HOME 国内

2022.12.31

Playback2022日本記録/男子4×400mR アジア新記録でメダルまであと一歩

オレゴン世界選手権男子4×400mRでアジア新を出したメンバー

2022年は3種目で5個の日本記録が誕生した。そのうち2つはオレゴン世界選手権でのリレー種目。メダル獲得にあと一歩まで迫った男子4×400mリレーでアジア新記録が生まれた。

広告の下にコンテンツが続きます

オレゴン世界選手権アジア新で4位

前年の東京五輪では、伊東利来也(三菱マテリアル)、川端魁人(三重県教員AC)、佐藤拳太郎(富士通)、鈴木碧斗(東洋大)のオーダーで日本タイ記録となる3分00秒76をマークしたが、決勝進出はならなかった。

あれから1年。オレゴンの舞台には佐藤風雅(那須環境技術センター)、川端魁人(中京大クラブ)、ウォルシュ・ジュリアン(富士通)、中島佑気ジョセフ(東洋大)が出場した。まず予選に挑んだ日本はアメリカに次ぐ全体2位のタイム(3分01秒53)で2003年パリ世界陸上以来、19年ぶりとなる決勝進出。3走のウォルシュは「みんなでメダルを取りたい」と、この種目初のメダルへ決意を口にした。

迎えた決勝。予選と同じオーダーで臨んだ。今年の400m日本選手権チャンピオン・佐藤が積極的な走りを見せて5番手で川端へバトンをつないだ。海外勢が前半からスピードを上げ、川端は一時は後方へと下がる。それでもラストスパートで前を行くボツワナを抜き、6番目でウォルシュへとつないだ。

「銅メダルを狙っていた」と言うウォルシュはバックストレートでフランスを捕える。さらに、ラストスパートでトリニダード・トバゴもかわし、ラップタイム43秒91の快走で4番手まで順位を上げ、アンカーで最年少の中島へとバトンを託した。

広告の下にコンテンツが続きます

メダルへの夢に向けて走り出した中島は初の世界大会決勝の舞台。ラップタイム44秒68の快走で、世界選手権では最高となる4位でフィニッシュした。タイムはアジア初の2分台となる2分59秒51。銅メダルまではあと0.79秒だった。

「悔しがるのは今日までにして、明日からは切り替えて、メダルを目指して頑張りたい」(ウォルシュ)
「あとちょっとだったので本当に悔しい。あの差が世界との差なので、来年はリベンジしたい」(中島)

レース後のインタビューで悔しさをにじませながらもリベンジを誓った選手たち。メダルまでの0.79秒を糧に、これからも走り続ける。

次ページ 男子4×400mR日本歴代10傑

[caption id="attachment_90084" align="alignnone" width="722"] オレゴン世界選手権男子4×400mRでアジア新を出したメンバー[/caption] 2022年は3種目で5個の日本記録が誕生した。そのうち2つはオレゴン世界選手権でのリレー種目。メダル獲得にあと一歩まで迫った男子4×400mリレーでアジア新記録が生まれた。

オレゴン世界選手権アジア新で4位

前年の東京五輪では、伊東利来也(三菱マテリアル)、川端魁人(三重県教員AC)、佐藤拳太郎(富士通)、鈴木碧斗(東洋大)のオーダーで日本タイ記録となる3分00秒76をマークしたが、決勝進出はならなかった。 あれから1年。オレゴンの舞台には佐藤風雅(那須環境技術センター)、川端魁人(中京大クラブ)、ウォルシュ・ジュリアン(富士通)、中島佑気ジョセフ(東洋大)が出場した。まず予選に挑んだ日本はアメリカに次ぐ全体2位のタイム(3分01秒53)で2003年パリ世界陸上以来、19年ぶりとなる決勝進出。3走のウォルシュは「みんなでメダルを取りたい」と、この種目初のメダルへ決意を口にした。 迎えた決勝。予選と同じオーダーで臨んだ。今年の400m日本選手権チャンピオン・佐藤が積極的な走りを見せて5番手で川端へバトンをつないだ。海外勢が前半からスピードを上げ、川端は一時は後方へと下がる。それでもラストスパートで前を行くボツワナを抜き、6番目でウォルシュへとつないだ。 「銅メダルを狙っていた」と言うウォルシュはバックストレートでフランスを捕える。さらに、ラストスパートでトリニダード・トバゴもかわし、ラップタイム43秒91の快走で4番手まで順位を上げ、アンカーで最年少の中島へとバトンを託した。 メダルへの夢に向けて走り出した中島は初の世界大会決勝の舞台。ラップタイム44秒68の快走で、世界選手権では最高となる4位でフィニッシュした。タイムはアジア初の2分台となる2分59秒51。銅メダルまではあと0.79秒だった。 「悔しがるのは今日までにして、明日からは切り替えて、メダルを目指して頑張りたい」(ウォルシュ) 「あとちょっとだったので本当に悔しい。あの差が世界との差なので、来年はリベンジしたい」(中島) レース後のインタビューで悔しさをにじませながらもリベンジを誓った選手たち。メダルまでの0.79秒を糧に、これからも走り続ける。 次ページ 男子4×400mR日本歴代10傑
◇男子4×400mR日本歴代10傑 2.59.51 世界選手権代表(オレゴン)2022.7.24 (佐藤風,川端,ウォルシュ,中島) 3.00.76 五輪代表(アトランタ) 1996. 8. 3 (苅部,伊東浩,小坂田,大森) 3.00.76 五輪代表(東京) 2021. 8. 6 (伊東利,川端,佐藤拳,鈴木) 3.00.99 五輪代表(アテネ)   2004. 8.28 (山口,小坂田,伊藤,佐藤光) 3.01.04 日本代表(テグ国際)  2012. 5.16 (高瀬,金丸,石塚,中野) 3.01.26 世界選手権代表(東京) 1991. 8.31 (小中冨,高野,渡邉,伊東浩) 3.01.35 五輪代表(バルセロナ) 1992. 8. 7 (簡,高野,齋藤,渡辺) 3.01.46 世界選手権代表(イエテボリ) 1995. 8.12 (苅部,齋藤,山崎,簡) 3.01.53 世界選手権代表(オレゴン)2022.7.23 (佐藤風,川端,ウォルシュ,中島) 3.01.70 アジア大会代表(バンコク) 1998.12.19 (小坂田,田端,簡,苅部) 3.01.70 日本代表A(国際GP大阪) 2004. 5. 8 (小坂田,山口,伊藤,田端)

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.27

桐生祥秀と山縣亮太が激突 走幅跳に泉谷駿介 男女のトップ選手が続々 エントリー状況発表/JAG大崎

2026年2月14日、15日に開催される「Japan Athlete Games in Osaki 2026」(鹿児島県大崎町・ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅)の12月25日時点でのエントリー状況が12月26 […]

NEWS 名古屋アジア大会のマラソン、競歩の日程案が発表 マラソンは9月26日

2025.12.26

名古屋アジア大会のマラソン、競歩の日程案が発表 マラソンは9月26日

愛知・名古屋アジア大会組織委員会は、26年9月に開催される名古屋アジア大会のマラソンと競歩種目の日程と会場案を発表した。 マラソンは男女とも9月26日(土)に実施を予定。時差スタートで、男子は7時30分、女子は7時50分 […]

NEWS 箱根駅伝Stories/創部111年の年で「1位」に挑む早大 強力な主軸擁し「間違いなく前回より強い」

2025.12.26

箱根駅伝Stories/創部111年の年で「1位」に挑む早大 強力な主軸擁し「間違いなく前回より強い」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 One早稲田のスローガンで 創部111年と「1」並びの年に、早大は「 […]

NEWS 瀬古利彦氏と渡辺康幸氏がトークショー!第102回箱根駅伝に向けて優勝は?見どころは?「5強」だけど「わからない」

2025.12.26

瀬古利彦氏と渡辺康幸氏がトークショー!第102回箱根駅伝に向けて優勝は?見どころは?「5強」だけど「わからない」

「第102回箱根駅伝見どころ先取り!スペシャルトークショー」が12月26日、新宿・京王百貨店のミズノ「第102回箱根駅伝オフィシャルグッズショップ」で行われ、瀬古利彦氏(DeNAアスレティックスエリートアドバイザー)と渡 […]

NEWS 宮古島大学駅伝に青学大、國學院大、中大など箱根出場の14校参加! ダイジェスト放送も実施予定

2025.12.26

宮古島大学駅伝に青学大、國學院大、中大など箱根出場の14校参加! ダイジェスト放送も実施予定

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は12月26日、来年2月8日に実施する大会要項を発表した。 今回で6回目を迎える大会。前回発表よりも出場校が追加され、来年1月の箱根駅伝で3連覇を狙う青学大、宮古島で2 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top