◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)9日目
オレゴン世界陸上9日目のイブニングセッションに行われた男子4×100mリレー決勝は、カナダが国別世界歴代5位の37秒48で1997年アテネ大会以来12大会ぶりの金メダルに輝いた。
昨年の東京五輪で銀メダル(上位チームの失格で銅メダルから繰り上がり)を獲得した時とまったく同じオーダー。1走からアーロン・ブラウン、ジェローム・ブレイク、ブレンドン・ロドニーと堅実につないだカナダは、アンカーの東京五輪200m王者アンドレ・デグラスにトップでバトンを渡した。
そのデグラスは、すぐ後ろから追う米国にトップの座を譲らない。米国のアンカーであるマーヴィン・ブレイシーは日本のサニブラウン・アブデル・ハキームも所属するタンブルウィードTCのチームメイトだ。デグラス自身、大会前に新型コロナウイルスに感染した影響でコンディションが整わず、今大会は100mで準決勝どまり、200mは欠場している。
しかし、最後の1本で意地の爆走。男子スプリント全種目制覇と、直前のレースを制した女子との男女優勝という米国の夢を打ち砕き、両手を広げてトップでフィニッシュラインを駆け抜けた。米国は0.07秒及ばず銀メダル、3位は37秒83で英国だった。
デグラスが本調子だったとしても、個人の走力では200m金メダルのノア・ライルズを中心とした米国に到底およばない。30歳のブラウンは100m8位・200m7位と実力を見せたが、ブレイクは100m予選敗退、200m準決勝どまり、ロドニーは個人種目に出場すらしていない。
それでも、世界の頂点に立てるのが4継だ。それを証明したカナダの4人は、国旗を掲げ、誇らしげに胸を張った。
■男子4×100mR上位成績
1位 カナダ 37秒48
2位 米国 37秒55
3位 英国 37秒83
4位 ジャマイカ 38秒06
5位 ガーナ 38秒07=自国新
6位 南アフリカ 38秒10
7位 ブラジル 38秒25
失格 フランス
■男子4×100mR国別世界歴代10傑
36.84 ジャマイカ 2012. 8.11
(カーター,フレイター,ブレイク,ボルト)
37.10 米 国 2019.10. 5
(コールマン,ガトリン,ロジャース,ライルズ)
37.36 英 国 2019.10. 5
(ジェミリ,ヒューズ,キルティー,ミッチェル・ブレイク)
37.43 日 本 2019.10. 5
(多田修平,白石黄良々,桐生祥秀,サニブラウン・A・ハキーム)
37.64 カナダ 2022. 7.23 NEW
(ブラウン,ブレイク,ロドニー,デグラス)
37.50 イタリア 2021. 8. 6
(パッタ、ジェイコブス、デサル、トルトゥ)
37.62 トリニダードトバゴ 2009. 8.22
(ブラウン,バーンズ,キャレンダー,トンプソン)
37.65 南アフリカ 2019.10. 4
(ドロドロ,マガクウェ,ムニャイ,シンビネ)
37.72 ブラジル 2019.10. 5
(ド・ナシメント、ドス・サントス、シルヴァ、デ・オリヴェイラ)
37.79 フランス 1990. 9. 1
(モリニエール,サングーマ,トルアバル,マリローズ)
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
-
2024.04.28
-
2024.04.28
-
2024.04.28
2024.04.26
やり投・北口榛花 五輪シーズン初戦へ「結果がどうであれ次につなげられれば」/DL蘇州
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
-
2024.04.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.04.28
4大会連続の五輪目指して山縣亮太が改めて決意「切符を取ることに向けて頑張りたい」/織田記念
第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日)を前日に控えた4月28日、会場の広島広域公園陸上競技場(ホットスタッフフィールド広島)で出場選手の会見が行われた。 男子100m日本記録(9秒95)保持者の山縣亮太(セイコー)。 […]
2024.04.28
100mH日本記録保持者の福部真子は挑戦者としてレースに臨む「とびきりの笑顔になれば」/織田記念
第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日)を前日に控えた4月28日、会場の広島広域公園陸上競技場(ホットスタッフフィールド広島)で出場選手の会見が行われた。 女子100mハードルに出場する福部真子(日本建設工業)。202 […]
2024.04.28
100mの兒玉芽生が前日会見で意気込み「今出せる最大限のパフォーマンスを発揮したい」/織田記念
第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日)を前日に控えた4月28日、会場の広島広域公園陸上競技場(ホットスタッフフィールド広島)で出場選手の会見が行われた。 女子100mに出場する兒玉芽生(ミズノ)は「何度か出場している […]
2024.04.28
最終日は4種目で金 落合晃が800m1分48秒01 ドルーリーと増子もV 100mH谷中と松田がワン・ツー/U20アジア選手権
◇第21回U20アジア選手権(4月24日~27日/UAE・ドバイ) 4日目 最終日の日本勢は4種目で金メダルを獲得した。 広告の下にコンテンツが続きます 男子800mでは落合晃(滋賀学園高3)が終始トップを譲らず、自己ベ […]
2024.04.28
今春から順大コーチ就任の田中秀幸が日本勢トップ 女子は飛田凜香が5位/ぎふ清流ハーフ
高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン2024は4月28日、岐阜市の岐阜メモリアルセンターを発着点としたコースで行われ、男子はヒラリー・キプコエチ(ケニア)が1時間1分26秒で、女子はステラ・チェサン(ウガンダ)が1時間7分5 […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!