HOME 国内

2025.03.02

井上大仁が日本人2番手!4年ぶり自己新2時間6分14秒「次につながる新しいスタート」/東京マラソン
井上大仁が日本人2番手!4年ぶり自己新2時間6分14秒「次につながる新しいスタート」/東京マラソン

東京マラソン2025で日本人2位の12位だった井上大仁(三菱重工) 

◇東京マラソン2025(3月2日/東京都庁~東京駅前・行幸通り)

東京世界選手権代表選考会を兼ねたJMCシリーズG1の東京マラソンが3月2日に行われ、男子はT.タケレ(エチオピア)が2時間3分23秒で優勝した。市山翼(サンベルクス)が日本歴代9位の2時間6分00秒で日本人トップの10位に入った。

日本人2番手となる12位でフィニッシュした井上大仁(三菱重工)が4年ぶり自己新となる2時間6分14秒をマークした。「流れに乗れれば2時間4分~5分ぐらい」をターゲットにしていただけに、「目標からはかなり遠いタイム」ではある。しかし、「久しぶりに自己ベストを出せて新しいスタート。次につながっていくのでは」と笑顔がのぞいた。

広告の下にコンテンツが続きます

2月24日の大阪マラソンでチームの後輩である近藤亮太が初マラソン日本最高の2時間5分39秒をマーク。練習の流れは違うものの、同じニュージーランドで合宿を重ね、「練習の出来は良かった」と言う。

まずは「着実に走ること」を目指し、第3集団でレースを展開。最前列で力強い走りを見せた。その集団の人数が徐々に絞られる中で、最後まで残ったのが井上と市山。「つくことで精一杯で余力はなかった」が、「とにかく我慢する」ことだけを考えて走り続けた。

東京世界選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)を突破したものの、市山とは14秒及ばず、代表入りも厳しくなった。だが、「一歩とは言わないけど、半分ぐらいは前進できたかな」と井上の表情に暗さはない。

2018年のこの大会で2時間6分54秒(当時日本歴代4位)をマークし、同年のアジア大会で金メダルに輝いて東京五輪代表の有力候補に名乗りを上げた。だが、代表選考レースの19年MGCで出走選手中の最下位。21年びわ湖で自己新を出したものの、なかなか結果を残せない時期が続いた。

その間、若手の台頭がどんどん進み、「周りのレベルがどんどん上がってる」ことを実感している。それでも、32歳で迎えた今大会、「今までだったらきつくなったら離れて、埋もれてしまうところをこらえることができた」とレース内容も結果も、「ちょっとは帰ってこられたかな」と言えるものを出せた。

今後も「競技をやっている以上は挑戦し続けるつもりです」と井上。力強く、前進を続けていく。

◇東京マラソン2025(3月2日/東京都庁~東京駅前・行幸通り) 東京世界選手権代表選考会を兼ねたJMCシリーズG1の東京マラソンが3月2日に行われ、男子はT.タケレ(エチオピア)が2時間3分23秒で優勝した。市山翼(サンベルクス)が日本歴代9位の2時間6分00秒で日本人トップの10位に入った。 日本人2番手となる12位でフィニッシュした井上大仁(三菱重工)が4年ぶり自己新となる2時間6分14秒をマークした。「流れに乗れれば2時間4分~5分ぐらい」をターゲットにしていただけに、「目標からはかなり遠いタイム」ではある。しかし、「久しぶりに自己ベストを出せて新しいスタート。次につながっていくのでは」と笑顔がのぞいた。 2月24日の大阪マラソンでチームの後輩である近藤亮太が初マラソン日本最高の2時間5分39秒をマーク。練習の流れは違うものの、同じニュージーランドで合宿を重ね、「練習の出来は良かった」と言う。 まずは「着実に走ること」を目指し、第3集団でレースを展開。最前列で力強い走りを見せた。その集団の人数が徐々に絞られる中で、最後まで残ったのが井上と市山。「つくことで精一杯で余力はなかった」が、「とにかく我慢する」ことだけを考えて走り続けた。 東京世界選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)を突破したものの、市山とは14秒及ばず、代表入りも厳しくなった。だが、「一歩とは言わないけど、半分ぐらいは前進できたかな」と井上の表情に暗さはない。 2018年のこの大会で2時間6分54秒(当時日本歴代4位)をマークし、同年のアジア大会で金メダルに輝いて東京五輪代表の有力候補に名乗りを上げた。だが、代表選考レースの19年MGCで出走選手中の最下位。21年びわ湖で自己新を出したものの、なかなか結果を残せない時期が続いた。 その間、若手の台頭がどんどん進み、「周りのレベルがどんどん上がってる」ことを実感している。それでも、32歳で迎えた今大会、「今までだったらきつくなったら離れて、埋もれてしまうところをこらえることができた」とレース内容も結果も、「ちょっとは帰ってこられたかな」と言えるものを出せた。 今後も「競技をやっている以上は挑戦し続けるつもりです」と井上。力強く、前進を続けていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.17

日本陸連が育成年代の競技会ガイドラインを策定 来年の滋賀インターハイについて18時開始案など対応継続

日本陸連は12月17日に第106回理事会を開き、「育成年代における競技会ガイドライン」を策定したことを発表した。 このガイドラインは日本陸連がかねてから示している「競技者育成指針」に基づいたもので、「育成年代における競技 […]

NEWS 世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

2025.12.17

世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

日本陸連は12月17日、ボツワナ・ハボローネで26年5月2日~3日に開催される世界リレーの日本代表選考要項を発表した。 2027年北京世界選手権の出場権獲得、および世界選手権でのメダル獲得のため、戦略的に選手団をは編成す […]

NEWS U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

2025.12.17

U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

日本陸連は12月17日、米国・オレゴンで8月5日~9日に開催されるU20世界選手権の日本代表選考要項を発表した。 世界で活躍できるU20カテゴリートップレベルの競技者を派遣し、金メダル獲得を目指す選手団を編成する方針。参 […]

NEWS 26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

2025.12.17

26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

日本陸連は12月17日、第106回理事会を開き、来年の第110回日本選手権の参加資格について発表した。 今回は「参加標準記録」と「申込資格」の2つの参加資格を設定し、参加標準記録は高く定められている。ターゲットナンバー( […]

NEWS 今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

2025.12.17

今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

全国高校駅伝や箱根駅伝でヒーローになった村澤明伸(SGホールディングス、34歳)が今年度限りでの「引退」を表明した。実業団では故障に苦しみながら、マラソンにも挑戦。北海道マラソンで優勝して、MGCにも出場した。来年度から […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top