HOME 学生長距離

2023.12.28

箱根駅伝Stories/不動の絶対王者・駒大 最強4年生世代が牽引「チームに何ができるかを常に考えている」
箱根駅伝Stories/不動の絶対王者・駒大 最強4年生世代が牽引「チームに何ができるかを常に考えている」

最強軍団を牽引する駒大の4年生たち(チーム提供)

新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。

力みなぎる4年生

2022年度から学生三大駅伝の無敗ロードを突き進む。駒大は今年度も難なく出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、向かうところ敵なしだ。

広告の下にコンテンツが続きます

昨年度は、出雲が2区で、全日本では3区で、箱根は4区で先頭に立ち、その後はリードを広げてフィニッシュへ向かった。

今年度はその上を行く。出雲も全日本も1区で区間賞を取り、そのまま先頭を譲らなかった。昨年度の箱根駅伝往路の小田原中継所以降、21度の中継・フィニッシュ機会すべてでトップを譲っていない。影をも踏ませぬとはこのことだ。

前回の箱根駅伝優勝メンバーから、10000m世界選手権代表の田澤廉(現・トヨタ自動車)、ハーフマラソン前日本人最高記録保持者の山野力(現・九電工)らが抜けた穴は大きいはずなのだ。

しかし、代替わりする前から、大八木弘明総監督(当時・監督)は「来年度はもっと強くなるよ」とどこ吹く風。

それもそのはず、今年度の4年生は、選手層が分厚く力がみなぎっている。この学年の箱根駅伝経験者は8人。うち6人がエントリーされた。

主将の鈴木芽吹は10000mで2年ぶり自己新。安原太陽はワールドユニバーシティゲームス5000m銀メダル。赤星雄斗は全日本5区2位と、充実の前回Vメンバー。11月に上昇をアピールした花尾恭輔、白鳥哲汰、金子伊吹は「復活」の舞台へ備える。そこに全日本1区区間賞の赤津勇進が加わった。エントリー16名中、7名を占める4年生がチームの重心だ。

この世代について今年4月に就任した藤田敦史監督は「チームに何ができるかを常に考えている。この世代が4年生で良かった」と絶大なる信頼を寄せている。

4年生の牽引があるから、下級生がのびのびと個性を伸ばしていける。躍動する3年の篠原倖太朗、2年の佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯らに話を聞くと、4年生たちの雰囲気作りに感謝し、競技者としての尊敬も常に持っている。今の4年生が田澤や山野らに抱いていた気持ちのように――。

新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。

力みなぎる4年生

2022年度から学生三大駅伝の無敗ロードを突き進む。駒大は今年度も難なく出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、向かうところ敵なしだ。 昨年度は、出雲が2区で、全日本では3区で、箱根は4区で先頭に立ち、その後はリードを広げてフィニッシュへ向かった。 今年度はその上を行く。出雲も全日本も1区で区間賞を取り、そのまま先頭を譲らなかった。昨年度の箱根駅伝往路の小田原中継所以降、21度の中継・フィニッシュ機会すべてでトップを譲っていない。影をも踏ませぬとはこのことだ。 前回の箱根駅伝優勝メンバーから、10000m世界選手権代表の田澤廉(現・トヨタ自動車)、ハーフマラソン前日本人最高記録保持者の山野力(現・九電工)らが抜けた穴は大きいはずなのだ。 しかし、代替わりする前から、大八木弘明総監督(当時・監督)は「来年度はもっと強くなるよ」とどこ吹く風。 それもそのはず、今年度の4年生は、選手層が分厚く力がみなぎっている。この学年の箱根駅伝経験者は8人。うち6人がエントリーされた。 主将の鈴木芽吹は10000mで2年ぶり自己新。安原太陽はワールドユニバーシティゲームス5000m銀メダル。赤星雄斗は全日本5区2位と、充実の前回Vメンバー。11月に上昇をアピールした花尾恭輔、白鳥哲汰、金子伊吹は「復活」の舞台へ備える。そこに全日本1区区間賞の赤津勇進が加わった。エントリー16名中、7名を占める4年生がチームの重心だ。 この世代について今年4月に就任した藤田敦史監督は「チームに何ができるかを常に考えている。この世代が4年生で良かった」と絶大なる信頼を寄せている。 4年生の牽引があるから、下級生がのびのびと個性を伸ばしていける。躍動する3年の篠原倖太朗、2年の佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯らに話を聞くと、4年生たちの雰囲気作りに感謝し、競技者としての尊敬も常に持っている。今の4年生が田澤や山野らに抱いていた気持ちのように――。

新監督にして適材適所が光る藤田采配

駒大の強さを表す言葉は尽きないが、「4年生」ともう1つ何かをあげるなら、藤田敦史新監督の采配がある。 大八木弘明総監督から「現場主義」を継承。出雲、全日本を制して早くも「優勝監督」に名を刻んだが、藤田監督自身はは「まだまだ新米監督です。大八木総監督が長年かけて作り上げたものを引き継ぎ、いじるところは何もありませんでした」と低姿勢だ。 2015年度から8年のコーチ時代は裏方に徹してきた新監督らしい一面だが、出雲、全日本でほぼ完璧なオーダーを完成させ、リザーブ選手全員も走れる状態に持っていった手腕は、「継承」だけで説明できるものではない。 出雲、全日本は誰が見ても「オーソドックス」な編成。裏を返せば、奇をてらった配置をする必要もない戦力を整えた。その中でにじませた藤田カラーが、全日本での1区赤津の起用だ。 1年前に8区区間賞を取った花尾が出走できる状態に戻っていたが、花尾に無理をさせないことと、赤津の練習が充実していた点などを考慮。大八木総監督が「赤津を1区にし、花尾を外す決断については、私に相談するのではなく、すでに藤田監督が決断していました」とその裏側を明かす。 そして見事に赤津が区間賞を獲得。全区間トップ中継の完勝につながった。 箱根駅伝へ向けて16人のエントリー選手を絞る際には、「復調待ち」の経験者より、現時点で充実している選手を入れた。シビアな選択に向き合っている。 「(リザーブを含め)誰が走ってもおかしくない」(藤田監督)という状態を出雲、全日本で作り、なおかつ復調した経験者、新たに成長を示した新鋭を組み入れた、箱根エントリーの16人。今まさに誰が走ってもおかしくない。 1区が誰なのか。2区はだれなのか。2種目のU20日本記録保持者にして箱根初登場の佐藤はどこに入るのか。「どこでも走れる」篠原はやはり当日変更に備えるのか。5、6区の特殊区間は、前回から変わるのかどうか。 変幻自在。どんな先入観も覆してきそうな采配が見られるかもしれない。 [caption id="attachment_124895" align="alignnone" width="800"] 駒大の藤田敦史監督[/caption] 文/奥村 崇

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.05.27

平林清澄が日本チームトップでフィニッシュ 大迫傑、鈴木健吾と米国10kmロードに参戦

米国コロラド州ボルダーで5月26日、ロードレース「ボルダー・ボルダー」が行われ、男子10kmで日本から参加した平林清澄(ロジスティード)が30分14秒で9位に入った。 同大会は米国コロラド州ボルダーで1979年にスタート […]

NEWS 2026中学最新ランキング【女子】

2026.05.27

2026中学最新ランキング【女子】

女子100m 2026年 12.00 1.2 バログン・イズミ(千住ジュニア・3東京)5.24 12.06 1.5 酒井 聖夜(河津3静岡) 5.16 12.06 1.1 西尾  彩(河南陸上クラブ・3大阪) 5.17 […]

NEWS 2026中学最新ランキング【男子】

2026.05.27

2026中学最新ランキング【男子】

男子100m 2026年 10.77 1.9 大西 凌駆(ゆめおりAC3・東京) 4.19 10.79 0.2 菅野 凌玖(安中一3群馬) 5.16 10.85 0.5 好川 翔太(三木3香川) 5.17 10.88 - […]

NEWS ハーフ元世界記録保持者・カンディエに新たなドーピング規則違反 検査において改ざんを試みる

2026.05.27

ハーフ元世界記録保持者・カンディエに新たなドーピング規則違反 検査において改ざんを試みる

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は、5月27日までに男子長距離のK.カンディエ(ケニア)ら複数の選手に対し、ドーピング規則の違反などによる処分を科すことを発表した。 カ […]

NEWS 来年の北京世界陸上の参加標準記録発表!100m9秒95、5000m12分50秒など軒並み上昇

2026.05.27

来年の北京世界陸上の参加標準記録発表!100m9秒95、5000m12分50秒など軒並み上昇

世界陸連(WA)は、2027年に中国・北京で開催する世界選手権の参加標準記録を発表した。 北京世界選手権の出場資格を得るためには、参加標準記録を突破するか、ワールドランキングで各種目の出場枠(ターゲットナンバー内)に入る […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年6月号 (5月14日発売)

2026年6月号 (5月14日発売)

落合晃&丸山優真が日本新
26春 学生長距離勢力図

page top