◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)2日目
ブダペスト世界陸上2日目のモーニングセッションが行われ、男子400m予選1組に出場した佐藤拳太郎(富士通)が44秒77の日本新をマーク。従来の日本記録を32年ぶりに0.01秒短縮した。1991年に前日本記録となった44秒78を樹立した高野進氏(東海大陸上競技部部長)にコメントを寄せていただいた。
*
日本記録が更新されることについて、予感はありました。今は合宿中なのですが、今日の16時頃に自分の日本記録のレースを見返していたのです。今回出場した佐藤拳太郎選手(富士通)、佐藤風雅選手(ミズノ)、中島佑気ジョセフ選手(東洋大)は3人とも、誰が出してもおかしくないと思っていました。止まった針が動いてくれて良かった。
記録だから、いつかは破られるものです。実際に破られたらどんな気持ちになるのだろうと想像もしてみました。今日、破られてみると、スッキリした感じがしています。
私も44秒台に入る前は、45秒00を2度出しています。45秒00だと、何が何でも44秒台をという気持ちになる。実際、45秒台後半では、なかなか44秒台のイメージはつかないものですが、45秒0台だと、どこをどう変えたらいいのかが見えてきます。
近年は100m、200mのショートスプリントに光が当たり、400mはマイナーになって寂しさがありました。しかし、数年前から本格的な強化が始まって、本気になって強化をすれば、結果が出るのだとわかりました。
たかの・すすむ
1961年5月21日生まれ。静岡県富士宮市出身。吉原商高から東海大に進み、ロングスプリンターとしての才能が一気に開花。五輪、世界選手権に3度ずつ出場し、いずれも3度目の舞台でファイナリストに。1991年東京世界選手権で7位、92年バルセロナ五輪では8位に入賞した。30歳だった91年の日本選手権に当時日本記録の44秒78を樹立した。現役引退後は指導者としても手腕を発揮し、2003年パリ世界選手権男子200mで銅メダルを獲得した末續慎吾(当時・ミズノ/現・EAGLERUN)、04年アテネ五輪4×400mR4位の山口有希(当時・東海大)らを育成。07年~ 12年は日本陸連強化委員長も務めた。
男子400m日本歴代10傑をチェック!
44.77 佐藤拳太郎(富士通) 2023. 8.20 44.78 高野 進(東海大教) 1991. 6.16 44.97 佐藤 風雅(ミズノ) 2023. 8.20 45.03 山村 貴彦(日大3) 2000. 9. 9 45.05 小坂田 淳(大阪ガス) 2000. 9. 9 45.12 中島佑気ジョセフ(東洋大4) 2023. 7.22 45.13 ウォルシュ・ジュリアン(富士通) 2019.10. 2 45.16 金丸 祐三(法大4) 2009. 5. 9 45.18 山口 有希(東海大2) 2003.10.29 45.19 岩崎 立来(三重県スポ協) 2023. 7.29【動画】32年ぶりの日本新!男子400m佐藤拳太郎が歴史動かす走り
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.27
各地で都道府県高校駅伝続々開催 週末の3連休は30都府県 11月4日に都道府県代表決定
-
2025.10.27
-
2025.10.27
-
2025.10.27
-
2025.10.26
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.28
トヨタ自動車・吉居大和、西山雄介、トヨタ紡織・羽生拓矢、愛三工業・新家裕太郎ら登録! 中部・北陸実業団対抗駅伝エントリー発表
中部実業団連盟と北陸実業団連盟は10月28日、11月9日に愛知県田原市で開催される第65回中部・第55回北陸実業団対抗駅伝のエントリー選手を発表した。 今年1月の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)で3位に入っているトヨ […]
2025.10.28
走幅跳・橋岡優輝 小学生対象クリニック開催!「身体動かす楽しさ感じて」元日本記録保持者の両親と一緒に指導
アスリートのマネジメント事業を手掛ける株式会社UDN SPORTSは、契約選手で男子走幅跳日本代表の橋岡優輝(富士通)による「HASHIOKA RUNNING ACADEMY FOR KIDS」を11月16日に開催すると […]
2025.10.27
各地で都道府県高校駅伝続々開催 週末の3連休は30都府県 11月4日に都道府県代表決定
年末の全国高校駅伝の出場権を懸けた高校駅伝都道府県大会が各地で行われている。 今週は、明日10月28日の長崎をはじめ、平日にも順次実施され、週末の3連休(11月1日~3日)には一気に30都府県で開催。11月4日の埼玉をも […]
2025.10.27
関東学生連合チーム 個人枠選手が発表! 東大・秋吉拓真が2年連続選出 東大院・本多健亮もメンバー入り/箱根駅伝
10月27日、関東学生陸上競技連盟は、第102回箱根駅伝にオープン参加で出場する関東学生連合チームの出場選手の一部を発表した。 関東学生連合チームは前回まで予選会の落選校の所属選手のうち、各校1名で、予選会個人順位の上位 […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望