2021.10.22
♯2
「お互いに支え合って箱根駅伝本戦に行こう」
乃木坂46の佐藤楓さんが2021-22年大学駅伝シーズンを通して見どころや注目チーム&選手を紹介する連載企画の2回目です。トップアイドルとして大活躍を続けながら、“駅伝好きアイドル”として『観測史上、最大風速』の注目を集めるでんちゃん。今回は明日行われる「箱根駅伝予選会」について。本戦出場するために一番大事なものは何だろう? 選手たちが見せたいのは情熱のすべて! でんちゃんの予想は? 見どころは? 明日、歓喜に浸るチームは果たして……。未来にその答えがある!
箱根駅伝予選会のトップ通過予想は明治大学
みなさんこんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。連載企画2回目。今回のテーマは箱根駅伝予選会についてです。
箱根駅伝予選会は今週末の10月23日(土)に行われます。今年の箱根駅伝で上位10チームが次回大会のシード権を獲得するのですが、圏外だったチームを含め、箱根駅伝本戦の出場権を懸けた大会です。
予選会は各校10人以上、14人以下がエントリーして、出場するのは1チーム10~12人。各校上位10人の合計タイムが速い順に、10チームが本戦出場権を獲得します。距離はハーフマラソン(21.0975km)。昨年、コロナ禍の影響でコースが変更になりました。
これまでは陸上自衛隊立川駐屯地をスタートして国営昭和記念公園がゴールでしたが、昨年からは陸上自衛隊立川駐屯地内の周回コースで行われています。平坦なコースで走りやすいため、良い記録がたくさん出ています。昨年はさらに気象条件もあって好記録でした。最近はテレビ中継もされるようになって、昨年も見ていました!
箱根駅伝予選会の注目チームは?
今年の注目チームは何と言っても明治大学。“一強”と言えるかもしれません。昨年度は全日本大学駅伝でも3位でした。今年の箱根駅伝は、その前年(6位)の箱根経験者がたくさん残っていたこともあって、良いところにいくのではないかなと予想していましたが、予想外の11位。シード権獲得の10位とは26秒差でした。シード落ちするチーム力ではなかったと思うので、やっぱり箱根駅伝には「魔物が棲んでいる」と思う結果となりました。
明治大学は5000m(13分46秒71)と10000m(28分36秒61)の上位10人の平均タイムが出場41チーム中トップ。その中心選手はキャプテンの鈴木聖人選手(4年)と手嶋杏丞選手(4年)です。鈴木選手は今年の箱根駅伝で5区(9位)を走っている選手で、今年は5000mと10000mで自己ベストを更新しています(13分34秒91、28分09秒24)。手嶋選手は今年の日本選手権5000mに出場。この2人がチームを引っ張ると思います。卒業後は同じチームに所属するというニュースもあります。素敵ですよね! その他にも、肺気胸だったという児玉真輝選手(2年)も復活してほしいです。
明治大学は鈴木聖人選手(左)と手嶋杏丞選手が中心!
中央大学も上位通過候補、中央学院大学の復活は?
名門・中央大学も上位通過が予想されます。昨年の予選会で大迫傑さんの持つU20日本最高記録(当時)に並ぶ1時間1分47秒をマークした吉居大和選手(2年)の走りに期待です。トラックシーズンでは少し調子を落としていて、9月の日本インカレで5000mでも11位でしたが、ここから上向きになりそうです。三浦拓朗選手や森凪也選手といった4年生もチームを牽引する存在です。
注目しているのが中央学院大学です。昨年、予選落ちしたのは衝撃的で、連続出場が18でストップしてしまいました。箱根駅伝にいるのが“当たり前”のチームだっただけに、私もショックでした。中央学院大学はチームカラーがフラッシュイエローでとても目立ちます! これまでは青いシャツにイエローのパンツでしたが、今年からフラッシュイエローのシャツになりました。過去にはハチマキを巻いて走っていた横川巧選手など、個性的なランナーが多いのも特徴。栗原啓吾選手(4年)や3年生主将の小島慎也選手が主力となります。
栗原啓吾選手(右)を軸に中央学院大学が箱根路復活を狙います!
近年は新しいチームがこの箱根駅伝予選会をクリアしています。今年の箱根駅伝往路優勝を飾った創価大学や、出雲駅伝を優勝した東京国際大学といったチームが箱根駅伝に出場してシード権を獲得するようになったこともあり、73回連続出場の日本体育大学や、法政大学、山梨学院大学、日本大学、大東文化大学など、名門校・強豪校が予選会に回っています。
そういった伝統校の中では、日本体育大学の藤本珠輝選手(3年)と、法政大学の鎌田航生選手(4年)が注目です。藤本選手は日本選手権にも出場しているエース。鎌田選手は今年の箱根駅伝で1区区間賞を獲得していますし、3月の日本学生ハーフマラソンでも優勝しているので距離適正も抜群で強いです! 鎌田選手は箱根駅伝後の区間賞インタビューの姿も話題に上がりましたよね。
初出場を狙うのが駿河台大学と麗澤大学。駿河台大学は日本インカレ10000m優勝のジェームズ・ブヌカ選手(4年)に注目です。麗澤大学は2018年、19年度で2年連続次点という悔しさを味わっています。昨年は13位でしたが、本戦出場を叶えてほしいです。
2年前に、26年ぶりに箱根駅伝出場した筑波大学は2大会ぶりの本戦出場が懸かります。近年、力を入れている立教大学も有力視されています。学業との両立をする姿はすごいなって思います。
関東学生連合もここで選抜
箱根駅伝の本戦出場を逃したチームから、「関東学生連合」のメンバーが選出されます。1度も箱根駅伝に出たことがない選手のうち、上位選手から選ばれることがほとんどです。関東学生連合チームはオープン扱いで本戦に出場できます。これは箱根駅伝の経験を各チームに持ち帰って強化を図ってほしいという目的で編成されています。
関東学生連合(学連選抜)をテーマにした小説『チーム』(堂場瞬一著)を読んだことがあるのですが、すごく面白かったです!箱根駅伝予選会が終わってすぐに集められてチームとなるのですが、バラバラの大学から一致団結するのは大変だと思います。アイドルも似たところがあるので、共感しました。
過去には東京大学から近藤秀一選手(現・GMOインターネットグループ)が出場して話題になりました。ちなみに、これまでの関東学生連合(学連選抜)過去最高順位は84回大会(2008年)の4位。青山学院大学の原晋監督が率いていたのです!
箱根駅伝はチーム数人が固まって走る「集団走」という作戦を取るチームも多いです。そのチームのエースが、手を上げたり、後ろを振り返って仲間を鼓舞したりする姿は予選会ならでは。本当に、チーム一丸となって箱根駅伝を目指していると実感するシーンですね。
集団走が見られるのも箱根駅伝予選会ならでは!
発表の瞬間も緊張感が漂っていて、出場のボーダーラインとなる10位が発表される時は少し焦らし気味になるので、さらにドキドキします。近年、予選会出場校だった創価大学や東京国際大学が、今ではタイトルを争う強豪チームとなりました。そういったチームを探すのも予選会の楽しみです。
実は、今年の箱根駅伝予選会は例年より1週間遅い開催です。そのため、全日本大学駅伝までの期間が従来は約3週間だったのが、今年は約2週間。本戦出場だけではなく全日本大学駅伝の上位を狙う明治大学などは、コンディション調整がすごく難しいと思います。どんな走り、どんな作戦でいくのかも注目したいところです。
当日の天候は晴れで、20度以下と良いコンディションとなりそうですが、今日は気温が低く雨が降ったので、気温差がどう影響するのかが心配です。当日は強い風が吹くかどうかも記録に影響します。どのチームが本戦出場を決めるのか。予選会の予想は本当に難しいです……。今年も注目したいと思います!
●箱根駅伝予選会の「思い出ファースト」
やっぱり去年の三浦龍司選手(順天堂大学)の快走が印象に残っています。3000m障害で活躍していた当時1年生の三浦選手が、日本人トップの5位。高校を卒業してこのレースが初めてのハーフマラソンでした。それなのに1時間1分41秒のU20日本最高記録。「ハーフも走れるんだ!」って驚きました。2016年の予選会も印象に残っていて、中央大学の連続出場が87回で止まってしまい、当時1年生で主将だった舟津彰馬選手(現・九電工)の涙に心が打たれました。
昨年は三浦選手と吉居選手のデッドヒートが繰り広げられました
●乃木坂学園大学の箱根駅伝予選会。佐藤楓監督が挙げるカギを握る選手は!?
予選会を戦う上でカギを握るのは樋口日奈さん(1期生)です! ひなちまさんは、いつでも明るくて、優しくて、その存在でみんなを引っ張ってくれる大黒柱です。ひなちまさんがいれば、チームみんな、自分の持っている力を出し切れると思います。
実は、予選会直後の10月26、27、28日には「アンダーライブ」があるのですが、会場が立川なので、予選会の熱気を感じつつ頑張ります! このライブは卒業する先輩の寺田蘭世さんにとって卒業前の最後のライブです。4期生メンバーも初めてアンダーライブに合流して、人数も増えるので、熱量でもパワーアップしたパフォーマンスを見せられればいいなと思います。
4期生は初めて挑戦する曲の振り入れ(ダンス)がたくさんで大変だと思います。私たち3期生も最初は覚えるのに苦労しました。でも、先輩たちが嫌な顔一つせずに優しく、細かなところまで教えてくださいました。大学駅伝も同じだと思いますが、本当に先輩の存在は大きいです。私たちが先輩にしていただいたように、後輩たちを支えていけたらと思っています。そういうところをしっかり受け継いでいきたいです。
【前回の記事】乃木坂46佐藤楓の「駅伝ちゃんねる」♯1出雲駅伝はテレビ観戦したくなる
佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。乃木坂46の最新シングル『君に叱られた』が好評発売中。10月26、27、28日には「28thSG アンダーライブ」も控える。最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
構成/向永拓史 撮影/小川和行

箱根駅伝予選会のトップ通過予想は明治大学
みなさんこんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。連載企画2回目。今回のテーマは箱根駅伝予選会についてです。 箱根駅伝予選会は今週末の10月23日(土)に行われます。今年の箱根駅伝で上位10チームが次回大会のシード権を獲得するのですが、圏外だったチームを含め、箱根駅伝本戦の出場権を懸けた大会です。 予選会は各校10人以上、14人以下がエントリーして、出場するのは1チーム10~12人。各校上位10人の合計タイムが速い順に、10チームが本戦出場権を獲得します。距離はハーフマラソン(21.0975km)。昨年、コロナ禍の影響でコースが変更になりました。 これまでは陸上自衛隊立川駐屯地をスタートして国営昭和記念公園がゴールでしたが、昨年からは陸上自衛隊立川駐屯地内の周回コースで行われています。平坦なコースで走りやすいため、良い記録がたくさん出ています。昨年はさらに気象条件もあって好記録でした。最近はテレビ中継もされるようになって、昨年も見ていました!

中央大学も上位通過候補、中央学院大学の復活は?
名門・中央大学も上位通過が予想されます。昨年の予選会で大迫傑さんの持つU20日本最高記録(当時)に並ぶ1時間1分47秒をマークした吉居大和選手(2年)の走りに期待です。トラックシーズンでは少し調子を落としていて、9月の日本インカレで5000mでも11位でしたが、ここから上向きになりそうです。三浦拓朗選手や森凪也選手といった4年生もチームを牽引する存在です。 注目しているのが中央学院大学です。昨年、予選落ちしたのは衝撃的で、連続出場が18でストップしてしまいました。箱根駅伝にいるのが“当たり前”のチームだっただけに、私もショックでした。中央学院大学はチームカラーがフラッシュイエローでとても目立ちます! これまでは青いシャツにイエローのパンツでしたが、今年からフラッシュイエローのシャツになりました。過去にはハチマキを巻いて走っていた横川巧選手など、個性的なランナーが多いのも特徴。栗原啓吾選手(4年)や3年生主将の小島慎也選手が主力となります。

関東学生連合もここで選抜
箱根駅伝の本戦出場を逃したチームから、「関東学生連合」のメンバーが選出されます。1度も箱根駅伝に出たことがない選手のうち、上位選手から選ばれることがほとんどです。関東学生連合チームはオープン扱いで本戦に出場できます。これは箱根駅伝の経験を各チームに持ち帰って強化を図ってほしいという目的で編成されています。 関東学生連合(学連選抜)をテーマにした小説『チーム』(堂場瞬一著)を読んだことがあるのですが、すごく面白かったです!箱根駅伝予選会が終わってすぐに集められてチームとなるのですが、バラバラの大学から一致団結するのは大変だと思います。アイドルも似たところがあるので、共感しました。 過去には東京大学から近藤秀一選手(現・GMOインターネットグループ)が出場して話題になりました。ちなみに、これまでの関東学生連合(学連選抜)過去最高順位は84回大会(2008年)の4位。青山学院大学の原晋監督が率いていたのです! 箱根駅伝はチーム数人が固まって走る「集団走」という作戦を取るチームも多いです。そのチームのエースが、手を上げたり、後ろを振り返って仲間を鼓舞したりする姿は予選会ならでは。本当に、チーム一丸となって箱根駅伝を目指していると実感するシーンですね。


佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。乃木坂46の最新シングル『君に叱られた』が好評発売中。10月26、27、28日には「28thSG アンダーライブ」も控える。最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
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