2020.09.24
4年ぶりに往路を制し、そのまま総合3連覇へ突っ走った駒大
平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は駒大が圧巻の継走で3連勝を飾った第80回大会(2004年)を紹介する。大会の歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?
初代・金栗杯は日本学連選抜の鐘ヶ江が受賞
5区区間賞で初代・金栗杯を受賞した日本学連選抜の鐘ヶ江幸治
記念すべき80回大会は出場校数こそ変わらなかったものの、日本学連選抜を初編成。通常の大会では出走できない北海道、関西、中四国地区から強力選手が集まった。
予選会は特別に箱根町の16.3kmコースで開催。城西大が初出場を決めたほか、東農大が7年ぶり、国士大が10年ぶりに本戦出場を果たした。一方で拓大は合計タイムでは通過圏内(8位)だったものの、前年から採用された関東インカレポイントの影響で出場権を逃した。
3連覇を狙う駒大が11月の全日本大学駅伝で4位に沈んだことで、優勝争いは全日本優勝の東海大、出雲駅伝優勝の日大、出雲・全日本2位の大東大を加えた4校にまでチャンスが広がっていた。
1区を牽引したのは前回この区間で区間3位と好走した山梨学大の橋ノ口滝一(4年)。序盤からハイペースで集団を引っ張ると、5km過ぎに集団から抜け出し、独走態勢を築いた。ところが、16km手前で2位集団から抜け出した日体大の鷲見知彦(1年)と駒大・太田貴之(3年)が橋ノ口を捕らえ、デッドヒートを制した鷲見が区間賞を獲得。6秒差で太田が区間2位、橋ノ口は1分31秒差の11位と出遅れた。
2区でも駒大と日体大の先頭争いが続いたが、9位でタスキをもらった東洋大の三行幸一(4年)が8人抜きの区間賞でトップへ浮上。駒大は2位をキープし、3位は日体大、大東大が4位と続いた。1区で11位と出遅れた山梨学大はオンベチェ・モカンバ(3年)の6人抜きで5位まで順位を上げた。
駒大は3区の佐藤慎悟(2年)が区間トップの走りで先頭を奪うと、4区の田中宏樹(3年)も区間賞。この時点で2位の日体大に2分51秒と大差をつける一方的な展開に。3区で8位に沈んだ東洋大は4区の永富和真(4年)で3位に再浮上。3区・下里和義(4年)の区間賞で10位から3位に上がった神奈川大も4区終了時で5位と好位置につけた。
山上りの5区でも駒大は先頭を譲らず、悠々と4年ぶりの往路優勝を達成。前回区間トップの東海大・中井祥太(2年)が快調な足取りで7位から2位に浮上した。しかし、それ以上の走りを見せたのが日本学連選抜の鐘ヶ江幸治(筑波大4)だった。オープン参加のため総合成績は反映されないものの、16位相当から9人を抜いて7位相当までジャンプアップ。区間2位の中井に33秒差をつける見事な区間賞だった。
亜細亜大は過去最高となる往路3位。優勝候補に挙げられていた日大と大東大はそれぞれ9位、16位と大きく出遅れた。
復路でも駒大の強さは際立ち、6区から10区まで5人全員が区間4位以内と好走。最後は10区の糟谷悟(2年)による区間賞で終止符を打ち、史上5校目となる総合3連覇を成し遂げた。
東海大は6区で3位に落としたものの、7区・小出徹、8区・影山淳一の4年生コンビによるダブル区間賞が光り、過去最高となる2位を確保。前回17位の亜細亜大は、9区・堀越勝太郎(4年)が区間2位に45秒差をつける区間トップの快走で初のトップ3を達成。法大が3年ぶり好成績となる4位に入り、往路で12位と苦戦した順大が大きく巻き返して5位に食い込んだ。
そのほか、往路13位だった中大は6区・野村俊輔(3年)が2年連続区間賞の快走で5人抜き。以降はシード圏内をキープして7位でフィニッシュした。優勝候補の一角に挙げられた日大は復路でも苦戦し、シード権ギリギリの10位で終えた。オープン参加の日本学連選抜は往路7位相当から復路でも安定したタスキリレーを見せ、5位の順大とわずか5秒差の6位相当と健闘した。
大会MVPにあたる初代・金栗四三杯は5区で区間賞を獲得した鐘ヶ江が受賞。なお、区間新記録が生まれなかったのは1989年以来15年ぶりだった。
<人物Close-up>
鐘ヶ江幸治(日本学連選抜/筑波大4年)
3年時に初編成された関東学連選抜のメンバーとして、4年時は80回記念大会で特別に編成された日本学連選抜の一員として、2年連続で5区を走った。3年目は区間8位と目立たなかったものの、4年目に覚醒。16位相当でタスキを受けると、驚異の9人抜きを披露し、驚きの区間賞獲得。大会終了後にはMVPにあたる金栗四三杯を受賞した。奈良学園高時代にインターハイ5000m8位の実績があるものの、トラックの大学ベストは5000m14分29秒89、10000m29分38秒4。筑波大の第三学群システム工学類で文武両道を貫きながら、国立大の選手が箱根の舞台で輝けることを証明してみせた。
<総合成績>
1位 駒澤大学 11.07.51(往路1位、復路1位)
2位 東海大学 11.13.48(往路2位、復路4位)
3位 亜細亜大学 11.16.17(往路3位、復路6位)
4位 法政大学 11.17.42(往路5位、復路8位)
5位 順天堂大学 11.17.45(往路12位、復路2位)
6位 東洋大学 11.18.18(往路6位、復路7位)
7位 中央大学 11.18.21(往路13位、復路3位)
8位 神奈川大学 11.18.33(往路7位、復路5位)
9位 日本体育大学 11.19.18(往路4位、復路10位)
10位 日本大学 11.21.48(往路9位、復路9位)
========シード権ライン=========
11位 中央学院大学 11.23.58(往路8位、復路13位)
12位 山梨学院大学 11.25.56(往路11位、復路15位)
13位 大東文化大学 11.27.25(往路16位、復路12位)
14位 帝京大学 11.28.21(往路10位、復路17位)
15位 東京農業大学 11.28.22(往路17位、復路11位)
16位 早稲田大学 11.28.47(往路15位、復路16位)
17位 国士舘大学 11.33.34(往路14位、復路18位)
18位 関東学院大学 11.36.15(往路19位、復路14位)
19位 城西大学 11.42.15(往路18位、復路19位)
OP 日本学連選抜 11.17.50
<区間賞>
1区(21.3km)鷲見知彦(日体大1) 1.02.51
2区(23.0km)三行幸一(東洋大4) 1.08.45
3区(21.3km)佐藤慎悟(駒 大2) 1.04.16
下里和義(神奈川大4)1.04.16
4区(20.9km)田中宏樹(駒 大3) 1.03.20
5区(20.7km)鐘ヶ江幸治(日本学連選抜/筑波大4)1.12.21
6区(20.7km)野村俊輔(中 大3) 58.29
7区(21.2km)小出 徹(東海大4) 1.04.53
8区(21.3km)影山淳一(東海大4) 1.05.27
9区(23.0km)堀越勝太郎(亜細亜大4)1.09.45
10区(23.0km)糟谷 悟(駒 大2) 1.10.31
4年ぶりに往路を制し、そのまま総合3連覇へ突っ走った駒大平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は駒大が圧巻の継走で3連勝を飾った第80回大会(2004年)を紹介する。大会の歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?初代・金栗杯は日本学連選抜の鐘ヶ江が受賞
5区区間賞で初代・金栗杯を受賞した日本学連選抜の鐘ヶ江幸治記念すべき80回大会は出場校数こそ変わらなかったものの、日本学連選抜を初編成。通常の大会では出走できない北海道、関西、中四国地区から強力選手が集まった。予選会は特別に箱根町の16.3kmコースで開催。城西大が初出場を決めたほか、東農大が7年ぶり、国士大が10年ぶりに本戦出場を果たした。一方で拓大は合計タイムでは通過圏内(8位)だったものの、前年から採用された関東インカレポイントの影響で出場権を逃した。3連覇を狙う駒大が11月の全日本大学駅伝で4位に沈んだことで、優勝争いは全日本優勝の東海大、出雲駅伝優勝の日大、出雲・全日本2位の大東大を加えた4校にまでチャンスが広がっていた。1区を牽引したのは前回この区間で区間3位と好走した山梨学大の橋ノ口滝一(4年)。序盤からハイペースで集団を引っ張ると、5km過ぎに集団から抜け出し、独走態勢を築いた。ところが、16km手前で2位集団から抜け出した日体大の鷲見知彦(1年)と駒大・太田貴之(3年)が橋ノ口を捕らえ、デッドヒートを制した鷲見が区間賞を獲得。6秒差で太田が区間2位、橋ノ口は1分31秒差の11位と出遅れた。2区でも駒大と日体大の先頭争いが続いたが、9位でタスキをもらった東洋大の三行幸一(4年)が8人抜きの区間賞でトップへ浮上。駒大は2位をキープし、3位は日体大、大東大が4位と続いた。1区で11位と出遅れた山梨学大はオンベチェ・モカンバ(3年)の6人抜きで5位まで順位を上げた。駒大は3区の佐藤慎悟(2年)が区間トップの走りで先頭を奪うと、4区の田中宏樹(3年)も区間賞。この時点で2位の日体大に2分51秒と大差をつける一方的な展開に。3区で8位に沈んだ東洋大は4区の永富和真(4年)で3位に再浮上。3区・下里和義(4年)の区間賞で10位から3位に上がった神奈川大も4区終了時で5位と好位置につけた。山上りの5区でも駒大は先頭を譲らず、悠々と4年ぶりの往路優勝を達成。前回区間トップの東海大・中井祥太(2年)が快調な足取りで7位から2位に浮上した。しかし、それ以上の走りを見せたのが日本学連選抜の鐘ヶ江幸治(筑波大4)だった。オープン参加のため総合成績は反映されないものの、16位相当から9人を抜いて7位相当までジャンプアップ。区間2位の中井に33秒差をつける見事な区間賞だった。亜細亜大は過去最高となる往路3位。優勝候補に挙げられていた日大と大東大はそれぞれ9位、16位と大きく出遅れた。復路でも駒大の強さは際立ち、6区から10区まで5人全員が区間4位以内と好走。最後は10区の糟谷悟(2年)による区間賞で終止符を打ち、史上5校目となる総合3連覇を成し遂げた。東海大は6区で3位に落としたものの、7区・小出徹、8区・影山淳一の4年生コンビによるダブル区間賞が光り、過去最高となる2位を確保。前回17位の亜細亜大は、9区・堀越勝太郎(4年)が区間2位に45秒差をつける区間トップの快走で初のトップ3を達成。法大が3年ぶり好成績となる4位に入り、往路で12位と苦戦した順大が大きく巻き返して5位に食い込んだ。そのほか、往路13位だった中大は6区・野村俊輔(3年)が2年連続区間賞の快走で5人抜き。以降はシード圏内をキープして7位でフィニッシュした。優勝候補の一角に挙げられた日大は復路でも苦戦し、シード権ギリギリの10位で終えた。オープン参加の日本学連選抜は往路7位相当から復路でも安定したタスキリレーを見せ、5位の順大とわずか5秒差の6位相当と健闘した。大会MVPにあたる初代・金栗四三杯は5区で区間賞を獲得した鐘ヶ江が受賞。なお、区間新記録が生まれなかったのは1989年以来15年ぶりだった。<人物Close-up>
鐘ヶ江幸治(日本学連選抜/筑波大4年)
3年時に初編成された関東学連選抜のメンバーとして、4年時は80回記念大会で特別に編成された日本学連選抜の一員として、2年連続で5区を走った。3年目は区間8位と目立たなかったものの、4年目に覚醒。16位相当でタスキを受けると、驚異の9人抜きを披露し、驚きの区間賞獲得。大会終了後にはMVPにあたる金栗四三杯を受賞した。奈良学園高時代にインターハイ5000m8位の実績があるものの、トラックの大学ベストは5000m14分29秒89、10000m29分38秒4。筑波大の第三学群システム工学類で文武両道を貫きながら、国立大の選手が箱根の舞台で輝けることを証明してみせた。<総合成績>
1位 駒澤大学 11.07.51(往路1位、復路1位)
2位 東海大学 11.13.48(往路2位、復路4位)
3位 亜細亜大学 11.16.17(往路3位、復路6位)
4位 法政大学 11.17.42(往路5位、復路8位)
5位 順天堂大学 11.17.45(往路12位、復路2位)
6位 東洋大学 11.18.18(往路6位、復路7位)
7位 中央大学 11.18.21(往路13位、復路3位)
8位 神奈川大学 11.18.33(往路7位、復路5位)
9位 日本体育大学 11.19.18(往路4位、復路10位)
10位 日本大学 11.21.48(往路9位、復路9位)
========シード権ライン=========
11位 中央学院大学 11.23.58(往路8位、復路13位)
12位 山梨学院大学 11.25.56(往路11位、復路15位)
13位 大東文化大学 11.27.25(往路16位、復路12位)
14位 帝京大学 11.28.21(往路10位、復路17位)
15位 東京農業大学 11.28.22(往路17位、復路11位)
16位 早稲田大学 11.28.47(往路15位、復路16位)
17位 国士舘大学 11.33.34(往路14位、復路18位)
18位 関東学院大学 11.36.15(往路19位、復路14位)
19位 城西大学 11.42.15(往路18位、復路19位)
OP 日本学連選抜 11.17.50<区間賞>
1区(21.3km)鷲見知彦(日体大1) 1.02.51
2区(23.0km)三行幸一(東洋大4) 1.08.45
3区(21.3km)佐藤慎悟(駒 大2) 1.04.16
下里和義(神奈川大4)1.04.16
4区(20.9km)田中宏樹(駒 大3) 1.03.20
5区(20.7km)鐘ヶ江幸治(日本学連選抜/筑波大4)1.12.21
6区(20.7km)野村俊輔(中 大3) 58.29
7区(21.2km)小出 徹(東海大4) 1.04.53
8区(21.3km)影山淳一(東海大4) 1.05.27
9区(23.0km)堀越勝太郎(亜細亜大4)1.09.45
10区(23.0km)糟谷 悟(駒 大2) 1.10.31RECOMMENDED おすすめの記事
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