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2026.03.13

編集部コラム「日本陸上界 半世紀、四半世紀の進化」
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第321回「日本陸上界 半世紀、四半世紀の進化(大久保雅文)

3月13日発売の月刊陸上競技では、別冊付録として2025年の記録、大会成績を収録した「記録年鑑2025」がついてきます。毎年変わらぬものですが、内容は年々充実させており、今後も長く使える保存版として手に取っていただければと思います。

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2025年も世界記録、日本記録が相次いで誕生する1年となり、陸上界、そして人類の進歩を感じる年となりました。21世紀も四半世紀が過ぎましたが、記録年鑑でも掲載している世界記録、日本記録の変遷をみると、その足跡を知ることができます。

そこで今回は、2025年末での日本記録を、25年前の2000年と50年前の1975年で比較。日本陸上界のレベルアップを数字で見ていきたいと思います。

男子は各種目で格段にレベルアップ

男子の日本記録は昨年6種目で記録が塗り替えられました(五輪実施種目)。その中で110mハードルの村竹ラシッド選手(JAL)は夢の12秒台に突入するなど、インパクトの大きい記録となりました。

110mハードルの25年前の日本記録は13秒55でした。これは2025年末時点の日本歴代25位タイで、2025年のランキングに当てはめると11位相当となります。50年前の日本記録は手動計時の14秒0で、電動計時に換算すると14秒24となり、2025年では日本100傑にも入らない記録となります。

山西利和選手(愛知製鋼)の20km競歩1時間16分10秒は世界記録でもありました。もちろん、世界1位の記録ですので、どの時代と比較しても圧倒的な記録となります。同種目の50年前の日本記録は1時間29分50秒2と、隔世の差を感じることのできる偉大なレコードでしょう。

過去の記録を振り返る際に必ず話題に挙がる三段跳ですが、1986年に山下訓史さんが跳んだ
17m15が今もなお日本記録として君臨しています。日本記録が誕生して今年で40年となりますが、更新されることを期待したいです。

また、50年前の日本記録と2025年の高校記録を比較すると、トラック種目は3000m障害を除くすべての種目で高校記録が上回っていることもわかります。

男子 1975年 2000年 2025年
100m 10.1 10.00 9.95
200m 20.7 20.16 20.03
400m 46.69 44.78 44.44
800m 1.47.4 1.46.18 1.44.80
1500m 3.42.7 3.38.24 3.35.42
5000m 13.33.0 13.13.40 13.08.40
10000m 28.10.47 27.35.33 27.05.92
マラソン 2.10.37.8 2.06.51 2.04.55
110mH 14.0 13.55 12.92
400mH 51.1 48.26 47.89
3000mSC 8.21.6 8.19.52 8.03.43
20kmW 1.29.50.2 1.19.50 1.16.10
4×100mR 39.9 38.31 37.43
4×400mR 3.08.09 3.00.76 2.58.33
走高跳 2.20 2.32 2.35
棒高跳 5.41 5.70 5.83
走幅跳 8.01 8.25 8.40
三段跳 16.67 17.15 17.15
砲丸投 16.71 18.53 19.09
円盤投 53.02 60.22 64.48
ハンマー投 71.14 81.08 84.86
やり投 87.60 87.60
十種競技 7995 8308

女子100mHは50年で1秒、24年で0.3秒の更新

女子は、2000年から国際大会で実施されるようになった種目もあり、女子選手への門戸開放という点で進歩がありました。

50年前から規格が変わらずに実施されている五輪種目は12種目。男子同様に大きく記録が塗り替えられてきました。

200mでは昨年、井戸アビゲイル風果選手(東邦銀行)が22秒79と日本記録を9年ぶりに更新。同種目では1975年から2000年までに1秒記録が短縮されましたが、2000年からの25年では0.67秒の短縮となりました。今後の25年ではどこまで短縮されるのかを予想するのもおもしろいのかもしれません。

男子110mハードルとともに近年の記録が目覚ましい100mハードル。2000年代は「13秒の壁」が日本人選手に立ちはだかっていましたが、2019年に寺田明日香さんが12秒97を出してからは次々に記録が更新され、24年に福部真子選手(日本建設工業)が12秒69まで短縮しました。25年では12秒台のハードラーが9人と、13秒台では日本選手権入賞も簡単ではない時代と様相が変わりました。

女子 1975年 2000年 2025年
100m 11.6 11.42 11.21
200m 24.46 23.46 22.79
400m 54.4 53.21 51.75
800m 2.05.1 2.03.45 1.59.52
1500m 4.21.0 4.11.10 3.59.19
5000m 15.03.67 14.29.18
10000m 31.19.40 30.20.44
マラソン 2.21.47 2.18.59
100mH 13.6 13.00 12.69
400mH 57.34 55.34
3000mSC 11.35.06 9.24.72
20kmW 1.32.44 1.26.18
4×100mR 46.5 44.11 43.33
4×400mR 3.43.5 3.34.83 3.28.91
走高跳 1.85 1.95 1.96
棒高跳 4.20 4.48
走幅跳 6.41 6.61 6.97
三段跳 14.04 14.16
砲丸投 16.00 16.46 18.22
円盤投 51.28 56.84 60.72
ハンマー投 61.33 70.51
やり投 57.79 67.38
七種競技 5642 5975
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ)
月刊陸上競技編集部
1984年9月生まれ。175cm、65kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)

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第321回「日本陸上界 半世紀、四半世紀の進化(大久保雅文)

3月13日発売の月刊陸上競技では、別冊付録として2025年の記録、大会成績を収録した「記録年鑑2025」がついてきます。毎年変わらぬものですが、内容は年々充実させており、今後も長く使える保存版として手に取っていただければと思います。 2025年も世界記録、日本記録が相次いで誕生する1年となり、陸上界、そして人類の進歩を感じる年となりました。21世紀も四半世紀が過ぎましたが、記録年鑑でも掲載している世界記録、日本記録の変遷をみると、その足跡を知ることができます。 そこで今回は、2025年末での日本記録を、25年前の2000年と50年前の1975年で比較。日本陸上界のレベルアップを数字で見ていきたいと思います。

男子は各種目で格段にレベルアップ

男子の日本記録は昨年6種目で記録が塗り替えられました(五輪実施種目)。その中で110mハードルの村竹ラシッド選手(JAL)は夢の12秒台に突入するなど、インパクトの大きい記録となりました。 110mハードルの25年前の日本記録は13秒55でした。これは2025年末時点の日本歴代25位タイで、2025年のランキングに当てはめると11位相当となります。50年前の日本記録は手動計時の14秒0で、電動計時に換算すると14秒24となり、2025年では日本100傑にも入らない記録となります。 山西利和選手(愛知製鋼)の20km競歩1時間16分10秒は世界記録でもありました。もちろん、世界1位の記録ですので、どの時代と比較しても圧倒的な記録となります。同種目の50年前の日本記録は1時間29分50秒2と、隔世の差を感じることのできる偉大なレコードでしょう。 過去の記録を振り返る際に必ず話題に挙がる三段跳ですが、1986年に山下訓史さんが跳んだ 17m15が今もなお日本記録として君臨しています。日本記録が誕生して今年で40年となりますが、更新されることを期待したいです。 また、50年前の日本記録と2025年の高校記録を比較すると、トラック種目は3000m障害を除くすべての種目で高校記録が上回っていることもわかります。
男子 1975年 2000年 2025年
100m 10.1 10.00 9.95
200m 20.7 20.16 20.03
400m 46.69 44.78 44.44
800m 1.47.4 1.46.18 1.44.80
1500m 3.42.7 3.38.24 3.35.42
5000m 13.33.0 13.13.40 13.08.40
10000m 28.10.47 27.35.33 27.05.92
マラソン 2.10.37.8 2.06.51 2.04.55
110mH 14.0 13.55 12.92
400mH 51.1 48.26 47.89
3000mSC 8.21.6 8.19.52 8.03.43
20kmW 1.29.50.2 1.19.50 1.16.10
4×100mR 39.9 38.31 37.43
4×400mR 3.08.09 3.00.76 2.58.33
走高跳 2.20 2.32 2.35
棒高跳 5.41 5.70 5.83
走幅跳 8.01 8.25 8.40
三段跳 16.67 17.15 17.15
砲丸投 16.71 18.53 19.09
円盤投 53.02 60.22 64.48
ハンマー投 71.14 81.08 84.86
やり投 87.60 87.60
十種競技 7995 8308

女子100mHは50年で1秒、24年で0.3秒の更新

女子は、2000年から国際大会で実施されるようになった種目もあり、女子選手への門戸開放という点で進歩がありました。 50年前から規格が変わらずに実施されている五輪種目は12種目。男子同様に大きく記録が塗り替えられてきました。 200mでは昨年、井戸アビゲイル風果選手(東邦銀行)が22秒79と日本記録を9年ぶりに更新。同種目では1975年から2000年までに1秒記録が短縮されましたが、2000年からの25年では0.67秒の短縮となりました。今後の25年ではどこまで短縮されるのかを予想するのもおもしろいのかもしれません。 男子110mハードルとともに近年の記録が目覚ましい100mハードル。2000年代は「13秒の壁」が日本人選手に立ちはだかっていましたが、2019年に寺田明日香さんが12秒97を出してからは次々に記録が更新され、24年に福部真子選手(日本建設工業)が12秒69まで短縮しました。25年では12秒台のハードラーが9人と、13秒台では日本選手権入賞も簡単ではない時代と様相が変わりました。
女子 1975年 2000年 2025年
100m 11.6 11.42 11.21
200m 24.46 23.46 22.79
400m 54.4 53.21 51.75
800m 2.05.1 2.03.45 1.59.52
1500m 4.21.0 4.11.10 3.59.19
5000m 15.03.67 14.29.18
10000m 31.19.40 30.20.44
マラソン 2.21.47 2.18.59
100mH 13.6 13.00 12.69
400mH 57.34 55.34
3000mSC 11.35.06 9.24.72
20kmW 1.32.44 1.26.18
4×100mR 46.5 44.11 43.33
4×400mR 3.43.5 3.34.83 3.28.91
走高跳 1.85 1.95 1.96
棒高跳 4.20 4.48
走幅跳 6.41 6.61 6.97
三段跳 14.04 14.16
砲丸投 16.00 16.46 18.22
円盤投 51.28 56.84 60.72
ハンマー投 61.33 70.51
やり投 57.79 67.38
七種競技 5642 5975
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、65kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)
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