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2022.01.26

最後の箱根路/明大・橋本大輝が示した「強さ」高校時代15分台が積み重ねてつかんだ10区
最後の箱根路/明大・橋本大輝が示した「強さ」高校時代15分台が積み重ねてつかんだ10区


2022年の箱根駅伝で光り輝いた大学生ランナーたち。最終学年を迎えた選手の中には実業団に進んで世界を目指す選手もいれば、ここを区切りに新たな道へ進む学生もいる。お届けするのは、最後の箱根駅伝できらりと光った4年生たち幾人かの物語――。

区間4位の力走でチームは復路3位

箱根駅伝の予選会をトップ通過、全日本大学駅伝7位といった結果から、明大は箱根駅伝で上位候補にも挙げられていた。しかし、蓋を開けると往路17位も響き、総合14位にとどまり、シード権を逃してしまった。

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終始シード圏外でのレースを強いられたが、アンカーを担った4年生の橋本大輝が意地を見せる。「欲を言えば区間賞、最低でも区間5番以内で走りたいと思っていました」。15番手でタスキを受けると、17秒先にスタートしていた国士大を抜いて14番手に浮上。10区の明大新記録(1時間9分11秒)となる区間4位の力走で締めくくった。

「1つでも上の順位を走ろうと決めて走り、それが結果につながったので良かったです。ただ、ラスト3kmで少し踏ん張りが足りずに区間順位を下げてしまいました。チームの結果としても1年間、シード権獲得と5位以内を目標にやってきたので、それとはかけ離れた結果に終わってしまったのが悔しいです」

国士大を抜いた後は、大手町のフィニッシュまで一人旅が続いた。だが、そういうレースこそ、橋本が持ち味を最大限に発揮できる展開だった。明大は復路3位。一矢を報いて名門の意地を見せた。

15分台でも箱根で活躍できる

中学時代に1500mと3000mで全日本中学校選手権に出場した橋本だが、兵庫・須磨学園高では故障が重なり、思ったような活躍には至らなかった。高校の5000mの自己記録は15分09秒12だった。

明大には一般入試を経て入学。「4年生になった時に箱根駅伝を走る」。そう決意した。2年時の秋にハーフマラソンで1時間4分32秒、冬に1時間3分58秒と記録を短縮して自信を深めた橋本。3年時はコロナ禍のなかで特にシーズン前半は我慢の時期だったが、「できることを淡々と積み上げました」と振り返る。12月には5000mで14分13秒00の自己新をマークしたが、多数のスピードランナーがひしめくチームにあって、駅伝で走るチャンスはなかなか巡ってこなかった。

最終学年となった今年度は、「箱根の10区を走るイメージでやってきました」と橋本。「単独走が得意なのと、最後は自分がゴールテープを切って笑顔で終わりたいという思いがありました」と言うように、前半のトラックシーズンは課題のスピードを磨き、夏合宿もパーフェクトにこなした。

かつてないほど自信を持って駅伝シーズンを迎え、初出場を果たした箱根予選会は1時間3分09秒の自己ベストで総合25位(チーム6番手)。学生駅伝デビューとなった全日本大学駅伝も2番目に距離が長い17.6kmの7区を区間4位でまとめた。山本佑樹監督が「予選会と全日本の2本をきっちりそろえた。本当の力がついてきたと思います」と、小澤大輝(3年)、児玉真輝(2年)とともに高く評価したのが橋本だった。

箱根駅伝に向けたアンケートにはこう綴られている。「高校時代15分台でも箱根で活躍できることを証明します!」。最初で最後の出場となった箱根駅伝で任された区間は、希望していた10区。「ずっとここを走りたいと言い続けてきたので、監督が汲み取ってくれたのかな、と。箱根駅伝の舞台を目標に陸上競技に取り組んできたので、それを達成できたのは、これまでの努力が報われたような思いでした」と充実感と達成感に満ちている。

卒業後は一般就職を予定していたが、SGホールディングスで競技を続けることに。チームは追い求めてきた“強さ”を発揮できず辛酸をなめたが、橋本の気持ちのこもった走りは、後輩たちに「本当の強さとは何か」を伝えていた。

※一部記事を修正しました。

橋本大輝(はしもと・ひろき:明大)/1999年12月13日生まれ。兵庫県神戸市出身。兵庫・須磨学園高出身。自己ベストは5000m14分13秒00、10000m28分43秒50、ハーフ1時間3分09秒

文/小野哲史

2022年の箱根駅伝で光り輝いた大学生ランナーたち。最終学年を迎えた選手の中には実業団に進んで世界を目指す選手もいれば、ここを区切りに新たな道へ進む学生もいる。お届けするのは、最後の箱根駅伝できらりと光った4年生たち幾人かの物語――。

区間4位の力走でチームは復路3位

箱根駅伝の予選会をトップ通過、全日本大学駅伝7位といった結果から、明大は箱根駅伝で上位候補にも挙げられていた。しかし、蓋を開けると往路17位も響き、総合14位にとどまり、シード権を逃してしまった。終始シード圏外でのレースを強いられたが、アンカーを担った4年生の橋本大輝が意地を見せる。「欲を言えば区間賞、最低でも区間5番以内で走りたいと思っていました」。15番手でタスキを受けると、17秒先にスタートしていた国士大を抜いて14番手に浮上。10区の明大新記録(1時間9分11秒)となる区間4位の力走で締めくくった。「1つでも上の順位を走ろうと決めて走り、それが結果につながったので良かったです。ただ、ラスト3kmで少し踏ん張りが足りずに区間順位を下げてしまいました。チームの結果としても1年間、シード権獲得と5位以内を目標にやってきたので、それとはかけ離れた結果に終わってしまったのが悔しいです」国士大を抜いた後は、大手町のフィニッシュまで一人旅が続いた。だが、そういうレースこそ、橋本が持ち味を最大限に発揮できる展開だった。明大は復路3位。一矢を報いて名門の意地を見せた。

15分台でも箱根で活躍できる

中学時代に1500mと3000mで全日本中学校選手権に出場した橋本だが、兵庫・須磨学園高では故障が重なり、思ったような活躍には至らなかった。高校の5000mの自己記録は15分09秒12だった。明大には一般入試を経て入学。「4年生になった時に箱根駅伝を走る」。そう決意した。2年時の秋にハーフマラソンで1時間4分32秒、冬に1時間3分58秒と記録を短縮して自信を深めた橋本。3年時はコロナ禍のなかで特にシーズン前半は我慢の時期だったが、「できることを淡々と積み上げました」と振り返る。12月には5000mで14分13秒00の自己新をマークしたが、多数のスピードランナーがひしめくチームにあって、駅伝で走るチャンスはなかなか巡ってこなかった。最終学年となった今年度は、「箱根の10区を走るイメージでやってきました」と橋本。「単独走が得意なのと、最後は自分がゴールテープを切って笑顔で終わりたいという思いがありました」と言うように、前半のトラックシーズンは課題のスピードを磨き、夏合宿もパーフェクトにこなした。かつてないほど自信を持って駅伝シーズンを迎え、初出場を果たした箱根予選会は1時間3分09秒の自己ベストで総合25位(チーム6番手)。学生駅伝デビューとなった全日本大学駅伝も2番目に距離が長い17.6kmの7区を区間4位でまとめた。山本佑樹監督が「予選会と全日本の2本をきっちりそろえた。本当の力がついてきたと思います」と、小澤大輝(3年)、児玉真輝(2年)とともに高く評価したのが橋本だった。箱根駅伝に向けたアンケートにはこう綴られている。「高校時代15分台でも箱根で活躍できることを証明します!」。最初で最後の出場となった箱根駅伝で任された区間は、希望していた10区。「ずっとここを走りたいと言い続けてきたので、監督が汲み取ってくれたのかな、と。箱根駅伝の舞台を目標に陸上競技に取り組んできたので、それを達成できたのは、これまでの努力が報われたような思いでした」と充実感と達成感に満ちている。卒業後は一般就職を予定していたが、SGホールディングスで競技を続けることに。チームは追い求めてきた“強さ”を発揮できず辛酸をなめたが、橋本の気持ちのこもった走りは、後輩たちに「本当の強さとは何か」を伝えていた。※一部記事を修正しました。 橋本大輝(はしもと・ひろき:明大)/1999年12月13日生まれ。兵庫県神戸市出身。兵庫・須磨学園高出身。自己ベストは5000m14分13秒00、10000m28分43秒50、ハーフ1時間3分09秒文/小野哲史

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