2025.02.20
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ)
JMCシリーズG1の大阪マラソンが2月24日に行われる。前身だったびわ湖毎日マラソンと合併する形でスタートした同大会、今年は東京世界選手権代表選考会を兼ねた一戦。過去、最高レベルの“役者”がそろった。
何と言っても2時間4分56秒の日本記録保持者・鈴木健吾(富士通)の復活に注目が集まる。21年のびわ湖毎日マラソンで日本新を出し、翌年の東京でも2時間5分28秒。こちらもパフォーマンス日本歴代4位として残る。22年オレゴン世界選手権代表に選ばれたが新型コロナウイルス感染のため欠場。その後はケガなども重なるなど歯車が噛み合わなかった。
パリ五輪挑戦を終えて以降、昨年はトラックでもしっかりレースを重ねるなど大きな故障はなさそう。12月の10000mでは27分台まで戻し、全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/2区)、都道府県対抗男子駅伝(7区)と長い距離もこなしている。日本記録を出したびわ湖毎日の後継大会。相性の良い舞台で再び輝きを放つか。
パリ五輪代表の小山直城(Honda)は2年連続出走。23年マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を制した小山は、五輪前最後のマラソンとして出た前回、2時間6分33秒の自己新で3位(日本人2位)に入った。五輪は力を発揮できずに終わったが、再び世界へ進むためのリスタートとなる。JMCシリーズのランキングに入るためには、3レース出場する必要があり、このレースを完走すれば、JMCシリーズのランキングでトップに躍り出る可能性が高い。シリーズチャンピオンは東京世界選手権代表に内定するため、大きく前身できるかもしれない。
22年オレゴン世界選手権代表の西山雄介、23年ブダペスト世界選手権代表の西山和弥というトヨタ自動車の2人も大阪へ。西山雄はパリ五輪こそ逃したものの、安定感は抜群。外したのはパリ五輪MGCのみで、昨年は東京で2時間6分31秒、福岡は2時間6分54秒とハイアベレージだ。現時点でJMCシリーズのランキングトップに立つ。
西山和は2年前のこの大会で、初マラソン日本最高(当時)の2時間6分45秒と鮮烈なデビューを果たした。その後はマラソンの洗礼を浴びているが、経験を積んでの自身5レース目で再起を図る。また、招待選手のもう1人、細谷恭平(黒崎播磨)は、2時間6分台を2回出している実力者。初の世界大会切符を目論む。
これまでの選考会では、福岡国際の吉田祐也(GMOインターネットグループ)が2時間5分15秒(日本歴代3位)で優勝。別府大分毎日は若林宏樹(青学大)が2時間6分07秒をマークして日本人トップだった。JMCシリーズチャンピオン1名を除いて、残す枠は2名で、東京マラソンも残すことを考えると、2時間6分前後の記録、つまり若林の記録を一つの基準に走りたいところだろう。大阪はアップダウンもあるが、前回の平林清澄(國學院大)も2時間6分18秒を出すなど高速コースでもあるため、十分に狙えるだろう。
エリート部門としては、定方俊樹(三菱重工)、作田将希(JR東日本)、柏優吾(コニカミノルタ)、下田裕太(GMOインターネットグループ)、秋山清仁(愛知製鋼)ら実力者がエントリー。もう1人楽しみなのが青学大の黒田朝日。今年の箱根駅伝は2区で1時間5分台をマーク。先輩・若林の快走を刺激にどんな初マラソンになるか。また、10000mで27分31秒27のベストを持つ清水歓太(SUBARU)が初マラソンに挑む。一方、中村祐紀(住友電工)、小山司(SUBARU)はこれが引退レースになる。
海外招待選手は2時間3分34秒のベストを持つゲタネ・モラ(エチオピア)、23年ベルリン4位で2時間4分22秒がベストのロナルド・コリル(ケニア)のベテラン勢を筆頭にレースを牽引しそうだ。ペースメーカーはビダン・カロキ(トヨタ自動車)のほか、日本勢も吉田礼志(中央学大)らが務める。
なお、女子の国内招待選手は青木奈波(岩谷産業)、松田杏奈(三井住友海上)の2人が登録している。
東京世界選手権代表の座を懸けた大阪マラソンは、24日の祝日・月曜日、9時15分にスタート。レースの様子はNHKが9時から中継する。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.22
佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ
-
2025.12.22
-
2025.12.22
-
2025.12.22
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
2025.12.21
800m日本記録保持者・久保凛が最後の都大路で9人抜きの激走! /全国高校駅伝・女子
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.22
佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ
12月23日、滋賀県守山市のSGホールディングスグループ陸上競技場で令和7年度SGH文スポ チャレンジ競技会が開催された。 同大会は主に前日の全国高校駅伝(男子)に出場した学校のうち、出走できなかった選手たちを中心に参加 […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/継続中最長シード・東洋大 激動のシーズンに高まる結束力 2年生世代が台頭
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 「チームのために走る」 20年連続で箱根駅伝のシード権を守り続けてい […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/悔しさを味わってきた東農大・原田洋輔 「がっつり爪痕を残したい」 地元・戸塚で貢献を
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 10月の箱根駅伝予選会で東農大は6位を占め、2 […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/ハーフで強さ示してきた帝京大・島田晃希 「エース区間を走りたい」期待の“大器”最後の舞台へ
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 この1年で帝京大の長距離種目の歴代記録がガラリ […]
2025.12.22
大学対校男女混合駅伝のアンバサダーに堀未央奈が就任!来年2月15日開催、22チーム出場
第6回全国大学対校男女混合駅伝の大会要項が公開され、大会アンバサダーに元乃木坂46の堀未央奈さんが選ばれた。 堀さんは乃木坂46の2期生として加入し、『バレッタ』でセンターを務めるなど人気メンバーとして活躍。21年3月に […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
