日本陸連の臨時理事会が4月30日に開かれ、暑熱下での実施が予想される7、8月の競技会の主催について議論し、中高生の全国大会となる今年のインターハイ、全中、全国高校定通制陸上について主催することを決めた。
日本陸連はこれまで暑熱下の競技会の主催について、日本スポーツ協会の示す指針に沿って「WBGT(暑さ指数)が31度以上となる環境下での運動(競技)は原則中止・中断する」と定め、暑熱対策における運営・危機管理が十分でないと判断した場合は競技会を主催しないという姿勢を示してきた。
本来、3月末で今年のインターハイ、全中、全国定通制について主催判断をするとしてきたが、運営対策や案について、高体連・高体連陸上競技専門部など各所と協議を継続。4月末まで結論を先延ばしにし、さらなる改善案を求めていた。
全国高体連陸上競技専門部からは、今年の滋賀インターハイについてWBGT31度を下回るように7日間開催、18時開始(※一部17時開始)の案が提示された。
日本陸連はこれまで暑熱の問題だけではなく、大前提として、競技会過多による育成年代の競技会、暑熱下の競技会の在り方などについて問題提起してきた。だが、次年度以降のインターハイについて高体連は「夏休み期間中の開催、スケジュール、参加人数は大きく動かすことができない」と平行線をたどり、日本陸連は抜本的な改革を探ってきた。
今回、高体連陸上競技専門部から「27年神奈川、28年愛知においてはナイトセッションで6日間開催を想定」「1人個人2種目まで」「投てき種目の別会場案」「29年宮崎以降の混成種目を外す検討」など、さまざまな改善案を高体連本部に申し入れることなどが示された。
これを受け、日本陸連も「これまで以上に踏み込んでいた内容。先々について、より良い競技会になるように、開催時期を含めてありとあらゆるものを検討していくというお約束いただけた」と評価し、「それを前提で実行するために主催する」と判断した。
全国定通制についても「開始時刻を17時スタートにし、細かくガイドラインを定めたこと、考え方について共有できており、安全が確保されている」と判断し、こちらも主催を決めた。
一方、今年の山口全中については議論が長引いたことを明かす。日本中体連陸上競技専門部から出された案では「現実味がないためシミュレーションをしてほしい」と再度検討を依頼したという。
これに対し、中体連側は「今年の全中はWBGT31度以上の中断・中止に対して異論はなく、重要な指針と捉え、要請に応えて最も暑い時間とされる11時から15時は避けて大会運営を提示しています」とした上で、「生命と安全を第一に考えて判断したい思いはある」とする一方、「これまで(夜間開催を)中体連でこれまで議論を重ねていないことや、中学教育の現場で19時以降に活動させることがなく、現状では各地区町村や現場から理解を得ることは困難」とし、「WBGT31度を超えても競技をすることがないとは言い切れません」と回答があった。
日本陸連は「後退しているようにも見えるが、大変重いと理解してくれた。次年度以降は運営方法を検討するとした」ことと、「15時からやる、とは言っていないし、想定の参加者数では16時からスタートしても20時までに終えられる」と判断。その上で「理事の中でも認めていいのかという意見はありましたが、協議の結果、WBGTが31度に上がった時に競技をすることがないように、そしてきちっと競技会としてのクオリティが維持できるように主催に入るのが責任である」と主催を決めた。
ただ、主催についてはあくまで今年度の大会のみの決定であり、次年度以降は再度判断していくとし、田﨑専務理事は改めて「暑熱の問題だけではなく、大前提として育成期の在り方など、議論の本質を伝えていきたい」と、抜本的な改革を進めていく構えを強調した。
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