2025.12.15
◇全国中学校駅伝(12月14日/滋賀・希望が丘文化公園:女子5区間12km)
第33回全国中学校駅伝の女子が行われ、京山(岡山)が42分07秒で優勝を飾った。第5~7回の御殿場(静岡)、第22~26回に5連覇を達成した桂(京都)に続き、史上3校目となる3連覇を成し遂げた。
前回の優勝メンバーが3人残り、優勝候補の筆頭に挙げられていた京山。しかし、トラックシーズンでは思うような結果が出せない選手も多く、今大会のレースは苦しい1年を象徴するような内容となった。
1区は全中800m3位のスピードを誇る中西彩葉(2年)。一時は先頭を引っ張るなど積極的なレース運びを見せた。「ラストでもう少し行き切りたかった」と終盤に先頭集団から遅れたものの、先頭から16秒差の6位と、まずまずのスタートを切った。
2区の宿野木由里(2年)は「前半から積極的にいこうと思っていました」と、黒石野(岩手)と競り合いながら先頭に浮上。終盤に引き離されたものの、区間3位の好走で順位を2位に押し上げた。
3区は3年連続で同区間を任された岩﨑芽生(3年)。前回は区間賞を獲得している“3区のスペシャリスト”は、13秒あった黒石野との差を徐々に詰め、残り500mほどで追いついた。しかし、最後の上り坂で再び引き離され、ここでも2位で中継。「3年間で一番遅い記録で、悔いが残る走りになりました」と振り返ったが、先頭との差を5秒まで縮めた。
4区の宮永佳奈(2年)は「自分にできる最大限の力を発揮しました」と区間2位の力走で懸命に前を追ったが、黒石野の菅原空音(2年)が快走。差は14秒に広がる。
3連覇に暗雲が立ち込める中、前回大会で4区の区間新記録を樹立した主将の下田千紗都(3年)が5区で真価を発揮する。「とにかく突っ込んで、早く追いつけるようにしようと思っていました」と語り、中間点付近で先頭に追いつくと、そのままじわじわと差を広げた。
最後まで快調な走りを見せ、最終的には17秒差をつけて優勝。選手たちは涙を流しながら喜びを分かち合った。
「春からあまり結果が出なくて苦しい時期もありましたが、それを乗り越えてここまで来られたのでうれしいです」と下田。苦しみ抜いた分、それが報われた瞬間の喜びは格別だった。
「素晴らしい先輩が多かったので、すごくプレッシャーを感じていたと思います。私が一番そうかもしれませんが、それが子どもたちにも伝わっていたのかもしれません」と横山純子監督。毎年のように選手が入れ替わる中で勝ち続けることは並大抵のことではない。追われる立場の重圧を全員が感じながら、それを打ち破った経験は、選手一人ひとりの成長につながるだろう。
来年も今回の出走メンバーから3人が残る。「もう一度鍛え直して、来年度もチャレンジしていきたい」と横山監督。次期主将候補の中西を中心に、史上2校目となる4連覇に挑む。
文/馬場 遼
【動画】京山が4⃣連覇 アンカー・下田千紗都が逆転
【💫第33回 全国中学校駅伝大会 】
— 日テレスポーツ (@ntv_sports_jp) December 14, 2025
📺ただいまBS日テレで生中継📡
女子の部🏃🏼♀️
/
優勝争い🔥
【3連覇に挑む】岡山市立京山中学校
【悲願の初Vへ】盛岡市立黒石野中学校
\
TVerでも無料ライブ配信中⚡️
▶https://t.co/h7tIJh9j0b#全中駅伝 #中学駅伝 pic.twitter.com/ETMF2UmK4O
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.15
関西スポーツ賞に20㎞競歩世界新・山西利和、800m東京世界陸上出場・久保凛が選出!
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.16
日本パラスポーツ賞大賞に男子円盤投・湯上剛輝!東京デフリンピックで金メダル、東京世界陸上も出場
第9回日本パラスポーツ賞の受賞者が12月15日に発表され、男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が大賞に選出された。 同賞は国内外の障がい者スポーツで優れた成績を残した選手、団体を表彰するもの。聴覚障がい者の大賞受賞は初だ […]
2025.12.15
関西スポーツ賞に20㎞競歩世界新・山西利和、800m東京世界陸上出場・久保凛が選出!
第69回関西スポーツ賞の個人部門に、男子20km競歩で世界新記録を樹立した山西利和(愛知製鋼)、東京世界選手権女子800m出場の久保凛(東大阪大敬愛高3)が選出された。 同賞はその年の優秀な成績、関西スポーツ界への貢献度 […]
2025.12.15
なぜ、トップアスリートがOnを選ぶのか? “人気2モデル”の記録更新に向けての『履き分け』とは
スイスのスポーツブランド「On(オン)」。同社は、陸上の男子3000m障害の日本記録保持者で、9月に東京で開催された世界選手権で最後まで優勝争いを演じて8位入賞を果たした三浦龍司(SUBARU)や、学生時代から駅伝やトラ […]
2025.12.15
アンダーアーマーの新作「UA ベロシティ」シリーズ3モデルを同時発売!12月20日より発売開始
アンダーアーマーの日本総代理店である株式会社ドームは12月15日、最新ランニングシリーズ「UA ベロシティ」を12月20日より発売することを発表した。 新モデルは、ランナー一人ひとりの目的やレベルに応じて最適な1足を選べ […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025