
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2026.08.18
-
2026.08.17
-
2026.08.17
-
2026.08.13
-
2026.08.14
-
2026.08.05
-
2026.08.09
Latest articles 最新の記事
2026.08.18
800m前日本記録保持者・川元奨が引退表明 「残り少ない時間を全力で走り切ります」 16年リオ五輪にも出場
男子800mの前日本記録保持者で、16年リオ五輪代表の川元奨(スズキ)が8月18日、自身のSNSで今季限りで現役を引退することを発表した。 川元は1993年3月生まれの33歳。長野・野沢中から本格的に陸上を始め、3年時に […]
2026.08.18
200mで酒井聖夜、村田愛衣紗ら歴代上位の選手が激突 四種競技では中学新の期待/山口全中女子展望
第53回全日本中学校選手権が8月20日~23日の4日間、山口市の維新みらいふスタジアムで開催される。男子とは異なり、昨年の沖縄全中で入賞した選手が今年も多数エントリーし、それぞれの種目で上位争いの中心となりそうだ。 男子 […]
2026.08.18
中学記録保持者出場の110mH、走幅跳はハイレベル必至 混戦模様の100mにも注目/山口全中男子展望
第53回全日本中学校選手権が8月20日~23日の4日間、山口市の維新みらいふスタジアムで開催される。今年は暑熱対策として、競技開始時間が15時以降というタイムテーブルが組まれ、選手たちがベストコンディションで臨めるような […]
2026.08.18
桐生祥秀 名古屋アジア大会東京採火イベントに出席「4×100mRでしっかり金メダルを取る」と決意示す
今秋開催の第20回アジア大会(愛知・名古屋)の東京採火イベントが8月18日、国立競技場で行われた。アスリート側の代表として男子4×100mリレー代表の桐生祥秀(日本生命)や、アジア大会男子ハンマー投で1998年、2002 […]
2026.08.18
DLシレジアに村竹ラシッド、三浦龍司、田中希実がエントリー! 世界陸上メダリストと対決
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第13戦シレジア大会(ポーランド)となる、スコリモフスカ記念(8月22日~23日)のエントリー選手が発表され、日本からは男子110mハードルの村竹ラシッド(JAL)、男子30 […]
Latest Issue
最新号
2026年9月号 (8月17日発売)
滋賀IH総特集
山口全中展望
アジア大会代表Close up