HOME 学生長距離

2023.12.24

【Playback箱根駅伝】第72回/古豪中大 32年ぶりの優勝! V候補・山梨学大、神奈川大が4区途中棄権の波乱
【Playback箱根駅伝】第72回/古豪中大 32年ぶりの優勝! V候補・山梨学大、神奈川大が4区途中棄権の波乱

第72回箱根駅伝/7区では早大・山崎慎治と中大・前田敬樹と白石高の先輩後輩対決に。 前田が先輩の意地を見せ首位を守った

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第72回(1996年/平成8年)
早大が2区・渡辺康幸の区間賞もあり往路V 東海大が過去最高の4位

出雲駅伝、全日本大学駅伝でいずれも上位を占めた中大、早大、山梨学大、神奈川大が優勝候補に挙げられた第72回大会。前回出場校の中央学大が3年ぶりの予選会敗退を喫した一方で、法大が2年ぶりに本戦出場を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

1区は混戦模様から予選会個人トップだった亜細亜大のビズネ・ヤエ・トゥーラ(4年)が残り600mで抜け出し、大学史上初めて鶴見中継所をトップ通過。優勝候補の4校は早大が9位、中大が11位、神奈川大が14位、山梨学大が最下位(15位)と出遅れた。

2区では強力なエースを置く早大と中大が驚異のゴボウ抜きを見せた。早大は前回この区間で1時間6分48秒の新記録を樹立した渡辺康幸(4年)が再び快走。自身の持つ区間記録には6秒及ばなかったものの、8人抜きの区間賞で首位に躍り出た。中大も松田和宏(3年)が9人抜きの区間2位で2位に浮上。最後方からのスタートとなった山梨学大のステファン・マヤカ(4年)は、一時6位まで順位を上げたものの、終盤で失速し、9位でのタスキリレーとなった。

3区では早大が首位の座を守った一方で、神奈川大は高津智一(2年)が区間賞の快走で2位へ、山梨学大も中馬大輔(2年)が区間2位の走りで3位へ押し上げた。

4区では、今大会最大のハプニングが発生した。前年の世界選手権マラソン代表の山梨学大・中村祐二(3年)と神奈川大・高嶋康司(2年)が脚を痛めて無念の途中棄権。1大会で複数の大学がリタイアするのは史上初の事例で、まさかのかたちで山梨学大は3連覇の夢が潰えることになった。

2区以降、首位をひた走った早大は5区の小林雅幸(3年)が1時間10分27秒の区間新記録を樹立し、2年連続の往路優勝。4区・榎木和貴(3年)の区間賞で2位に浮上した中大が2分15秒遅れの往路2位。3位の東海大とは約4分の差をつけ、総合優勝争いは名門2校に絞られた。

6区では中大の工藤利寿(3年)が区間賞の走りで早大を逆転し、16秒のリードを構築。7区で5秒差まで迫られたものの、中大は8区の川波貴臣(4年)が前回大会で1学年下のチームメイト・榎木和貴が樹立した区間記録を15秒更新する1時間5分48秒でその差を2分21秒まで拡大。9区と10区も安定したタスキリレーで逃げ切り、32年ぶりとなる最多14度目の総合優勝と復路優勝を手にした。

早大は3年連続の準優勝。苦手の山下り(6区)で区間12位と低迷したのが響いた。混戦の3位争いは前年まさかの途中棄権に泣いた順大が制して2年ぶりのトップスリー。東海大が過去最高の4位、低迷を続けていた大東大が4年ぶりの好成績となる5位に食い込み、前回予選落ちに泣いた法大も6位へジャンプアップした。7位の亜細亜大は20年ぶりのシード権獲得だった。

シード権争いも熾烈を極めた。9区終了時点で9位の専大と10位の日体大との差は2分32秒。ところが、専大の鈴木利弘(4年)が脱水症状に陥り、みるみるうちにその差が縮まる。日体大の宇野淳(2年)は区間5位の好走で逆転を決め、かろうじてシード権を死守。専大は5年ぶりにシード落ちとなった。

4区で途中棄権となった神奈川大は3区の高津、7区の渡邊聡(1年)、9区の重田眞孝(4年)と3人が区間賞を獲得。総合成績は参考記録となったが、翌年の逆襲を予感させる復路2位の継走を見せた。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第72回(1996年/平成8年) 早大が2区・渡辺康幸の区間賞もあり往路V 東海大が過去最高の4位

出雲駅伝、全日本大学駅伝でいずれも上位を占めた中大、早大、山梨学大、神奈川大が優勝候補に挙げられた第72回大会。前回出場校の中央学大が3年ぶりの予選会敗退を喫した一方で、法大が2年ぶりに本戦出場を果たした。1区は混戦模様から予選会個人トップだった亜細亜大のビズネ・ヤエ・トゥーラ(4年)が残り600mで抜け出し、大学史上初めて鶴見中継所をトップ通過。優勝候補の4校は早大が9位、中大が11位、神奈川大が14位、山梨学大が最下位(15位)と出遅れた。2区では強力なエースを置く早大と中大が驚異のゴボウ抜きを見せた。早大は前回この区間で1時間6分48秒の新記録を樹立した渡辺康幸(4年)が再び快走。自身の持つ区間記録には6秒及ばなかったものの、8人抜きの区間賞で首位に躍り出た。中大も松田和宏(3年)が9人抜きの区間2位で2位に浮上。最後方からのスタートとなった山梨学大のステファン・マヤカ(4年)は、一時6位まで順位を上げたものの、終盤で失速し、9位でのタスキリレーとなった。3区では早大が首位の座を守った一方で、神奈川大は高津智一(2年)が区間賞の快走で2位へ、山梨学大も中馬大輔(2年)が区間2位の走りで3位へ押し上げた。4区では、今大会最大のハプニングが発生した。前年の世界選手権マラソン代表の山梨学大・中村祐二(3年)と神奈川大・高嶋康司(2年)が脚を痛めて無念の途中棄権。1大会で複数の大学がリタイアするのは史上初の事例で、まさかのかたちで山梨学大は3連覇の夢が潰えることになった。2区以降、首位をひた走った早大は5区の小林雅幸(3年)が1時間10分27秒の区間新記録を樹立し、2年連続の往路優勝。4区・榎木和貴(3年)の区間賞で2位に浮上した中大が2分15秒遅れの往路2位。3位の東海大とは約4分の差をつけ、総合優勝争いは名門2校に絞られた。6区では中大の工藤利寿(3年)が区間賞の走りで早大を逆転し、16秒のリードを構築。7区で5秒差まで迫られたものの、中大は8区の川波貴臣(4年)が前回大会で1学年下のチームメイト・榎木和貴が樹立した区間記録を15秒更新する1時間5分48秒でその差を2分21秒まで拡大。9区と10区も安定したタスキリレーで逃げ切り、32年ぶりとなる最多14度目の総合優勝と復路優勝を手にした。早大は3年連続の準優勝。苦手の山下り(6区)で区間12位と低迷したのが響いた。混戦の3位争いは前年まさかの途中棄権に泣いた順大が制して2年ぶりのトップスリー。東海大が過去最高の4位、低迷を続けていた大東大が4年ぶりの好成績となる5位に食い込み、前回予選落ちに泣いた法大も6位へジャンプアップした。7位の亜細亜大は20年ぶりのシード権獲得だった。シード権争いも熾烈を極めた。9区終了時点で9位の専大と10位の日体大との差は2分32秒。ところが、専大の鈴木利弘(4年)が脱水症状に陥り、みるみるうちにその差が縮まる。日体大の宇野淳(2年)は区間5位の好走で逆転を決め、かろうじてシード権を死守。専大は5年ぶりにシード落ちとなった。4区で途中棄権となった神奈川大は3区の高津、7区の渡邊聡(1年)、9区の重田眞孝(4年)と3人が区間賞を獲得。総合成績は参考記録となったが、翌年の逆襲を予感させる復路2位の継走を見せた。参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第72回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 中大  11時間04分15秒 2位 早大  11時間08分52秒 3位 順大  11時間16分39秒 4位 東海大 11時間16分49秒 5位 大東大 11時間17分16秒 6位 法大  11時間18分17秒 7位 亜細亜大11時間19分58秒 8位 東農大 11時間20分50秒 9位 日体大 11時間24分22秒 10位 専大  11時間24分46秒 11位 東洋大 11時間27分27秒 12位 駒大  11時間28分02秒 13位 日大  11時間37分29秒    神奈川大 途中棄権    山梨学大 途中棄権●区間賞 1区 B.トゥーラ(亜細亜大) 1時間03分26秒 2区 渡辺康幸(早大)  1時間06分54秒 3区 高津智一(神奈川大)1時間03分32秒 4区 榎木和貴(中大)  1時間02分15秒 5区 小林雅幸(早大)  1時間10分27秒 6区 工藤利寿(中大)     59分59秒 7区 渡邉聰(神奈川大) 1時間05分19秒 8区 川波貴臣(中大)  1時間05分48秒 9区 重田眞孝(神奈川大)1時間10分20秒 10区 渡辺高志(山梨学大)1時間05分39秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2026.11.03

女子4×100mR・市柏高が45秒32のU18日本新!IH200mV山田奈央ら1、2年生オーダーで自校の記録1年ぶり更新/エコパトラックゲームズ

第17回エコパトラックゲームズが11月3日、静岡県掛川市の小笠山総合運動公園エコパスタジアムで行われ、女子4×100mリレーで市柏高(千葉)がU18日本新の45秒32をマークした。 6組タイムレースの最終組に入った市柏高 […]

NEWS ニューイヤーの王座奪還へ!王者・旭化成が2年ぶり九州制覇で弾み「万全の状態でニューイヤーへ」/九州実業団駅伝

2026.11.03

ニューイヤーの王座奪還へ!王者・旭化成が2年ぶり九州制覇で弾み「万全の状態でニューイヤーへ」/九州実業団駅伝

◇第63回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯中央病院陸上競技場~佐伯市屋内運動広場特設コース:7区間89.3km) ニューイヤー駅伝の出場権を懸けた第63回九州実業団毎日駅伝が行われ、旭化成が4時間18分46秒の […]

NEWS 後藤大樹が400mで21年ぶり高校新45秒33!!U18今季世界最高、U18アジア最高の激走/エコパトラックゲームズ

2026.11.03

後藤大樹が400mで21年ぶり高校新45秒33!!U18今季世界最高、U18アジア最高の激走/エコパトラックゲームズ

第17回エコパトラックゲームズが11月3日、静岡県掛川市の小笠山総合運動公園エコパスタジアムで行われ、男子400mで後藤大樹(洛南高2京都)が21年ぶり高校新記録となる45秒33をマークした。 400mハードルでアジア大 […]

NEWS 旭化成が2年ぶり王座奪還!2区・塩出翔太で主導権、49回目の九州制覇 2位クラフティア、3位は安川電機/九州実業団駅伝

2026.11.03

旭化成が2年ぶり王座奪還!2区・塩出翔太で主導権、49回目の九州制覇 2位クラフティア、3位は安川電機/九州実業団駅伝

◇第63回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯中央病院陸上競技場~佐伯市屋内運動広場特設コース:7区間89.3km) ニューイヤー駅伝の出場権を懸けた第63回九州実業団毎日駅伝が行われ、旭化成が4時間18分46秒の […]

NEWS 2027年全日本大学駅伝の地区出場枠が決定! 関東15、関西4で変わらず 他地区は1枠ずつ

2026.11.02

2027年全日本大学駅伝の地区出場枠が決定! 関東15、関西4で変わらず 他地区は1枠ずつ

日本学連は11月2日、前日の1日に開催された第58回全日本大学駅伝の結果を受け、2027年に開催予定の第59回大会における各地区学連の出場枠を発表した。 全日本大学駅伝の出場校数は25校。8つの地区学連(北海道、東北、関 […]

    SNS

    Latest Issue 最新号最新号

    2026年11月号 (10月14日発売)

    2026年11月号 (10月14日発売)

    アジア大会総特集
    駅伝プレビュー

    page top