2026.01.12
◇皇后盃第44回都道府県対抗女子駅伝(1月11日/京都・たけびしスタジアム京都:9区間42.195km)
第44回都道府県対抗女子駅伝が行われ、大阪が2時間18分19秒で3年ぶり5回目の優勝を果たした。
昨年の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)を制したエディオン勢と全国高校駅伝準優勝の薫英女学院高勢を中心に、戦力が充実し5年ぶり優勝を狙った。
しかし、9区を予定していたクイーンズ駅伝1区区間賞の水本佳菜(エディオン)がケガの影響で起用できず。1区予定だった逸見亜優(豊田自動織機)を9区へと区間変更を余儀なくされていた。
そして、変更のあった1区で出遅れる。薫英女学院高出身の実業団1年目・塚本夕藍(エディオン)は「思うように足に力が入らない」と後半に入って苦しい走りとなり、首位の長野と56秒差の31位。「予想外の遅れだった」と安田功監督(薫英女学院高)も困惑の展開となった。
それでも、ここから驚異の追い上げを見せる。2区では高校、実業団で塚本の先輩である中島紗弥(エディオン)が「ちょっとでも塚本の分を(挽回して)前に行けたら、という気持ちで走りました」と区間9位の力走で12人抜き。3区の東野翠(ドリームアスリート/中2)、4区の佐藤千紘(岩谷産業)も区間ひとケタでつなぎ、この時点で10位に浮上した。
5、6、7区は村井和果(2年)、田谷玲(2年)、河村璃央(3年)と薫英女学院高が並ぶ布陣。「4区まで粘って、射程範囲内で5~7区につないでくれたので、これはいけるかな」と安田監督はこの3区間に自信を持っていた。
「トップに立ちたかった」という村井は区間賞の走りで7人抜き。1分8秒あった首位・長野との差を35秒まで詰めた。さらに田谷も「スタートラインに立った時には、もう自分が区間賞を取る、と自信はありました」と強気の走りで連続区間賞。ここで長野との差を19秒とした。
さらに12分21秒の区間記録更新を狙っていた河村は「最初から攻めた走りをしようと思っていました」と1.3km付近で逆転。その後もリードを広げ、2位の長野に16秒の貯金を作る。区間記録には4秒及ばなかったものの、3区間連続区間賞でトップに立った。
8区の田中美空(泉大津誠風中3)は兵庫に逆転を許したものの、5秒差の2位で粘り、9区の逸見にタスキをつなぐ。1.8km付近で兵庫・永長里緒(三井住友海上)に追いつき、そこからは2チームによるマッチレースとなった。
レースが動いたのは残り1km。「思ったより余裕があったので、仕掛けました」と逸見が先にスパートをかけると兵庫を突き放し、そのままトップでフィニッシュした。
東大阪大敬愛高から京産大を経て実業団に進んだ逸見は、愛知代表でこの駅伝を走ったことがあるものの、大阪代表としては初出走。「地元の大阪チームでこうやって走らせていただいて、ゴールテープを切ることができて、貴重な機会を頂けてとてもうれしいです」と声を弾ませた。
3年ぶり5度目の頂点。それだけでなく7大会連続入賞という安定感も光る。それを支えているのが、全員でつなぐ意識とあきらめない姿勢。「みなさんに助けられたお陰で優勝という結果になって、本当に感謝しかありません」と涙ながらに語った塚本。アクシデントを全員で取り返すという駅伝の魅力が詰まったレースだった。
文/馬場遼
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