◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)2日目
名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子100mは多田修平(住友電工)が10秒17(+0.1)をマークして優勝。2021年以来、5年ぶり2度目の頂点に立った。
得意のスタートが決まる。「隣も見えなくて、2021年の時と同じように自分のレーンだけに集中できました」。まさに得意の勝ちパターンに持ち込んだ。
同じ大阪の新星・西岡尚輝(筑波大)が競りかけ、準決勝では逆転された桐生祥秀(日本生命)も追いかけてきたが、多田が力強くフィニッシュを駆け抜けた。勝敗は「わからなかった」と言うが、アナウンスで勝ちを知り「ガッツポーズが出ました」と感情が爆発した。
100mでは17年ロンドン世界選手権と21年東京五輪で代表となった多田。だが、その後は「モチベーションが上がらない時期があった」と、一時は休養を宣言した。その後はふくらはぎなど故障に苦しみ、持ち味が影を潜め、代表からも遠ざかった。
だが、「昨年くらいから状態は上がっていた」と接地感覚を取り戻しつつ、フィジカル強化で苦心していた厚底スパイクでも「まっすぐに」反発を得られるようになったという。
今季も室内60mから連戦を重ね、4月はやや精彩を欠いたもののそこは元々「レースを重ねて調子を上げるタイプ」と話していたように、尻上がりだった。5月の木南記念で 10秒16(+2.1)、 関西実業団では10秒10(+1.4)とアジア大会派遣設定記録を突破して迎えていた。
昨年の東京世界選手権は「悔しくて現地には見に行けなかった」とテレビで見届けたという。これで5年ぶりの日本代表。「調子も上がっていたし、そこしか目指していなかった。シンプルにうれしいです。みんな狙っていたと思うのでみんなの分も背負いたい。アジアのレベルも上がっているので、後半を修正してしっかりメダルを取りたいです」と気を引き締めて秋に向かっていく。
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