HOME 国内、大学

2021.06.27

110mH泉谷駿介、衝撃の13秒06!! 世界ランク3位の激走初Vで東京五輪内定「すべてがつながった」/日本選手権
110mH泉谷駿介、衝撃の13秒06!! 世界ランク3位の激走初Vで東京五輪内定「すべてがつながった」/日本選手権


◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居)

東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の4日目。男子110mハードル決勝で衝撃の展開が待っていた。

参加標準記録13秒32を切っている金井大旺(ミズノ)、高山峻野(ゼンリン)、泉谷駿介(順大)、村竹ラシッド(順大)がそろった決勝。この4人は3位以内で代表内定を決められる状況だった。

緊張感が漂う1回目のスタートがやり直しのピストル。石川周平(富士通)と村竹ラシッド(順大)が不正スタートにより失格となってしまった。

仕切り直しのスタート。飛び出したのは泉谷だった。「スタートからインターバルの刻みまですべてがつながった」という泉谷は、日本記録を持つ金井をも寄せ付けないほど差をつけていく。フィニッシュタイマーには衝撃の「13.06」。日本人初の13秒0台、アジア歴代2位、今季世界ランキング3位。

「ここまできたか、と。競技人生では13秒1台が目標でした」。タイムについてはまだ実感が湧いていないようで、「安心した」と、オリンピック代表を決めたことにホッとした様子だった。

広告の下にコンテンツが続きます

伏線はあった。元々ポテンシャルはライバルたちも認めるほど。スタートから1台目のアプローチ7歩がハマりつつあり、5月の関東インカレでは追い風参考(5.2m)で13秒05をマークしていた。だが、今回は1.2mの追い風で「関東インカレと違って自分で出せた」。関東インカレ後は「次は公認で出したい」と話していたが、その言葉通り次の試合で実現してみせた。

フライングによるスタートのやり直しについては「自分ではないことはわかっていたのですが、(後輩の)村竹だったので焦りました。その分まで」と、後輩を思いやる。

東京五輪まで1ヵ月。「スタートの7歩もまだまだで、前半速く入ると後半間延びする。そこを改善すればもっとスタートから前に出られていい結果につながる」。これ以上の良い結果は、そのまま世界のファイナルを意味する。
◇金井、高山も五輪内定
前日本記録13秒16を持つ金井は13秒22で2位。東京五輪代表に内定した。「フライングも動揺せずにいけました。泉谷選手に先行されましたが、自分のレースを心掛けた。まだ技術的に安定していない部分があるので1ヵ月やれることを最大限やりたい」と話した。高山は3位。背中を痛めていて「アップもできない状況だった」が、「最後は死ぬ気で1本」。意地で代表権をもぎ取った。

◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居) 東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の4日目。男子110mハードル決勝で衝撃の展開が待っていた。 参加標準記録13秒32を切っている金井大旺(ミズノ)、高山峻野(ゼンリン)、泉谷駿介(順大)、村竹ラシッド(順大)がそろった決勝。この4人は3位以内で代表内定を決められる状況だった。 緊張感が漂う1回目のスタートがやり直しのピストル。石川周平(富士通)と村竹ラシッド(順大)が不正スタートにより失格となってしまった。 仕切り直しのスタート。飛び出したのは泉谷だった。「スタートからインターバルの刻みまですべてがつながった」という泉谷は、日本記録を持つ金井をも寄せ付けないほど差をつけていく。フィニッシュタイマーには衝撃の「13.06」。日本人初の13秒0台、アジア歴代2位、今季世界ランキング3位。 「ここまできたか、と。競技人生では13秒1台が目標でした」。タイムについてはまだ実感が湧いていないようで、「安心した」と、オリンピック代表を決めたことにホッとした様子だった。 伏線はあった。元々ポテンシャルはライバルたちも認めるほど。スタートから1台目のアプローチ7歩がハマりつつあり、5月の関東インカレでは追い風参考(5.2m)で13秒05をマークしていた。だが、今回は1.2mの追い風で「関東インカレと違って自分で出せた」。関東インカレ後は「次は公認で出したい」と話していたが、その言葉通り次の試合で実現してみせた。 フライングによるスタートのやり直しについては「自分ではないことはわかっていたのですが、(後輩の)村竹だったので焦りました。その分まで」と、後輩を思いやる。 東京五輪まで1ヵ月。「スタートの7歩もまだまだで、前半速く入ると後半間延びする。そこを改善すればもっとスタートから前に出られていい結果につながる」。これ以上の良い結果は、そのまま世界のファイナルを意味する。 ◇金井、高山も五輪内定 前日本記録13秒16を持つ金井は13秒22で2位。東京五輪代表に内定した。「フライングも動揺せずにいけました。泉谷選手に先行されましたが、自分のレースを心掛けた。まだ技術的に安定していない部分があるので1ヵ月やれることを最大限やりたい」と話した。高山は3位。背中を痛めていて「アップもできない状況だった」が、「最後は死ぬ気で1本」。意地で代表権をもぎ取った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.25

中学生が世界陸上のアスリートをサポート「バックステージナビゲーター」として活動

東京2025世界陸上財団は8月25日、東京世界選手権において中学生による「バックステージナビゲーター」の実施を発表した。 これは開催基本計画の中にある「こどもの大会への参画」に沿ったもので、「未来を担うこどもたちが、大会 […]

NEWS 世界陸上目指し走高跳・長谷川直人は標準届かず 400mH山内大夢も奮戦むなしく ブラジルで森本、郡、中川が出場

2025.08.25

世界陸上目指し走高跳・長谷川直人は標準届かず 400mH山内大夢も奮戦むなしく ブラジルで森本、郡、中川が出場

東京世界選手権(9月13日~21日/東京・国立競技場)代表入りを目指して、参加標準記録有効期限日となる8月24日、各地でアスリートがラストチャンスとなる競技会に挑んだ。 北陸選手権(富山)では男子走高跳に、長谷川直人(サ […]

NEWS キプリモ58分29秒、アルゼンチンのハーフで快勝!英国ではカムウォロル貫禄V、アレム1時間5分38秒

2025.08.25

キプリモ58分29秒、アルゼンチンのハーフで快勝!英国ではカムウォロル貫禄V、アレム1時間5分38秒

8月24日、アルゼンチンで「21kブエノス・アイレス」が開催され、男子ハーフマラソンで世界記録保持者のJ.キプリモ(ウガンダ)が58分29秒で優勝した。 キプリモは現在24歳。東京五輪、オレゴン世界選手権の10000mで […]

NEWS Onの「On Flagship Store Tokyo Ginza」が9月12日にオープン!原宿では期間限定スペース「On Labs Tokyo」を開催

2025.08.25

Onの「On Flagship Store Tokyo Ginza」が9月12日にオープン!原宿では期間限定スペース「On Labs Tokyo」を開催

スイスのスポーツブランド「On (オン) 」およびオン・ジャパンは9月12日、東京・銀座に旗艦店の「On Flagship Store Tokyo Ginza」をオープンする。翌9月13日 から9日間、東京・原宿にて期間 […]

NEWS 34年ぶり東京世界陸上 注目の男子100m3枠、9秒台再びの桐生祥秀らが代表入りへ

2025.08.25

34年ぶり東京世界陸上 注目の男子100m3枠、9秒台再びの桐生祥秀らが代表入りへ

今年9月、34年ぶりに東京で開かれる世界選手権の出場資格獲得のための記録の有効期間が8月24日で終了した。 世界選手権の各種目の代表枠は最大3名。最後まで注目を集めたのが男子100mだった。7月の日本選手権時点で、内定条 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top