2025.06.02
広島インターハイ(7月25日~29日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱戦を繰り広げている。
長野県大会は5月30日~6月1日の3日間、長野市営陸上競技場で行われた。
男子5000m競歩は昨年の国民スポーツ大会少年男子共通3位、今年2月のU20選抜大会10km2位の井上俊弥(長野日大3)が2週間前の北信予選でマークした自己ベストに3秒32まで迫り、今季4度目の20分台となる20分38秒92で連覇を飾り、その安定感を発揮した。
スタートから先頭に立ち、800mを過ぎて独歩態勢を整え、1000mごとのラップは4分00秒、4分07秒、4分06秒、4分17秒、4分08秒。終始、バックストレートで強い向かい風が吹く悪条件ながらも安定したペースを刻んだ。
「きょうは体調が優れず、4月中旬に左アキレス腱を痛め、まだ違和感が残っている影響もありました。タイムを狙わず、落ち着いて臨むことを意識しました。3000mを過ぎて歩型が崩れてしまいましたが、ペースはなんとか保てました」と安堵の表情を浮かべた。
連覇を狙う北信越大会は「昨年のインターハイで失格した悔しさをバネに“高校日本一”を狙うため、まずは自己ベストを更新し、目標を一つずつクリアしていきたいです」と燃えている。
このほか、男子は佐久長聖3年コンビの江間諒太郎、相場遥心が3冠を獲得。江間は400m(48秒01)、相場は110mハードル(14秒43/-1.8)を制し、ともに4×100mリレー(42秒03)、4×400mリレー(3分15秒45)で優勝している。100mは丸山竜平(長野日大3)が10秒67(+1.1)で200m(21秒55/+1.7)との2冠を飾った。
女子は今年も男子と同様、佐久長聖勢がトラック競技を主体に席巻。なかでも100mハードルで昨年の国スポ少年B5位、U18大会7位の阪真琴(2年)が初の13秒台となる大会新の13秒98(-2.1)で連覇し、400mハードル(62秒80)、ともに大会新だった4×100mリレー(47秒26)、4×400mリレー(3分48秒69)との4冠に輝いた。
「(4冠を)達成できたのはみんなのお陰です。特に400mハードルは雨や疲労の影響で心身ともにキツく、朝から緊張しっぱなしでしたが、決勝は気持ちを切り替えることができました」と振り返った。
同じ2年の中村波南、鎌倉梨々華はそれぞれ200m(24秒50/+1.1=大会新)、400m(55秒65)でともに両リレーとの3冠を獲得。両リレーのメンバーでもある宮澤希(2年)も200mを24秒68の2位と、従来の大会記録を上回っている。七種競技で昨年のU20日本選手権5位の大森玲花(3年)は4567点で3連覇を果たし、走幅跳(5m57/+1.1)との2冠を飾った。
円盤投は昨年のI18大会7位の北沢真輝(松本国際3)が自己新の42m40で連覇、砲丸投(11m64)との2冠を獲得した。
昨年の全国高校駅伝の優勝メンバーである長野東コンビも躍動した。5000mで高校歴代6位の記録(15分30秒85)を持つ真柴愛里(3年)は3000mでラスト1周からスパートをかけ、大会新、今季ベストの9分18秒89で制覇。「(7月の)日本選手権(5000m)へ向けた良いレースができました」と笑顔が弾けた。2位(9分20秒61)の川上南海(2年)も優勝した1500m(4分26秒02)との2種目で大会新だった。
学校対抗は今年も男女で佐久長聖勢が強さを見せ、男子は121点で5年連続13度目、女子は133点で旧佐久時代を合わせ、5年連続7度目の総合優勝を飾った。
北信越大会は6月19日から22日までの4日間、福井県営陸上競技場(9.98スタジアム)で行われる。
文・写真/永田真樹
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.10
-
2025.12.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.10
【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ
第102回箱根駅伝のチームエントリーが12月10日に行われ、今回も1チーム16人、21チーム計336人が選手登録された。 登録選手を出身高校別に見ると、佐久長聖高(長野)が13人で最多となった。続いて、洛南高(京都)が1 […]
2025.12.10
前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝
第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回6位の城西大は16人のエントリーの半数を4年生が占めた。櫛部静二監督は「ここ数年、この4年生の力によって、城西大としては上 […]
2025.12.10
15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝
第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回4位の早大は「5強」の一角として、15年ぶり優勝をしっかりと視界に捉える。 就任4年目を迎えた花田勝彦駅伝監督は、今年度で […]
2025.12.10
99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝
第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 全日本大学駅伝で2位を占めた中大は、前回5位からの躍進を期す。藤原正和監督は「いいチームができました」と胸を張って語る。 1年 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025