HOME 海外

2024.09.17

世界陸連会長・セバスチャン・コー氏がIOC会長選に立候補 現役時代に男子1500mで2度の金メダル
世界陸連会長・セバスチャン・コー氏がIOC会長選に立候補 現役時代に男子1500mで2度の金メダル

世界陸連のセバスチャン・コー会長(2022年撮影)

9月16日、国際オリンピック委員会(IOC)はトーマス・バッハ会長の任期満了に伴って行われる次期会長選に立候補した7人を発表し、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が立候補したことを明らかにした。

コー氏は67歳。現役時代は800m、1500mを専門とし、1980年モスクワ五輪、1984年ロサンゼルス五輪ではいずれも1500mで金メダル、800mは銀メダルを獲得している。800m、1500m、1マイルなどで世界記録を12回更新。1981年に出した800m1分41秒73は1997年に破られるまで16年間も世界記録として残った。

現役引退後は、1992年から英国議会の議員を務めたほか、2012年ロンドン五輪の組織委員会会長として、大会の実現に奔走。WAでは07年から副会長、15年からは会長を務めている。

広告の下にコンテンツが続きます

WA会長としては、さまざまな改革を断行。ドーピングによる違反や倫理違反行為に対処する独立機関「アスリート・インテグリティ・ユニット」の設立や、トランスジェンダー選手の出場制限を支持した。また、政治的にはウクライナ侵攻を行ったロシアとベラルーシに対して強硬な姿勢を示し、国際大会に両国選手の参加を認めない方針を示してきた。

アスリートや陸上競技の地位向上を目的に、選手たちを金銭面で補助する政策を打ち出し、今年のパリ五輪では国際競技団体として初めて五輪金メダリストに報奨金5万ドルを贈ることを発表。さらに、26年には賞金総額15億円となる「世界陸上アルティメット選手権」を行うことも発表した。

コー氏は、IOCの発表を受けて自身のSNSで声明を発表。「コロナ禍で多くの人が運動不足に苦しみ、多くのスポーツ団体が資金不足に悩まされました。今後10年間で、その両面に多くの投資する必要があります」とスポーツ界に対して危機感と募らせていることを明らかにし、「IOCは課題に対しレーザーのように集中して取り組むことが優先事項であり、私であればこれらを解決できるだろう」と意欲を見せた。

IOC会長選にはコー氏のほか、日本人として初めて立候補する渡邊守成・国際体操連盟会長、ダビド・ラパルティアン・国際自転車競技連合会長、IOC副会長のフアン・アントニオ・サマランチ・ジュニア氏らが名乗りを上げている。

会長選は来年3月にアテネでIOC委員の投票によって行われ、当選者は来年6月から8年の任期を務める。

9月16日、国際オリンピック委員会(IOC)はトーマス・バッハ会長の任期満了に伴って行われる次期会長選に立候補した7人を発表し、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が立候補したことを明らかにした。 コー氏は67歳。現役時代は800m、1500mを専門とし、1980年モスクワ五輪、1984年ロサンゼルス五輪ではいずれも1500mで金メダル、800mは銀メダルを獲得している。800m、1500m、1マイルなどで世界記録を12回更新。1981年に出した800m1分41秒73は1997年に破られるまで16年間も世界記録として残った。 現役引退後は、1992年から英国議会の議員を務めたほか、2012年ロンドン五輪の組織委員会会長として、大会の実現に奔走。WAでは07年から副会長、15年からは会長を務めている。 WA会長としては、さまざまな改革を断行。ドーピングによる違反や倫理違反行為に対処する独立機関「アスリート・インテグリティ・ユニット」の設立や、トランスジェンダー選手の出場制限を支持した。また、政治的にはウクライナ侵攻を行ったロシアとベラルーシに対して強硬な姿勢を示し、国際大会に両国選手の参加を認めない方針を示してきた。 アスリートや陸上競技の地位向上を目的に、選手たちを金銭面で補助する政策を打ち出し、今年のパリ五輪では国際競技団体として初めて五輪金メダリストに報奨金5万ドルを贈ることを発表。さらに、26年には賞金総額15億円となる「世界陸上アルティメット選手権」を行うことも発表した。 コー氏は、IOCの発表を受けて自身のSNSで声明を発表。「コロナ禍で多くの人が運動不足に苦しみ、多くのスポーツ団体が資金不足に悩まされました。今後10年間で、その両面に多くの投資する必要があります」とスポーツ界に対して危機感と募らせていることを明らかにし、「IOCは課題に対しレーザーのように集中して取り組むことが優先事項であり、私であればこれらを解決できるだろう」と意欲を見せた。 IOC会長選にはコー氏のほか、日本人として初めて立候補する渡邊守成・国際体操連盟会長、ダビド・ラパルティアン・国際自転車競技連合会長、IOC副会長のフアン・アントニオ・サマランチ・ジュニア氏らが名乗りを上げている。 会長選は来年3月にアテネでIOC委員の投票によって行われ、当選者は来年6月から8年の任期を務める。

SNSで立候補を表明したセバスチャン・コー氏

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.09

中大が来春の新入生を発表!長距離は栗村凌、簡子傑ら U20東アジア選手権代表・後藤大輔も進学

中大男子陸上部は12月9日、来春入学となるスポーツ推薦試験の合格者20人を発表した。 長距離ブロックでは広島インターハイ5000m3位で、高校歴代歴代8位の13分34秒38を持つ栗村凌(学法石川高・福島)が合格。栗村は昨 […]

NEWS 富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

2025.12.09

富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の主催者は、12月30日に行われる大会のエントリー選手を発表した。 10月の全日本で25年ぶりの優勝を果たした城西大は、区間賞を獲得した兼子心晴(4年)、金子陽向(4年)、本間香( […]

NEWS 鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

2025.12.09

鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

鹿児島銀行は12月8日、宇都ひなたと坂口日菜子が10月末に退部したことを発表した。 宇都は鹿児島・伊敷中から鹿児島高に進学し、3年時には1500mでインターハイに出場。卒業後はワコールに進み、1年目からクイーンズ駅伝に出 […]

NEWS ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

2025.12.09

ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

ユニクロ女子陸上競技部が、選手の一般公募を12月5日に開始した。 同社女子陸上競技部は1997年に創部。全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)には2003年に初出場。14年には7位に入った。 その後は浮き沈みを繰り返 […]

NEWS パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場

2025.12.09

パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場

愛知県名古屋市の瑞穂公園を管理する株式会社瑞穂LOOP-PFIは12月9日、建て替えを進めていたパロマ瑞穂スタジアム(瑞穂公園陸上競技場)が2026年4月22日に一般供用を開始すると発表した。 発表によると、約30000 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top