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2023.02.13

走高跳・赤松諒一2m28でオレゴン銀メダリスト抑える殊勲のV!最終日に日本金4・室内日本新2と大躍進/アジア室内
走高跳・赤松諒一2m28でオレゴン銀メダリスト抑える殊勲のV!最終日に日本金4・室内日本新2と大躍進/アジア室内

2023年アジア室内男子高を制した赤松諒一(アワーズ)(2022年オレゴン世界陸上)

◇アジア室内選手権(2月10~12日/アスタナ・カザフスタン)

アジア室内選手権の最終日が行われ、男子走高跳は赤松諒一(アワーズ)が今季室内世界リスト3位の2m28をクリアして金メダル。昨年のオレゴン世界陸上銀メダリストのウ・サンヒョク(韓国)を破る殊勲で、アジアを制した。

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1週間前の日本選手権室内でも今季室内世界リスト3位タイ、大会新の2m27をジャンプし、3年ぶりの優勝を飾っていた赤松。そこから移動を含むハードスケジュールをものともせず、前日の予選からキレのある跳躍を見せていた。

迎えた決勝も、跳び始めの2m15、2m20、2m24をいずれも1回でクリア。屋外を含む自己タイの2m28も2回目に成功させた。そして、世界のメダリストとの一騎打ちとなる。

同じ試技内容だったウ・サンヒョクが2m28の1回目を失敗したあと、2回目をパス。試技順が先だった赤松が2m28を越えたことでこの高さでは決着がつかないため、2m30での決戦を選択した。

赤松は惜しいジャンプがありながらも2m30を2度失敗。だが、ウ・サンヒョクも2回とも越えられず。赤松は2m30の3回目もクリアならなかったが、真っ向勝負を見事に制した。

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岐阜・加納高3年時の2013年インターハイで3位。岐阜大2年、4年、同大院2年と日本インカレで3度頂点に立った。大学院修了後、2020年にアワーズへ入社。

現在は週5日の勤務をこなし、岐阜大医学部整形外科の研究科研究生としても週1、2回は研究室へ通いながら、競技を続けている。高齢者を対象とした「重心バランスと転倒の関係」という論文を提出目前だという。

昨年はワールドランキングでターゲットナンバー入りし、オレゴン世界陸上に出場。今夏のブダペスト世界陸上には2m32の参加標準記録を突破しての出場を目指している。

アジアを制し、再び世界へ。勢いに乗るジャンパーは、さらなる飛躍への可能性を漂わせる。

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最終日の日本勢は赤松を含め金メダル4、銀メダル3、銅メダル1、室内日本新2のメダル&記録ラッシュになった。

圧巻だったのは女子60mハードルの青木益未(七十七銀行)と同走幅跳の秦澄美鈴(シバタ工業)だ。

予選はプラス通過だった青木は、大会のトラック種目フィナーレにふさわしい激走。1レーンから他を圧倒し、自身の室内日本記録を0.04秒塗り替える室内アジア歴代2位の8秒01で金メダルに輝いた。

走幅跳の秦澄美鈴(シバタ工業)も大ジャンプを連発。4回目に花岡麻帆(Office24)が2003年に作った室内日本記録6m57を20年ぶりに5㎝更新する6m62をマークすると、金メダルを決めた後の最終6回目に6m64とさらに記録を伸ばした。

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男子七種競技では社会人2年目の丸山優真(住友電工)が室内日本記録にあと30点と迫る5801点で制し、奥田啓祐(第一学院高教)が5497点で2位と、日本勢でワン・ツーを占めた。

このほか、男子3000mでは駒大1年の佐藤圭汰(駒大)が室内日本歴代6位の7分56秒41で殊勲の銀メダル。女子800mは塩見綾乃(岩谷産業)がフィニッシュ直前で逆転を許して金メダルを逃したが、2分07秒18で2位を占めた。

男子60mハードルではオレゴン世界選手権代表の石川周平(富士通)が7秒70で銅メダルを確保した。

3日間を戦い抜いたチームジャパンは、金メダル6個、銀メダル5個、銅メダル4個を獲得。室内日本記録も4つ誕生するなど、アジアでその力を大いにアピールした。

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◇アジア室内選手権日本代表はこちら
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◇アジア室内選手権(2月10~12日/アスタナ・カザフスタン) アジア室内選手権の最終日が行われ、男子走高跳は赤松諒一(アワーズ)が今季室内世界リスト3位の2m28をクリアして金メダル。昨年のオレゴン世界陸上銀メダリストのウ・サンヒョク(韓国)を破る殊勲で、アジアを制した。 1週間前の日本選手権室内でも今季室内世界リスト3位タイ、大会新の2m27をジャンプし、3年ぶりの優勝を飾っていた赤松。そこから移動を含むハードスケジュールをものともせず、前日の予選からキレのある跳躍を見せていた。 迎えた決勝も、跳び始めの2m15、2m20、2m24をいずれも1回でクリア。屋外を含む自己タイの2m28も2回目に成功させた。そして、世界のメダリストとの一騎打ちとなる。 同じ試技内容だったウ・サンヒョクが2m28の1回目を失敗したあと、2回目をパス。試技順が先だった赤松が2m28を越えたことでこの高さでは決着がつかないため、2m30での決戦を選択した。 赤松は惜しいジャンプがありながらも2m30を2度失敗。だが、ウ・サンヒョクも2回とも越えられず。赤松は2m30の3回目もクリアならなかったが、真っ向勝負を見事に制した。 岐阜・加納高3年時の2013年インターハイで3位。岐阜大2年、4年、同大院2年と日本インカレで3度頂点に立った。大学院修了後、2020年にアワーズへ入社。 現在は週5日の勤務をこなし、岐阜大医学部整形外科の研究科研究生としても週1、2回は研究室へ通いながら、競技を続けている。高齢者を対象とした「重心バランスと転倒の関係」という論文を提出目前だという。 昨年はワールドランキングでターゲットナンバー入りし、オレゴン世界陸上に出場。今夏のブダペスト世界陸上には2m32の参加標準記録を突破しての出場を目指している。 アジアを制し、再び世界へ。勢いに乗るジャンパーは、さらなる飛躍への可能性を漂わせる。 最終日の日本勢は赤松を含め金メダル4、銀メダル3、銅メダル1、室内日本新2のメダル&記録ラッシュになった。 圧巻だったのは女子60mハードルの青木益未(七十七銀行)と同走幅跳の秦澄美鈴(シバタ工業)だ。 予選はプラス通過だった青木は、大会のトラック種目フィナーレにふさわしい激走。1レーンから他を圧倒し、自身の室内日本記録を0.04秒塗り替える室内アジア歴代2位の8秒01で金メダルに輝いた。 走幅跳の秦澄美鈴(シバタ工業)も大ジャンプを連発。4回目に花岡麻帆(Office24)が2003年に作った室内日本記録6m57を20年ぶりに5㎝更新する6m62をマークすると、金メダルを決めた後の最終6回目に6m64とさらに記録を伸ばした。 男子七種競技では社会人2年目の丸山優真(住友電工)が室内日本記録にあと30点と迫る5801点で制し、奥田啓祐(第一学院高教)が5497点で2位と、日本勢でワン・ツーを占めた。 このほか、男子3000mでは駒大1年の佐藤圭汰(駒大)が室内日本歴代6位の7分56秒41で殊勲の銀メダル。女子800mは塩見綾乃(岩谷産業)がフィニッシュ直前で逆転を許して金メダルを逃したが、2分07秒18で2位を占めた。 男子60mハードルではオレゴン世界選手権代表の石川周平(富士通)が7秒70で銅メダルを確保した。 3日間を戦い抜いたチームジャパンは、金メダル6個、銀メダル5個、銅メダル4個を獲得。室内日本記録も4つ誕生するなど、アジアでその力を大いにアピールした。 ◇アジア室内選手権日本代表はこちら ◇アジア室内1日目のハイライトをチェック ◇アジア室内2日目のハイライトをチェック 次ページ アジア室内日本代表成績をチェック!

■アスタナ2023アジア室内日本代表成績

●男子 ・60m 鈴木涼太(スズキ) 3位 6秒66 ・800m 金子魅玖人(中大) 5位 1分51秒04 薄田健太郎(筑波大) 6位 1分52秒06 ・1500m 飯澤千翔(東海大) 優勝 3分42秒83 荒井七海(Honda)  4位 3分44秒79 ・3000m 佐藤圭汰(駒大) 2位 7分56秒41 坂東悠汰(富士通) 4位 8分00秒15 ・60mH 石川周平(富士通) 3位 7秒70 野本周成(愛媛陸協) 予選DNS ・走高跳 赤松諒一(アワーズ) 優勝 2m28 瀬古優斗(滋賀陸協) 4位 2m24 ・走幅跳 山川夏輝(佐賀スポ協) 5位 7m76 ・三段跳 伊藤陸(近大高専) 9位 15m91 ・七種競技 丸山優真(住友電工) 優勝 5801点 奥田啓祐(第一学院高教) 2位 5497点 ●女子 ・60m 君嶋愛梨沙(土木管理総合) 5位 7秒40 ・800m 塩見綾乃(岩谷産業) 2位 2分07秒18 ・1500m 後藤 夢(豊田自動織機) 2位 4分15秒55 卜部 蘭(積水化学) 4位 4分21秒54 ・3000m 山本有真(名城大) 3位 9分09秒29 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 4位 9分10秒77 ・60mH 青木益未(七十七銀行) 優勝 8秒01=室内日本新 清山ちさと(いちご) 4位 8秒20 ・棒高跳 那須眞由(KAGOTANI) 優勝 4m00 ・走幅跳 秦澄美鈴(シバタ工業) 優勝 6m64=室内日本新 髙良彩花(筑波大) 7位 6m14 ・三段跳 森本麻里子(内田建設AC) 2位 13m66=室内日本新 ・五種競技 山﨑有紀(スズキ) 3位 4078点=室内日本新

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