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2025.02.21

編集部コラム「奥が深い」

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攻め(?)のアンダーハンド
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毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第278回「奥が深い(井上 敦)


ここ数年、全国高校駅伝が終わった後に活躍されたチームや選手の取材を行うようになりました。

先生や選手のみなさんから、練習内容をうかがいます。私自身も大したレベルではありませんが、一応中長距離の経験者。話を聞いていて、何となくその内容が肌感覚としてわかります。

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我が母校は今では都大路に出る学校ですが、私が通っていた3年間は顧問に専門知識を持つ指導者がいなかったため、私がメニューを立てていました。

専門誌のトレーニング講座やトレーニング本を読んで参考に、これまで積み上げてきた自分の経験や感覚を織り交ぜながらメニューを作っていた記憶があります。

例えば、1500m4分00秒ちょうどを目指す時は、400mのインターバルが64秒以内、800mで2分切りを目指した内容は、200mのインターバルで28秒からどんなに遅くても30秒切りぐらいで。また、5000mで15分台を目指す時は1000mのインターバルは3分00秒~3分10秒。

スピード練習になると、それぞれが目標とするタイムの平均ペースよりも速い設定で練習していました。そのぐらいの負荷に慣れておかないと、実際のレースではペース変化があるので、速くなった時に対応できないと考えていたからです。

しかし、駅伝強豪校の取材にお邪魔すると、チームによってはずいぶん余裕のあるペース設定で走っていることを感じました。例えば5000mで14分ひとケタや13分台の選手もいるのに、練習の1000mは3分を少し切るとか、3分ちょうどとか。

短い距離(150mとか200m)の流しや全力走を入れているチームもありますが、メイン練習では意外とスピードを抑えた内容が多いのが印象的でした。私の取材内容が表面的な部分だけかもしれませんけど……。

3月号で都大路1区を日本人最高記録で突っ走った鈴木琉胤選手(八千代松陰高3千葉)の高校駅伝追跡企画を行いました。やはり、鈴木選手もスピードを入れたポイント練習は意外なほど余裕のある設定タイムでした(詳細は3月号をお読みください)。

それは選手個々の能力に応じて内容は違うかもしれませんし、指導方針によっても内容に変化があるでしょう。スピードよりも徹底して距離を踏むことや、その前提として動き作り、身体作りに力を入れている学校もあります。

走種目は、定められた距離をより速く、最後まで走り切る。比較的単調な運動の連続ですが、そのための取り組み方の違いにトレーニングの奥深さを感じています。

井上 敦(いのうえ あつし)
1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入り最初は100mを始めたものの、ライバルが多く、ある選手(日本を代表するロングスプリンター)の活躍に影響されて400mに転向した。3年夏までメイン種目だったが結果は県大会に届かず。しかし、3年秋の駅伝での爆走やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人戦1500mで6位に入ったのが最高成績だった。

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第278回「奥が深い(井上 敦)

ここ数年、全国高校駅伝が終わった後に活躍されたチームや選手の取材を行うようになりました。 先生や選手のみなさんから、練習内容をうかがいます。私自身も大したレベルではありませんが、一応中長距離の経験者。話を聞いていて、何となくその内容が肌感覚としてわかります。 我が母校は今では都大路に出る学校ですが、私が通っていた3年間は顧問に専門知識を持つ指導者がいなかったため、私がメニューを立てていました。 専門誌のトレーニング講座やトレーニング本を読んで参考に、これまで積み上げてきた自分の経験や感覚を織り交ぜながらメニューを作っていた記憶があります。 例えば、1500m4分00秒ちょうどを目指す時は、400mのインターバルが64秒以内、800mで2分切りを目指した内容は、200mのインターバルで28秒からどんなに遅くても30秒切りぐらいで。また、5000mで15分台を目指す時は1000mのインターバルは3分00秒~3分10秒。 スピード練習になると、それぞれが目標とするタイムの平均ペースよりも速い設定で練習していました。そのぐらいの負荷に慣れておかないと、実際のレースではペース変化があるので、速くなった時に対応できないと考えていたからです。 しかし、駅伝強豪校の取材にお邪魔すると、チームによってはずいぶん余裕のあるペース設定で走っていることを感じました。例えば5000mで14分ひとケタや13分台の選手もいるのに、練習の1000mは3分を少し切るとか、3分ちょうどとか。 短い距離(150mとか200m)の流しや全力走を入れているチームもありますが、メイン練習では意外とスピードを抑えた内容が多いのが印象的でした。私の取材内容が表面的な部分だけかもしれませんけど……。 3月号で都大路1区を日本人最高記録で突っ走った鈴木琉胤選手(八千代松陰高3千葉)の高校駅伝追跡企画を行いました。やはり、鈴木選手もスピードを入れたポイント練習は意外なほど余裕のある設定タイムでした(詳細は3月号をお読みください)。 それは選手個々の能力に応じて内容は違うかもしれませんし、指導方針によっても内容に変化があるでしょう。スピードよりも徹底して距離を踏むことや、その前提として動き作り、身体作りに力を入れている学校もあります。 走種目は、定められた距離をより速く、最後まで走り切る。比較的単調な運動の連続ですが、そのための取り組み方の違いにトレーニングの奥深さを感じています。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入り最初は100mを始めたものの、ライバルが多く、ある選手(日本を代表するロングスプリンター)の活躍に影響されて400mに転向した。3年夏までメイン種目だったが結果は県大会に届かず。しかし、3年秋の駅伝での爆走やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人戦1500mで6位に入ったのが最高成績だった。
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