HOME 駅伝

2021.10.11

【出雲駅伝】3年生が意地見せた青学大が準V エース近藤が1区区間賞で「父の誕生日プレゼントになりました」
【出雲駅伝】3年生が意地見せた青学大が準V エース近藤が1区区間賞で「父の誕生日プレゼントになりました」

◇第33回出雲全日本大学選抜駅伝競走(10月10日・島根県出雲市)

東京国際大の歓喜から1分57秒後、激しい2位争いを制してフィニッシュに飛び込んだのは青学大の横田俊吾(3年)だった。中継所時点の4位から2人を抜いての準Ⅴだっただけに、原晋監督は「課題もありながら、うれしい2位ですね」とレース後は笑みを見せた。

広告の下にコンテンツが続きます

1区では日本インカレ5000m王者・近藤幸太郎(3年)が区間トップの快走を見せ、最高のスタートを切った。「想定以上の暑さだった」と道中は集団の中で力を溜めたが、「区間賞を取って後続に良い流れを作ろうと思った」と残り250mでスパート。終盤まで競り合っていた早大の菖蒲敦司(2年)と國學院大の島﨑慎愛(4年)を突き放し、23分41秒(8.0km)で初の学生駅伝区間賞をつかんだ。

「区間賞を取ることが仕事だと思っていました。今日は父の誕生日なので、最高のプレゼントになりました」とレース後はにっこり笑顔を見せた近藤。当初は「暑くなかったら後続を突き放すレースをしたかった」というレースプランを考えていたが、スローペースになると予想して「ラスト勝負に徹した」という勝負師の顔を見せた。

続く2区の飯田貴之(4年)は「突っ込めるし、ラストスパートも強い。近藤が先頭で来ると見越して起用しました」と指揮官が自信を持って送り出した選手。区間7位と苦戦して5位まで順位を落としたが、トップに立った國學院大とはわずか5秒で踏みとどまった。

原監督は当初、「3区でトップに立ち、4区でとどめをさす」というプランを描いていた。その3区を担った佐藤一世(2年)は区間3位と悪くはなかったが、東京国際大の丹所健(3年)がさらに上をいく走りを見せたことが「誤算だった」(原監督)。3位に順位を上げたものの、4区、5区で優勝争いから脱落し、4位まで順位を落とした。

しかし、最終6区で横田が意地を見せた。指揮官が「あっぱれな走りだった」と評価する力走で前を走る國學院大、東洋大を抜き去り、2020年の箱根駅伝優勝以来の学生駅伝メダルをもぎ取った。

レース後、原監督は「スタート前に出雲大社に1000円落としたのですが、10000円くらい奮発すれば良かったかな」とおどけながら、「一時は6位、7位くらい落ちると思ったところで、よく持ちこたえてくれた」と選手たちを評価。4区の若林(宏樹、1年)と5区の目片(将大、3年)がともに区間6位とやや不発に終わったが、初の学生駅伝で貴重な経験を積むことができたのは今後の成長の糧になったことだろう。

指揮官が「史上最高」と評するほど層が厚い今季の青学大。今後の駅伝シーズンに向けて「全日本、箱根と距離が増えるので、こちらは期待が持てると思いますよ」と自信を深めたようだ。

◇第33回出雲全日本大学選抜駅伝競走(10月10日・島根県出雲市) 東京国際大の歓喜から1分57秒後、激しい2位争いを制してフィニッシュに飛び込んだのは青学大の横田俊吾(3年)だった。中継所時点の4位から2人を抜いての準Ⅴだっただけに、原晋監督は「課題もありながら、うれしい2位ですね」とレース後は笑みを見せた。 1区では日本インカレ5000m王者・近藤幸太郎(3年)が区間トップの快走を見せ、最高のスタートを切った。「想定以上の暑さだった」と道中は集団の中で力を溜めたが、「区間賞を取って後続に良い流れを作ろうと思った」と残り250mでスパート。終盤まで競り合っていた早大の菖蒲敦司(2年)と國學院大の島﨑慎愛(4年)を突き放し、23分41秒(8.0km)で初の学生駅伝区間賞をつかんだ。 「区間賞を取ることが仕事だと思っていました。今日は父の誕生日なので、最高のプレゼントになりました」とレース後はにっこり笑顔を見せた近藤。当初は「暑くなかったら後続を突き放すレースをしたかった」というレースプランを考えていたが、スローペースになると予想して「ラスト勝負に徹した」という勝負師の顔を見せた。 続く2区の飯田貴之(4年)は「突っ込めるし、ラストスパートも強い。近藤が先頭で来ると見越して起用しました」と指揮官が自信を持って送り出した選手。区間7位と苦戦して5位まで順位を落としたが、トップに立った國學院大とはわずか5秒で踏みとどまった。 原監督は当初、「3区でトップに立ち、4区でとどめをさす」というプランを描いていた。その3区を担った佐藤一世(2年)は区間3位と悪くはなかったが、東京国際大の丹所健(3年)がさらに上をいく走りを見せたことが「誤算だった」(原監督)。3位に順位を上げたものの、4区、5区で優勝争いから脱落し、4位まで順位を落とした。 しかし、最終6区で横田が意地を見せた。指揮官が「あっぱれな走りだった」と評価する力走で前を走る國學院大、東洋大を抜き去り、2020年の箱根駅伝優勝以来の学生駅伝メダルをもぎ取った。 レース後、原監督は「スタート前に出雲大社に1000円落としたのですが、10000円くらい奮発すれば良かったかな」とおどけながら、「一時は6位、7位くらい落ちると思ったところで、よく持ちこたえてくれた」と選手たちを評価。4区の若林(宏樹、1年)と5区の目片(将大、3年)がともに区間6位とやや不発に終わったが、初の学生駅伝で貴重な経験を積むことができたのは今後の成長の糧になったことだろう。 指揮官が「史上最高」と評するほど層が厚い今季の青学大。今後の駅伝シーズンに向けて「全日本、箱根と距離が増えるので、こちらは期待が持てると思いますよ」と自信を深めたようだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.19

男子3000m障害元世界記録保持者のオブライエン氏が死去 1970年に8分22秒0

1960~70年代に男子3000m障害で活躍したK.オブライエン氏(豪州)が死去した。78歳だった。 オブライエン氏は1968年メキシコ五輪の男子3000m障害で4位に入賞し、豪州の中長距離界を牽引した先駆的存在。豪州選 […]

NEWS ダンフィーとペレスがWA競歩ツアー年間優勝者 日本勢は山西利和の4位が最上位

2025.12.19

ダンフィーとペレスがWA競歩ツアー年間優勝者 日本勢は山西利和の4位が最上位

世界陸連(WA)は12月19日、2025年のWA競歩ツアー年間優勝者を発表し、男子はE.ダンフィー(カナダ)、女子は35km競歩の世界記録保持者であるM.ペレス(スペイン)が選ばれた。 男女ともに今季の東京世界選手権優勝 […]

NEWS 駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

2025.12.18

駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

第102回箱根駅伝で3年ぶりの総合優勝を狙う駒大が12月18日、オンラインで合同会見を行い、エントリー選手が出席した。 今季の駒大は4年生の4人が強力。それぞれ希望区間を問われると、主将の山川拓馬は2区と5区、伊藤蒼唯は […]

NEWS 箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

2025.12.18

箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

前回優勝メンバーから6人が卒業 前回、10時間41分19秒の大会新記録で連覇を飾ったメンバーから6人が卒業。それも4区で歴代2位の好タイムをマークした太田蒼生(現・GMOインターネットグループ)に5、6区連続区間新で、「 […]

NEWS 横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

2025.12.18

横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top