2023.11.28
FOCUS! 高校生INTERVIEW
柳川美空 Yanagawa Mikuu
前橋育英高3群馬
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!今回は女子棒高跳の柳川美空選手(前橋育英高3群馬)です。今季は念願のインターハイ優勝を皮切り、シニアの舞台でも活躍。6月の日本選手権や、10月の鹿児島特別国体成年では、いずれも2位と健闘しました。さまざまな実績を重ねた1年を振り返っていただくとともに、高校卒業後や将来的な目標についても語っていただきました。日本から羽ばたいてより高いステージを見据えているようです。
全国大会初入賞が中3の日本選手権
――2023年を振り返っていかがですか。
柳川 昨年が悪かったというのもあって、今シーズンは目標だった高校新記録は出せませんでしたが、全体的にはしっかり結果を出せて、良い1年になったと思います。
――特に印象に残っている試合は。
柳川 日本選手権で準優勝できたことは自分でもびっくりしていますし、うれしかったです。今年の冬季から一緒に練習している諸田実咲さん(アットホーム)と〝ワン・ツー〟になりたいと思っていましたが、正直、2番になれるとは思いませんでした。
――高校最後の今季はどんな目標を掲げてスタートしましたか。
柳川 高校記録(4m16)を更新することと、インターハイは何がなんでも勝ちたいという思いがありました。
――2年前が3位、昨年は5位だったインターハイでは初優勝を飾りました。
柳川 今季は4mに届かなかった試合がほとんどなかったので、4m00の大会記録更新は当たり前というか、そこがスタートラインと思っていました。でも、3m90で終わってしまい、優勝はできましたが、悔しいという気持ちの方が大きかったです。
――それでも今季は自己記録を4m10まで伸ばし、それを5回もクリアしました。
柳川 冬季がケガもなく、しっかりと練習を積めたことが1番の自信になりました。一昨年も去年も冬季はケガが多く、全部の練習を積めたことがなかったからです。
――今季の記録面を振り返っていかがですか。
柳川 目標の高校記録更新ができず、跳躍の技術がまだ甘いと思います。高校新記録の4m20に挑戦しましたが、自分の気持ち的に急いでしまったりすることもありました。田中成コーチにはずっと「4m25は跳べる」と言われていましたが、メンタル的にまだ甘かったと思います。
――冬季はどんなことを取り組みましたか。
柳川 週5日の練習で、3日は跳躍、2日は走りがメインのメニューでした。跳躍は本数が増え、走りは300m+200m+100mのような長い距離を走り込みました。棒高跳は走れれば走れるほどいいですし、試合では体力も必要です。でも、助走が刻めなくなったりしても駄目なので、ロングとショート、両方の走りをやったことが良かったかなと。それと、冬季から本格的にウエイトを始めました。スクワットやベンチプレスなどで全体的にやって、筋力が上がったことも好結果につながったと思います。
――今はどれくらいのポールを使っているのですか。
柳川 マックスが13.7フィート、150ポンドです。それはまだ使いこなせてはいないのですが、7月の南部記念ではうまく使えてしっかり跳躍ができたという感じです。そのポールが使いこなせるようになったら、一段階上の記録を目指せるんじゃないかと感じています。
――陸上を始めたきっかけを教えてください。
柳川 群馬県にスーパーキッズプロジェクトという事業があって、小学4年生の時、父に“半強制的”に行かされました。最初は全然乗り気ではなかったのですが、行ってみたら楽しくて、今に至ります。
――棒高跳のどういうところが楽しかったですか。
柳川 最初は遊びのような感じで始めて、毎週土曜、日曜にベルアスレチックスジャパンに通うことが楽しかったです。そこで出会った今井葉月さん(樹徳3群馬)たちと遊びながら、でも、記録では今井さんに負けたくなくて、どちらが跳ぶとどちらかが泣いて、みたいな繰り返しでしたね。
――中学でも競技を続けていますが、当時はどのように練習していたのですか。
柳川 中学では水曜と土日はベルで、他の日は学校の陸上部で練習していました。
――全中種目には女子棒高跳がありません。中学時代ではどんな目標を持って競技をやっていましたか。
柳川 どこかで1回、全国大会に出てみたいと思っていました。中2の時に、大阪室内出場を狙っていましたが、標準記録を跳んだと思ったらその年に標準記録が20cm上がって出られませんでした。中3の時に3m90を跳んで日本選手権に出られたという感じです。
――その2020年の日本選手権では、全種目を通じて唯一の中学生として出場し、ご自身の持つ中学最高記録に並ぶ3m90を跳んで、6位入賞を果たしました。
柳川 そういう大きな大会が初めてだったので、もう早く跳びたい、早く跳びたいという気持ちだけでした。順位とかはこだわっていなくて、気づいたら6位だったと。他の選手のみなさんが優しくて、試合中でも話しかけてくれて、初めての日本選手権は、とにかくめっちゃ楽しかったです。
全国大会初入賞が中3の日本選手権
――2023年を振り返っていかがですか。 柳川 昨年が悪かったというのもあって、今シーズンは目標だった高校新記録は出せませんでしたが、全体的にはしっかり結果を出せて、良い1年になったと思います。 ――特に印象に残っている試合は。 柳川 日本選手権で準優勝できたことは自分でもびっくりしていますし、うれしかったです。今年の冬季から一緒に練習している諸田実咲さん(アットホーム)と〝ワン・ツー〟になりたいと思っていましたが、正直、2番になれるとは思いませんでした。 ――高校最後の今季はどんな目標を掲げてスタートしましたか。 柳川 高校記録(4m16)を更新することと、インターハイは何がなんでも勝ちたいという思いがありました。 ――2年前が3位、昨年は5位だったインターハイでは初優勝を飾りました。 柳川 今季は4mに届かなかった試合がほとんどなかったので、4m00の大会記録更新は当たり前というか、そこがスタートラインと思っていました。でも、3m90で終わってしまい、優勝はできましたが、悔しいという気持ちの方が大きかったです。 ――それでも今季は自己記録を4m10まで伸ばし、それを5回もクリアしました。 柳川 冬季がケガもなく、しっかりと練習を積めたことが1番の自信になりました。一昨年も去年も冬季はケガが多く、全部の練習を積めたことがなかったからです。 ――今季の記録面を振り返っていかがですか。 柳川 目標の高校記録更新ができず、跳躍の技術がまだ甘いと思います。高校新記録の4m20に挑戦しましたが、自分の気持ち的に急いでしまったりすることもありました。田中成コーチにはずっと「4m25は跳べる」と言われていましたが、メンタル的にまだ甘かったと思います。 ――冬季はどんなことを取り組みましたか。 柳川 週5日の練習で、3日は跳躍、2日は走りがメインのメニューでした。跳躍は本数が増え、走りは300m+200m+100mのような長い距離を走り込みました。棒高跳は走れれば走れるほどいいですし、試合では体力も必要です。でも、助走が刻めなくなったりしても駄目なので、ロングとショート、両方の走りをやったことが良かったかなと。それと、冬季から本格的にウエイトを始めました。スクワットやベンチプレスなどで全体的にやって、筋力が上がったことも好結果につながったと思います。 ――今はどれくらいのポールを使っているのですか。 柳川 マックスが13.7フィート、150ポンドです。それはまだ使いこなせてはいないのですが、7月の南部記念ではうまく使えてしっかり跳躍ができたという感じです。そのポールが使いこなせるようになったら、一段階上の記録を目指せるんじゃないかと感じています。 ――陸上を始めたきっかけを教えてください。 柳川 群馬県にスーパーキッズプロジェクトという事業があって、小学4年生の時、父に“半強制的”に行かされました。最初は全然乗り気ではなかったのですが、行ってみたら楽しくて、今に至ります。 ――棒高跳のどういうところが楽しかったですか。 柳川 最初は遊びのような感じで始めて、毎週土曜、日曜にベルアスレチックスジャパンに通うことが楽しかったです。そこで出会った今井葉月さん(樹徳3群馬)たちと遊びながら、でも、記録では今井さんに負けたくなくて、どちらが跳ぶとどちらかが泣いて、みたいな繰り返しでしたね。 ――中学でも競技を続けていますが、当時はどのように練習していたのですか。 柳川 中学では水曜と土日はベルで、他の日は学校の陸上部で練習していました。 ――全中種目には女子棒高跳がありません。中学時代ではどんな目標を持って競技をやっていましたか。 柳川 どこかで1回、全国大会に出てみたいと思っていました。中2の時に、大阪室内出場を狙っていましたが、標準記録を跳んだと思ったらその年に標準記録が20cm上がって出られませんでした。中3の時に3m90を跳んで日本選手権に出られたという感じです。 ――その2020年の日本選手権では、全種目を通じて唯一の中学生として出場し、ご自身の持つ中学最高記録に並ぶ3m90を跳んで、6位入賞を果たしました。 柳川 そういう大きな大会が初めてだったので、もう早く跳びたい、早く跳びたいという気持ちだけでした。順位とかはこだわっていなくて、気づいたら6位だったと。他の選手のみなさんが優しくて、試合中でも話しかけてくれて、初めての日本選手権は、とにかくめっちゃ楽しかったです。高校卒業後の第一志望は米国留学
――前橋育英高校に進んだ経緯は。 柳川 お父さんが(系列の)育英大学の先生ということと、将来的に勉強もしたほうがいいと思って、進学コースに入学することにしました。 ――高校の練習環境を教えてください。 柳川 学校に棒高跳の施設がないので、基本的には中学の頃と変わらず、週3回はベルで跳躍練習をして、部活では走っていました。 ――これまでの高校生活で、どういう点が成長できたと感じますか。 柳川 メンタル的なことに関しては、以前は試合で1本失敗したらすごく焦っていましたが、今は1本失敗しても落ち着いて跳べるようになりました。あとは、自分は技術的には、まだまだとは思いますが、試合を迎えた時は、ここまで努力してきたんだから、それを出せばいいと、切り替えができるようになりました。 ――そういう気持ちを持てるようになったきっかけは。 柳川 特に今季に入る前の冬季にしっかり練習を積めたことが自信になっていました。あとは田中成コーチからいつも「結果は気にしないで、試合を楽しんでおいで」と言われます。それで気持ちが楽になるというか、吹っ切れます。結果を残してお世話になっている人に恩返しをしたいという気持ちもありますが、競技をやっているのは自分だから、まず一番は自分が楽しめればいいと思って、試合に臨むようになりました。 ――この後、高校生として出場する予定の試合は。 柳川 来年の大阪室内が高校生として最後の大会になると思います。そこで絶対に高校新記録で跳びたいという気持ちがあります。普段から室内のベルで練習しているので、自分は室内の方が得意で、特に大阪室内の競技場が好きです。 [caption id="attachment_121315" align="alignnone" width="800"]
柳川美空 PROFILE
◎やながわ・みくう/2006年1月6日生まれ。群馬県出身。南橘中―前橋育英高(群馬)。小学校4年生で棒高跳を始める。中学入学後、1年生で3m50(室内)をクリアすると、2年生では中2歴代2位タイとなる3m70(室内)まで記録を伸ばした。さらに、3年生のシーズンは8月に室内で3m90の中学最高記録をマークすると、10月の日本選手権では屋外で同じ高さを跳び6位入賞を果たした。高校のインターハイでは1年時に3位といきなり上位入賞。2年時は足の甲を疲労骨折した影響で5位に終わったが、最終学年の今夏は優勝を果たした。秋のU18大会では2連覇を達成。今季はシニアの大会でも好成績を挙げ、6月の日本選手権と鹿児島特別国体成年はいずれも2位。また、4月の兵庫リレーカーニバルと7月の南部記念を優勝している。主な自己ベストは100m12秒34(23年)、棒高跳4m10(23年※高校歴代4位タイ) [caption id="attachment_121316" align="alignnone" width="800"]
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