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2023.01.27

パリ五輪MGC&ブダペスト世界陸上へ大事な試金石!安藤友香が初Vなるか、新星誕生は!?/大阪国際女子マラソン
パリ五輪MGC&ブダペスト世界陸上へ大事な試金石!安藤友香が初Vなるか、新星誕生は!?/大阪国際女子マラソン

22年大阪国際女子マラソンのスタート

1月29日(日)に第42回大阪国際女子マラソンが行われる。今年10月15日に控えるパリ五輪選考会マラソングランドチャピオンシップ(MGC)の出場権を得られる対象のJMCシリーズG1の大会であり、8月のブダペスト世界選手権の代表選考会も兼ねる。3年ぶりに海外選手も参戦。見どころをチェックしていこう。

最も注目されていた東京五輪代表の前田穂南(天満屋)は欠場。そうした中で優勝候補に挙がるのは安藤友香(ワコール)だろう。安藤は10000mで東京五輪に出場したが、やはりマラソンへのこだわりが強い。昨年はオレゴン世界選手権の補欠になったが、待機解除に代表選手に欠場者が出て出走はならず。さらに、代表に内定していたアジア大会も延期された。

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安藤の持ち味は独特のフォームから繰り出される高速ピッチで、速いペースで押していく力がある。その一方、「マラソンでの優勝がない」と本人が語っているように、勝負どころとなるラストの局面でのキレ味やスピードが課題だ。

それでも昨年は5000mで15分17秒15と自己ベストを更新。「高速レースに向けて自信になった」と手応えを口にしている。「やるべきことをやってきた」と充実の表情を浮かべていた安藤。「苦しい場面があると思いますが、自分に負けないように」と、初優勝に向けて磨いてきた武器を発揮できるか。すでにMGCの出場権を持つだけに、秋の決戦に向けた「きっかけとなるようなレースにしたい」と意気込んでいる。

招待選手のうち、安藤の他にMGC出場権を持つのが佐藤早也伽(積水化学)と上杉真穂(スターツ。佐藤は昨年9月のベルリンで2時間22分13秒の自己新を出した。これまでケガも多かったが、「一番練習ができた」と話している。前回、2時間22分29秒で2位に食い込んだ上杉も「年間通してしっかり練習を積めている」と手応え十分。課題としている「自分で前に出て勝負する」という経験がどれだけできるかにポイントを置いている。

前々日会見に登壇した初マラソン勢の筒井咲帆(ヤマダホールディングス)と吉川侑美(ユニクロ)も上位候補。いずれもトラックやハーフマラソンで安定した走りを見せてきた選手だけに、まずはペースをしっかり刻んでいきたいところ。

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準招待選手には、岩出玲亜(デンソー)や2時間23分47秒がベストの清田真央(スズキAC)、西原加純(シスメックス)がエントリー。もう1人、注目なのが前田彩里(ダイハツ)だ。9年前のこの大会で当時・佛教大だった前田は2時間26分46秒の日本人女子学生記録を樹立。鮮烈デビューを飾ると、15年には北京世界選手権にも出場した。その後はケガに苦しんだが、結婚・出産を経て約4年ぶりに戦線復帰。出産後初のマラソンでどんな走りを見せるか。

西原、そして大学時代に前田彩里、ヤマダ(当時)時代に筒井を指導した森川賢一氏が昨年末に急逝。亡き恩師に力強い走りを届けるだろう。

海外招待選手のマウリーン・チェプケモイ(ケニア)、ヘヴン・ハイル・デッセ(エチオピア)、メセレット・ゴラ・シセイ(エチオピア)はいずれも2時間20分台がベスト。現状の力を知る上でも、どれだけ食らいつき、勝負できるか、対・世界を見据えた試金石となる。

今大会で日本人1~3位以内で2時間28分00秒以内をマーク、もしくは4~6位以内で2時間27分00秒以内であればMGC出場権をつかみ取ることができる。また、日本陸連が定めるブダペスト世界選手権の派遣設定記録は2時間23分18秒。

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ヤンマースタジアム長居が改修のため、今回はヤンマーフィールド長居が発着。それに伴いコースも一部変更され、折り返しが少なくより記録が出やすいコースに設計された。日曜日の天気予報は晴れで気温10度を下回るが、強い風が吹く予想もある。

1月29日、12時15分にスタート。レースの模様は12時から関西テレビ/フジテレビ系で全国ネット生中継される。

2023年最初の主要マラソン大会。『世界』への挑戦に向けた、大きな一歩を踏み出すのは果たして。

1月29日(日)に第42回大阪国際女子マラソンが行われる。今年10月15日に控えるパリ五輪選考会マラソングランドチャピオンシップ(MGC)の出場権を得られる対象のJMCシリーズG1の大会であり、8月のブダペスト世界選手権の代表選考会も兼ねる。3年ぶりに海外選手も参戦。見どころをチェックしていこう。 最も注目されていた東京五輪代表の前田穂南(天満屋)は欠場。そうした中で優勝候補に挙がるのは安藤友香(ワコール)だろう。安藤は10000mで東京五輪に出場したが、やはりマラソンへのこだわりが強い。昨年はオレゴン世界選手権の補欠になったが、待機解除に代表選手に欠場者が出て出走はならず。さらに、代表に内定していたアジア大会も延期された。 安藤の持ち味は独特のフォームから繰り出される高速ピッチで、速いペースで押していく力がある。その一方、「マラソンでの優勝がない」と本人が語っているように、勝負どころとなるラストの局面でのキレ味やスピードが課題だ。 それでも昨年は5000mで15分17秒15と自己ベストを更新。「高速レースに向けて自信になった」と手応えを口にしている。「やるべきことをやってきた」と充実の表情を浮かべていた安藤。「苦しい場面があると思いますが、自分に負けないように」と、初優勝に向けて磨いてきた武器を発揮できるか。すでにMGCの出場権を持つだけに、秋の決戦に向けた「きっかけとなるようなレースにしたい」と意気込んでいる。 招待選手のうち、安藤の他にMGC出場権を持つのが佐藤早也伽(積水化学)と上杉真穂(スターツ。佐藤は昨年9月のベルリンで2時間22分13秒の自己新を出した。これまでケガも多かったが、「一番練習ができた」と話している。前回、2時間22分29秒で2位に食い込んだ上杉も「年間通してしっかり練習を積めている」と手応え十分。課題としている「自分で前に出て勝負する」という経験がどれだけできるかにポイントを置いている。 前々日会見に登壇した初マラソン勢の筒井咲帆(ヤマダホールディングス)と吉川侑美(ユニクロ)も上位候補。いずれもトラックやハーフマラソンで安定した走りを見せてきた選手だけに、まずはペースをしっかり刻んでいきたいところ。 準招待選手には、岩出玲亜(デンソー)や2時間23分47秒がベストの清田真央(スズキAC)、西原加純(シスメックス)がエントリー。もう1人、注目なのが前田彩里(ダイハツ)だ。9年前のこの大会で当時・佛教大だった前田は2時間26分46秒の日本人女子学生記録を樹立。鮮烈デビューを飾ると、15年には北京世界選手権にも出場した。その後はケガに苦しんだが、結婚・出産を経て約4年ぶりに戦線復帰。出産後初のマラソンでどんな走りを見せるか。 西原、そして大学時代に前田彩里、ヤマダ(当時)時代に筒井を指導した森川賢一氏が昨年末に急逝。亡き恩師に力強い走りを届けるだろう。 海外招待選手のマウリーン・チェプケモイ(ケニア)、ヘヴン・ハイル・デッセ(エチオピア)、メセレット・ゴラ・シセイ(エチオピア)はいずれも2時間20分台がベスト。現状の力を知る上でも、どれだけ食らいつき、勝負できるか、対・世界を見据えた試金石となる。 今大会で日本人1~3位以内で2時間28分00秒以内をマーク、もしくは4~6位以内で2時間27分00秒以内であればMGC出場権をつかみ取ることができる。また、日本陸連が定めるブダペスト世界選手権の派遣設定記録は2時間23分18秒。 ヤンマースタジアム長居が改修のため、今回はヤンマーフィールド長居が発着。それに伴いコースも一部変更され、折り返しが少なくより記録が出やすいコースに設計された。日曜日の天気予報は晴れで気温10度を下回るが、強い風が吹く予想もある。 1月29日、12時15分にスタート。レースの模様は12時から関西テレビ/フジテレビ系で全国ネット生中継される。 2023年最初の主要マラソン大会。『世界』への挑戦に向けた、大きな一歩を踏み出すのは果たして。

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