HOME 国内、大学

2025.08.03

21歳・守祐陽が10秒00!!初代表へ大きく前進!桐生の9秒台に「自分も」/富士北麓ワールドトライアル
21歳・守祐陽が10秒00!!初代表へ大きく前進!桐生の9秒台に「自分も」/富士北麓ワールドトライアル

富士北麓ワールドトライアル男子100m予選で10秒00をマークした守祐陽

◇富士北麓ワールドトライアル2025(8月3日/山梨・富士北麓公園「富士山の銘水スタジアム」)

日本GPシリーズの富士北麓ワールドトライアルが行われ、男子100m予選で守祐陽(大東大)が10秒00秒(+1.3)をマークした。東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)を突破する日本歴代5位タイ、学生歴代2位の激走。初の世界選手権代表入りへ名乗りを上げた。

鋭いスタートから飛び出すと、「ラスト10mあたりで踏み外した感じがあった」。それでも、追い風に乗りながら「吹っ飛びそうになっても何とか耐えられました」。

広告の下にコンテンツが続きます

速報タイマーは10秒01で止まったまま。「お願いだから(確定で)10秒00になってくれ、と願っていました」。しばらくしてから確定すると、東京世界選手権の参加標準記録にピタリ並ぶ10秒00。喜びが爆発した。

守は2003年12月生まれの21歳。千葉県出身で、七次台中3年時には200mで全中に出場した。名門・市船橋高に進むと、3年時にU20日本選手権100m7位、インターハイでは100m8位、200m準決勝進出を果たしている。4×100mリレーも2走を走って4位、4×400mリレーもアンカーで7位に貢献した。

高校時代のベストは100mが10秒38、200m21秒21と好記録だったが、同学年の栁田大輝(東洋大)、井上直己(早大)らの影に隠れる存在だった。

大東大に進み、多田修平(住友電工)らと練習して力をつけたが、ケガにも泣かされてきた。昨年から飛躍の兆しを見せ、織田記念では10秒26でうれしい主要大会初タイトル。関東インカレ(2部)優勝、日本学生個人選手権2位など実績を残した。

今年は関東インカレ2部の決勝で、追い風参考ながら9秒97(+3.9)をマーク。セイコーゴールデングランプリの予選でも10秒13の自己新を出すなど好調だった。だが、関東インカレの走りが「ゴールデングランプリまでは自信になったのですが、その後はうまく走れませんでした」とリズムを崩してしまう。

それでも、それでも、日本選手権前に「膝の力を抜く」という意識を持つと上向き、準決勝を10秒20の組1着で通過すると、決勝は10秒33の7位だった。

この日、先の組で日本選手権王者の桐生祥秀(日本生命)が9秒99(+1.5)をマーク。参加標準記録を突破した。「桐生さんが出したので、自分も、という思いがあった」。

結果的に、日本選手権入賞が、代表選考争いで大きなアドアンテージに。参加標準記録突破者が複数いる場合は、日本選手権の上位から選ばれるため、最大3枠のうち桐生が当確。守は現在、2番手にいる。日本選手権で2~6位の選手で参加標準記録を有効期間(8月24日まで)内に切る選手が現れなければ初代表になる。

決勝は大事をとって棄権。ここからは“待つ”のみ。「日本代表にはなったことがないので、しっかり準備して挑戦したい」と、その日に向けて走りを磨いていく。

◇富士北麓ワールドトライアル2025(8月3日/山梨・富士北麓公園「富士山の銘水スタジアム」) 日本GPシリーズの富士北麓ワールドトライアルが行われ、男子100m予選で守祐陽(大東大)が10秒00秒(+1.3)をマークした。東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)を突破する日本歴代5位タイ、学生歴代2位の激走。初の世界選手権代表入りへ名乗りを上げた。 鋭いスタートから飛び出すと、「ラスト10mあたりで踏み外した感じがあった」。それでも、追い風に乗りながら「吹っ飛びそうになっても何とか耐えられました」。 速報タイマーは10秒01で止まったまま。「お願いだから(確定で)10秒00になってくれ、と願っていました」。しばらくしてから確定すると、東京世界選手権の参加標準記録にピタリ並ぶ10秒00。喜びが爆発した。 守は2003年12月生まれの21歳。千葉県出身で、七次台中3年時には200mで全中に出場した。名門・市船橋高に進むと、3年時にU20日本選手権100m7位、インターハイでは100m8位、200m準決勝進出を果たしている。4×100mリレーも2走を走って4位、4×400mリレーもアンカーで7位に貢献した。 高校時代のベストは100mが10秒38、200m21秒21と好記録だったが、同学年の栁田大輝(東洋大)、井上直己(早大)らの影に隠れる存在だった。 大東大に進み、多田修平(住友電工)らと練習して力をつけたが、ケガにも泣かされてきた。昨年から飛躍の兆しを見せ、織田記念では10秒26でうれしい主要大会初タイトル。関東インカレ(2部)優勝、日本学生個人選手権2位など実績を残した。 今年は関東インカレ2部の決勝で、追い風参考ながら9秒97(+3.9)をマーク。セイコーゴールデングランプリの予選でも10秒13の自己新を出すなど好調だった。だが、関東インカレの走りが「ゴールデングランプリまでは自信になったのですが、その後はうまく走れませんでした」とリズムを崩してしまう。 それでも、それでも、日本選手権前に「膝の力を抜く」という意識を持つと上向き、準決勝を10秒20の組1着で通過すると、決勝は10秒33の7位だった。 この日、先の組で日本選手権王者の桐生祥秀(日本生命)が9秒99(+1.5)をマーク。参加標準記録を突破した。「桐生さんが出したので、自分も、という思いがあった」。 結果的に、日本選手権入賞が、代表選考争いで大きなアドアンテージに。参加標準記録突破者が複数いる場合は、日本選手権の上位から選ばれるため、最大3枠のうち桐生が当確。守は現在、2番手にいる。日本選手権で2~6位の選手で参加標準記録を有効期間(8月24日まで)内に切る選手が現れなければ初代表になる。 決勝は大事をとって棄権。ここからは“待つ”のみ。「日本代表にはなったことがないので、しっかり準備して挑戦したい」と、その日に向けて走りを磨いていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.04

アシックスが駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack」を発売

アシックスジャパンは、日本で100年以上の歴史をもつ駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack(エキデンパック)」9品番を、11月6日からアシックスオンライン、アシッ […]

NEWS ロジスティード初制覇!前回優勝GMOが2位、初陣M&Aが初ニューイヤー、コニカミノルタら全日本復活3チーム/東日本実業団駅伝

2025.11.04

ロジスティード初制覇!前回優勝GMOが2位、初陣M&Aが初ニューイヤー、コニカミノルタら全日本復活3チーム/東日本実業団駅伝

◇第66回東日本実業団対抗駅伝(11月3日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園競技場及び公園内特設周回コース:7区間74.6km) 第66回東日本実業団対抗駅伝が行われ、東日本枠「12」と第70回記念枠「1」(13位以下で最上位 […]

NEWS “走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人

2025.11.04

“走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人

11月2日、米国でニューヨークシティマラソンに出場したエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、フィニッシュ後、今後はエリートレースには参加せず、新たなプロジェクト「エリウド・キプチョゲ・ワールドツアー」を始めることを発表した。 […]

NEWS 白熱アンカー決戦!三菱重工が制覇!クラフティア2位、黒崎播磨が3位、全日本覇者・旭化成Aは8位/九州実業団駅伝

2025.11.04

白熱アンカー決戦!三菱重工が制覇!クラフティア2位、黒崎播磨が3位、全日本覇者・旭化成Aは8位/九州実業団駅伝

◇第62回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯中央病院陸上競技場~佐伯市屋内運動広場特設コース:7区間89.3km) 第62回九州実業団毎日駅伝が行われ、九州枠「9」と第70回記念枠「1」(9位から10分差以内が条 […]

NEWS 豊川が男女優勝 男子は2時間6分23秒で2年ぶりV 女子は序盤で主導権を握って逃げ切り4連覇/愛知県高校駅伝

2025.11.04

豊川が男女優勝 男子は2時間6分23秒で2年ぶりV 女子は序盤で主導権を握って逃げ切り4連覇/愛知県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた愛知県高校駅伝は11月3日、一宮市大野極楽寺公園発着木曽川沿川サイクリングコースで行われ、男女ともに豊川が制した。男子(7区間42.195km)は2時間6分23秒で2年ぶり10回目のV。女子( […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top