◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目
東京世界陸上6日目が行われ、女子400m決勝ではシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が世界歴代2位となる47秒78の大会新記録で優勝を飾った。
大粒の雨が降りしきるなか、DAY6の最終種目として行われた女子400mでマクローリン・レヴロンが、最終種目まで声援を送り続けた東京の観衆へ大きな熱気をもたらした。
スタートから周囲を気にすることなく、200mを22秒95、300mを34秒87と快調に飛ばす。「これは本当に速いレースで、競争になることはわかっていました。だから、すべてがうまく噛み合った瞬間を見るのはいつも最高なんです」と語る。
最後の直線で、パリ五輪金メダリストのマルレイディ・パウリノ(ドミニカ共和国)に迫られるも、「自分の力には自信がありました。本当に重要なのは冷静さを保つことでした」。ラストが激しい争いとなるのは織り込み済みで、「自分のレーンに集中して、できるだけリラックスした状態を保つことに専念しました」と最後まで集中力を切らさなかった。
雨中の決戦を制し、確定記録は世界歴代2位の47秒78。快記録にも「必要なのはピースを組み合わせて、自分のレースを走ることだけでした。ただ、ひたすら努力し、神を信じ続けること。今はこれ以上の言葉が見つかりません」と笑顔で話した。
世界記録を持つ400mハードルに出場せず、400mのみに絞った今大会。「私にとってタイトルとは、守り続けるものではなく、獲得すべきもの。今日のレースは陸上競技にとって、本当に素晴らしいものになりました」と実感を込める。
最後に記者から「(世界陸連の)セバスチャン・コー会長と話していたら、君に800mを走ってほしいと言っていましたよ」と声をかけられると、マクローリン・レヴロンは笑顔で「ノーコメントよ」と返答。周囲を笑わせるユーモアも最後まで忘れなかった。
また、史上初の47秒台決戦を演じ、世界歴代3位の47秒98をマークしたパウリノ。「私は自分自身を誇りに思い、そして勝者だと感じています。このメダルを付き添ってくれた母、私の家族、ドミニカ国民、そしてコーチに捧げます」と胸を張った。
女子三段跳ではレヤニス・ペレス(キューバ)が今季世界最高の14m94(-0.3)で優勝し、4連覇が懸かっていたユイマール・ロハス(ベネズエラ)らを抑えた。ペレスは「多くの犠牲はありましたが、自己を高めメダルを獲得する満足感に勝るものはありません。挑戦し続けなければいけない」と力強く語った。
男子400mはブサン・コレン・ケビナトシピ(ボツワナ)が今季世界最高の43秒53で金メダルに輝いた。「ボツワナから3人の選手が決勝に進んだことは、我々の成長を示しています。ボツワナとして、そしてアフリカ全体として、確実に力をつけている」と強調。男子やり投はケショーン・ウォルコット(トリニダードトバコ)が88m16で優勝した。
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