2025.08.03
◇富士北麓ワールドトライアル2025(8月3日/山梨・富士北麓公園「富士山の銘水スタジアム」)
富士北麓ワールドトライアルが行われ、女子200mで井戸アビゲイル風果(東邦銀行)が9年ぶり日本新の22秒79(+1.0)で優勝を飾った。
従来の日本記録は「中学生の時から見ていたずっと見ていた」という福島千里が2016年に出した22秒88。それを9年ぶりに0.09秒塗り替えた井戸は、「うれしいです。でも、実感が……」と、はにかみながら振り返った。
7月の日本選手権では、ともに初優勝で100m、200m2冠を獲得。タイムも100m予選で日本歴代4位の11秒35(+0.5)、200mは決勝で日本歴代5位の23秒18(+0.2)をマークと、大躍進を遂げた。
そこから「疲労はありましたが、順調にトレーニングができていました」と井戸。日本選手権では「ラストでストライドが間延びしてしまった。今日は最後まで刻むことを心掛けた」と課題を持って、記録にチャレンジした。
午前中の予選では、余裕を持った走りで23秒32(-0.3)。22秒台に「壁を感じていました」と言いつつも、100mのタイムは大きな自信になっていた。「『単純計算で22秒台は出るよ』と言われていたので、あとは技術と思っていました」。
スタートからの加速、そしてストライドの間延びを抑えること。その2つの課題を乗り越えた先に、初の22秒台どころか、一気に日本新記録まで到達。「22秒台を出すには、何か違う技術の変化が必要だと思っていたのですが、少しずつ力がついていたからこそ出すことができたんだと思います」と笑顔でうなずく。
中学時代からショートスプリントで活躍し、愛知・至学館高、甲南大と全国上位の結果を残してきた。社会人で大きく開花できたのは、その土台があったからこそで「中、高、大と教えていただいたことの共通点を改めて確認しながら取り組んでいる」という。そして、「これまで出会った先生方が支えてくれ、仲間のがんばっている姿に刺激を受けたから、ここまで続けることができました」と感謝の言葉を口にする。
このタイムで、東京世界選手権の開催国枠エントリー設定記録(22秒92)を突破し、個人での世界の舞台が近づいてきた。「女子短距離として、(ハイレベルの)100mハードルに置いていかれないようにしたい。世界大会はなかなか関われるものではないので、楽しみです。個人でもしっかりと狙っていきたい」と力強く語った。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.04
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.02
-
2025.11.02
-
2025.11.03
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.11.02
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.04
千葉男子は常盤松が2年ぶり全国切符 山梨は男子の塩山が32年ぶり 女子は櫛形が20回目の全国へ/中学駅伝
12月14日に行われる第33回全国中学校駅伝の出場権を懸けた県大会が、11月1日から3日にかけ、6県で行われた。 1日に行われた千葉県男子は、常盤松が2年ぶり2回目の全国出場を決めた。1区・池田佳十(3年)が区間4位で滑 […]
2025.11.04
2025年最も輝いたアスリートは!?選手、ファン、メディアみんなで選ぶ「GetsurikuAwards2025」投票スタート!
この度、そのシーズンで最も輝きを放ったアスリートを表彰する 「GetsurikuAwards」 を今年も開催します! コンセプトは「最優秀」や「MVP(最も価値のある)」選手ではなく、その年に『最も輝きを放った選手=Cr […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望