◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)4日目
東京世界陸上4日目のイブニングセッションが行われ、男子110mハードル準決勝1組に出場した泉谷駿介(住友電工)は中盤でハードルを脚に引っ掛けて転倒。フィニッシュまでたどりついたが途中棄権と判定された。
思ってみない舞台だった。前日の予選では、スタート時に隣の選手がわずかに動いたことが影響してリアクションタイム0.325秒と大きく出遅れ、13秒52(-0.6)の5着。プラス通過に0.01秒届かず予選敗退となった。
だが、上位選手に欠場が出たため、急きょ出場が決まった。「レースの1時間前に聞いて」国立競技場へ直行。室内練習場で20分程度の準備で挑んだ舞台だった。
その中で、予選で大きなミスが出たスタートをしっかりと決め、1台目の入りはトップ争い。ただ、抜き脚の左脚をハードルにぶつけてややバランスを崩し、その流れから転倒。レース内容は「そこまで覚えていない」という。それほどに、慌ただしく迎えたセミファイナルだった。「全力を尽くして準備してくださった方々に申し訳ないです」と話し、こう続ける。
「こういう結果に終わってしまったので自分への失望感はもちろん大きいです。やる気はあったんですけど、驚いた状態。「あ、出るのか」と。気持ちの面で安定はしていなかったと思います」
しかし、それを招いたのは自分自身だということも理解している。「自分の力不足をすごく感じました」。
前回は日本人初のファイナリストとなり、5位に入賞した。
だが、昨年あたりから、年々成長するスピード、パワーにインターバル間の刻みが追いつかず、力を出し切れないレースが続いてメンタル面でも自信を失いかけた時期があった。7月の日本選手権では修正しつつあるように見えたが、決勝直前のウォーミングアップでふくらはぎを肉離れ。2年ぶりの優勝で意地を見せたが、今大会への調整は万全の流れではなかっただろう。
「予選の感じで走っても、ちょっと良くなかったと思います」と冷静に現在地を分析する泉谷。だが、このままで終わるわけにはいかない。
「また頑張れるように、精神面を整えてがんばりたい。いろいろ準備してくださった中で転んでしまったことも“ネタ”にできるぐらいに強く生きていくしかない。もちろん悔しい思いがある」
その壁を乗り越えたとき、泉谷の本領が再び発揮されるはずだ。
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