2026.04.01
男子走幅跳の橋岡優輝(富士通)が新年度となった4月1日、渡米にあたって成田空港で取材に応じた。
向かう先はカリフォルニア州のサンディエゴ・チュラビスタ。拠点はこれまでの東海岸のフロリダから、西海岸へと移すことになった。合わせてコーチも変更する。22年から同学年のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)とともに、フロリダを拠点とするタンブルウィードTCのレイナ・レイダー・コーチに指導を受けてきた。
新年度からは、ジェレミー・フィッシャー・コーチの元で、自らを高めていく。フィッシャー・コーチは元走高跳選手で、指導者になってから五輪で銀2度、銅1度のメダルを持つ男子三段跳のウィル・クレイ(米国)らを育成してきた。
直接会うのは現地で初めてとなる。練習仲間や環境も「行ってみないとわからない」という状況。ただ、「基礎的なトレーニングが多い印象を受けています」と橋岡。それは、冬季に取り組んでことと合致する部分で、「基礎に立ち返っている僕にとっては、プラスになることのほうが多い」と前向きに捉えている。
日本歴代2位の8m36を持ち、2019年ドーハ世界選手権でシニア世界大会初出場で日本人初入賞の8位。21年東京五輪でも7位に入った。だが、自身の力を発揮できたわけではなく、満足感が大きかったわけではない。22年オレゴン世界選手権でトップ8入りを逃したことを機に、渡米を決断した。
「スプリントを習いに行く」と決めたレイダー・コーチに師事したこの3年で、世界大会はいずれも決勝に進めなかった。ピットで悔し涙をこぼしたこともある。それでも、「スプリント力がついて、走りの技術が安定してきた」という手応えはあり、「この3年は無駄じゃなかった」とうなずく。スプリントが得意だったレイダー氏から、より専門性を求めてのコーチ変更となる。
冬季は、そのスピードをいかに走幅跳につなげるか、という「基本に立ち戻って」見つめ直した。「今までは自分の感覚の中でうまくタイミングを取ってリズム重視でやっていましたが、走ることに固執しすぎていた。走り過ぎているのかなという感覚でした」。
冬季はモチベーションを高めることが難しかったそうだが、それでも地道なトレーニングとしっかり向き合ってきた。その成果の確認と、「無理やりにでもギアを上げるためには試合が必要」として出場した3月末の日大競技会で、8m14をジャンプ。「(踏み切り)板に乗らない中で、完成度は50%ぐらい」でも大台に軽々と乗せたことで、「良いかたちでシーズンに入っていけそう」という手応えが得られた。
「ワクワク半分、不安半分」という気持ちで向かう米国で、ジャンプの仕上げに入っていく。視線は2年後のロサンゼルス五輪で「自分の持っている最大限を力を、その場で発揮する」ことにあり、今年はそのための準備という位置づけ。「来年の北京世界選手権で自信を確固たるものにして、28年に臨んでいきたい」。そのための重要な1年を、新たな拠点で過ごすことになる。
「新しいことにチャレンジできるのがこの1年。スプリントの絶対値が上がれば、助走での余裕が持てる。スピードを持ったまま跳躍につなげるところが結構見えてきました。コーチとは話し合いをしながら、良い形を探せればと思っています」
4月中旬のマウントサックリレーにエントリーしているが、5月中旬のセイコーゴールデングランプリまでのスケジュールは不透明だという。だが、6月の日本選手権で「アジア大会の代表を決められるような結果を」出し、「日本記録(8m40)は超えないと」というのが当面のターゲットだ。
悔しさを味わいつくした日本最強ジャンパーが、さらなる進化を遂げるべく、力強く一歩を踏み出す。
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