◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)4日目
東京世界陸上4日目、2種目で日本勢メダル獲得の期待が高まる。
男子100mハードルでは村竹ラシッド(JAL)、野本周成(愛媛競技力本部)が準決勝に駒を進めた。予選では野本は好スタートから流れに乗って、終盤もしっかり粘って2組4着。5組目の村竹はスタートこそ、隣のグラント・ホロウェイ(米国)に先行されるも、落ち着いたレース運びから中盤以降伸びを見せて2着。ともに着順で準決勝行きを決めている。
準決勝のスタートリストが発表され、野本は、予選で組トップを占めたディラン・ベアード(米国)、エンリケ・リョピス(スペイン)、オーランド・ベネット(ジャマイカ)らと同組に。予選同様、得意のスタートでしっかり流れに乗っていきたい。
村竹は3組目で再びホロウェイと同組、そして隣にレーンに入ったが、予選を経験しているだけに臆することはない。着順で決勝進出を目指すには、同じく予選同組で先着を許したタイラー・マソン(ジャマイカ)、12秒台の記録を持つジョセフ・マティ(フランス)らもライバルとなりそうだ。
準決勝を経て、決勝はこの4日目のフィナーレを飾る。会場のボルテージが最大に上がるなか、日本人初のメダル獲得の瞬間は訪れるか。
男子走高跳決勝では、赤松諒一(SEIBU PRINCE)と、瀬古優斗(FAAS)が同種目初となるメダルを狙える位置にいる。14日夜に行われた予選は2m16から競技がスタートして、赤松はすべて1回目でクリアし、同じくノーミスだったオレハ・ドロシュチュク(ウクライナ)と並び、全体1位で決勝進出を決めた。決勝では失敗数で順位が左右されるケースも多いだけに、同じ展開で試合を進めたい。
対称的に瀬古は2m16を1回、2m21を2回失敗し、途中でスパイクが壊れるトラブルもあった。それでもしっかり修正して2m25は1回目でクリアする勝負強さで、初出場ながら決勝の舞台を掴んだ。
決勝ではドロシュチュク、ウ・サンヒョク(韓国)、ジュボール・ハリソン(米国)らがライバルとなりそうだが、その他選手含めて混戦の予感。優勝、メダル獲得には2m33~36あたりの高さがポイントとなりそうだ。
このほかの日本勢では男子400m準決勝に中島佑気ジョセフ(富士通)が出場。予選でマークした日本新の44秒44は、予選全体でも6位タイの記録で、91年東京世界陸上の高野進以来、34年ぶりとなる決勝も見えてきた。
男子800mには、19歳の落合晃(駒大)が5組に登場。世界陸上デビュー戦は、パリ五輪金メダルのエマニュエル・ワニョニイ(ケニア)と同組となった。女子三段跳にはA組に髙島真織子(九電工)、B組に森本麻里子(オリコ)が出場。日本記録(14m16)更新の先に、予選通過標準記録の14m35が見えてくる。
決勝種目は女子1500mが行なわれる。予選、準決勝と組トップ通過と危なげない走りを見せている世界記録保持者のフェイス・キピエゴン(ケニア)の3連覇が有力視されるなか、ネリー・チェプチルチル(ケニア)、ジェシカ・ホール(豪州)らが待ったをかけられるか。
男子ハンマー投は、予選で唯一80mオーバーのスローを見せたイーサン・カツバーグ(カナダ)が、23年ブタペスト世界陸上、24年パリ五輪に続いて、世界大会3連勝を手にするか。今季83m台をマークしているベンツェ・ハラース(ハンガリー)、ルディ・ウィンクラー(米国)も侮れない存在だ。
文/田中 葵
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