HOME ニュース、国内

2020.09.23

【イベント】桐生×寺田が対談 コロナ禍や競技観、日本選手権への意気込み語る
【イベント】桐生×寺田が対談 コロナ禍や競技観、日本選手権への意気込み語る


 男子短距離の桐生祥秀(日本生命)と女子100mハードルの寺田明日香(パソナグループ)が、9月23日オンライン対談を行い、さまざまなテーマについて持論を展開し、将来像や日本選手権・東京五輪への意気込みなどを語った。

 新型コロナウイルスの影響によってインターハイが中止になったことを受け、桐生、寺田に大迫傑(Nike)を加えた3人が「高校陸上ウィズ・アスリート・プロジェクト」を発足。そのサポートをしていた桐生の所属先である日本生命と寺田の所属先・パソナグループの両社による初のイベントとなった。一般向けに配信されたほか、両社の社員限定の質疑応答、そしてメディア向けに取材対応も行った。

 なお、「高校陸上ウィズ・アスリート・プロジェクト」は10月に一度クロージング・イベントをもって区切りとし、その後、違ったかたちで広げていきたいとしている。

広告の下にコンテンツが続きます

●トークイベント
桐生「細かな目標が数百個ある」
寺田「最短距離を考える」

 最初のテーマは「限界突破、目標達成への秘訣」。桐生が「限界だと思ったことがないし、他人が決めること。その言葉自体を使うことがないです」と言えば、寺田は「100mハードルで言えば、13秒00が長い間壁で、それは人々が作ってしまうもの。できるだけ壁を作らないように、もし壁があると感じたらそれを壊していきたいと思っています」と語る。

 目標達成のために大切にしていることについては、「細かな目標が数百個ある。将来のこともあれば、明日の練習のこともある。現役中にその引き出しを全部出すことができれば」(桐生)、「どういったプロセスを踏んでいけば最短距離でいけるかを考えます。目標達成できないこともあるし、落ち込むが、その失敗をしないために、目標までの道のりを分解して考えています」(寺田)と持論を展開した。

 新型コロナウイルスの影響によるモチベーションの保ち方について触れると、桐生は「世界中の全員が一緒の状況だったので仕方ない。時間があるなら有効に使わないともったいないという意識で過ごしました」と話す。寺田も五輪の延期には「ガクッときた」と述べつつ、「身体を休める時期だと捉えて、ケアをしてコロナ開け備えよう、と。ウィズ・アスリートを通して、桐生君たちと交流を持てたのも新しいチャレンジで、有意義に過ごせました」と言う。

 また、「【キャリアを考える】人として、アスリートとして成長するために」というトークテーマでは、将来像など貴重な話が聞かれた。

桐生「競技面であればオリンピックなどいろいろありますが、最近立ち上げた『K-project』を通して陸上教室や少数で中高生と合同練習するなどやってみたい。プロジェクトと競技の割合が、最終的に逆転するのが理想」

寺田「(選手や関係者から)相談を受けることが多くなってきたので、そういう役割を担っていければ。次世代に向けては、『チーム明日香』として、さまざまな専門家に関わってもらっている。そういうノウハウを見せていきながらプロジェクトを立ち上げていきたい」

 最後に報道陣に向けて、10月1日から3日に行われる日本選手権(新潟)に向け、以下のように抱負と現状を明かした。

桐生「今年は中盤から後半は良いのですが、スタートから25mのところが思ったよりも出せていない感じ。去年までスタートで使い過ぎている部分があったので少し抑え気味だったのですが、今の状態なら前半に力を使っても最後まで持つと思います。今年の日本選手権はいろいろ試せる。しっかり走って、タイムは後からついてくると思います」

寺田「福井では1~4台目のタッチダウンタイムが上がっていて、それは狙い通りだったのですが、それ以降がダメ。やってきたことしか試合で出せないと改めて思いました。やっぱり負けると悔しいので、日本選手権では、5台目以降をどう走るかを大事にしていきたい。12秒台を出さないと勝てない。金メダルを娘に持って帰りたいです」

 男子短距離の桐生祥秀(日本生命)と女子100mハードルの寺田明日香(パソナグループ)が、9月23日オンライン対談を行い、さまざまなテーマについて持論を展開し、将来像や日本選手権・東京五輪への意気込みなどを語った。  新型コロナウイルスの影響によってインターハイが中止になったことを受け、桐生、寺田に大迫傑(Nike)を加えた3人が「高校陸上ウィズ・アスリート・プロジェクト」を発足。そのサポートをしていた桐生の所属先である日本生命と寺田の所属先・パソナグループの両社による初のイベントとなった。一般向けに配信されたほか、両社の社員限定の質疑応答、そしてメディア向けに取材対応も行った。  なお、「高校陸上ウィズ・アスリート・プロジェクト」は10月に一度クロージング・イベントをもって区切りとし、その後、違ったかたちで広げていきたいとしている。 ●トークイベント 桐生「細かな目標が数百個ある」 寺田「最短距離を考える」  最初のテーマは「限界突破、目標達成への秘訣」。桐生が「限界だと思ったことがないし、他人が決めること。その言葉自体を使うことがないです」と言えば、寺田は「100mハードルで言えば、13秒00が長い間壁で、それは人々が作ってしまうもの。できるだけ壁を作らないように、もし壁があると感じたらそれを壊していきたいと思っています」と語る。  目標達成のために大切にしていることについては、「細かな目標が数百個ある。将来のこともあれば、明日の練習のこともある。現役中にその引き出しを全部出すことができれば」(桐生)、「どういったプロセスを踏んでいけば最短距離でいけるかを考えます。目標達成できないこともあるし、落ち込むが、その失敗をしないために、目標までの道のりを分解して考えています」(寺田)と持論を展開した。  新型コロナウイルスの影響によるモチベーションの保ち方について触れると、桐生は「世界中の全員が一緒の状況だったので仕方ない。時間があるなら有効に使わないともったいないという意識で過ごしました」と話す。寺田も五輪の延期には「ガクッときた」と述べつつ、「身体を休める時期だと捉えて、ケアをしてコロナ開け備えよう、と。ウィズ・アスリートを通して、桐生君たちと交流を持てたのも新しいチャレンジで、有意義に過ごせました」と言う。  また、「【キャリアを考える】人として、アスリートとして成長するために」というトークテーマでは、将来像など貴重な話が聞かれた。 桐生「競技面であればオリンピックなどいろいろありますが、最近立ち上げた『K-project』を通して陸上教室や少数で中高生と合同練習するなどやってみたい。プロジェクトと競技の割合が、最終的に逆転するのが理想」 寺田「(選手や関係者から)相談を受けることが多くなってきたので、そういう役割を担っていければ。次世代に向けては、『チーム明日香』として、さまざまな専門家に関わってもらっている。そういうノウハウを見せていきながらプロジェクトを立ち上げていきたい」  最後に報道陣に向けて、10月1日から3日に行われる日本選手権(新潟)に向け、以下のように抱負と現状を明かした。 桐生「今年は中盤から後半は良いのですが、スタートから25mのところが思ったよりも出せていない感じ。去年までスタートで使い過ぎている部分があったので少し抑え気味だったのですが、今の状態なら前半に力を使っても最後まで持つと思います。今年の日本選手権はいろいろ試せる。しっかり走って、タイムは後からついてくると思います」 寺田「福井では1~4台目のタッチダウンタイムが上がっていて、それは狙い通りだったのですが、それ以降がダメ。やってきたことしか試合で出せないと改めて思いました。やっぱり負けると悔しいので、日本選手権では、5台目以降をどう走るかを大事にしていきたい。12秒台を出さないと勝てない。金メダルを娘に持って帰りたいです」

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.08

甲南学園陸上競技部創部100周年式典を開催!中尾恭吾主将「次の100年へつなげたい」

甲南学園陸上競技部創部100周年記念式典、および記念祝賀会が11月8日、神戸市内のホテルで開催された。 甲南大学、甲南高校・中学校を運営する甲南学園の歴史は1911年の幼稚園創立からスタート。翌年に小学校、1919年に中 […]

NEWS 女子5000mで山田桃愛が15分33秒70の自己新  3000mで高3・栃尾佳穂9分11秒48/京都陸協記録会

2025.11.08

女子5000mで山田桃愛が15分33秒70の自己新 3000mで高3・栃尾佳穂9分11秒48/京都陸協記録会

11月8日、京都市の東寺ハウジングフィールド西京極で第6回京都陸協記録会が行われ、女子5000mでは山田桃愛(しまむら)が15分33秒70の自己新で全体トップとなった。 山田は埼玉県出身の24歳。小学生時代に発症した骨髄 […]

NEWS 5000m競歩で山田大智が高校新! 従来の記録を10秒近く更新する19分20秒59

2025.11.08

5000m競歩で山田大智が高校新! 従来の記録を10秒近く更新する19分20秒59

11月8日、兵庫県尼崎市の尼崎市記念公園陸上競技場で第6回尼崎中長距離記録会が行われ、男子5000m競歩で山田大智(西脇工高3兵庫)が19分20秒59の日本高校新記録を樹立した。従来の高校記録は住所大翔(飾磨工高/現・富 […]

NEWS 中部・北陸実業団駅伝の区間エントリー発表! 最長4区はトヨタ紡織・西澤侑真、トヨタ自動車・湯浅仁が出場

2025.11.08

中部・北陸実業団駅伝の区間エントリー発表! 最長4区はトヨタ紡織・西澤侑真、トヨタ自動車・湯浅仁が出場

11月8日、中部実業団連盟と北陸実業団連盟は、ニューイヤー駅伝の予選を兼ねた第65回中部・第55回北陸実業団対抗駅伝(11月9日)の区間エントリーを発表した。 中部では、昨年大会新記録で優勝を果たしたトヨタ紡織が4区(1 […]

NEWS 中電工は1区・相葉直紀、6区・北村惇生  中国電力は池田勘汰を6区に起用/中国実業団対抗駅伝

2025.11.08

中電工は1区・相葉直紀、6区・北村惇生 中国電力は池田勘汰を6区に起用/中国実業団対抗駅伝

中国実業団連盟は11月8日、第64回中国実業団対抗駅伝(11月9日)の区間エントリーを発表した。 前回大会で3年ぶりの優勝を果たした中電工は、優勝の立役者となった北村惇生を2年連続でエース区間の6区(19km)に登録した […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top