HOME 国内

2026.03.09

佐藤早也伽「勝ちたいと思って走れたのは良い経験」最後まで優勝争いに悔しさにじむ/名古屋ウィメンズマラソン
佐藤早也伽「勝ちたいと思って走れたのは良い経験」最後まで優勝争いに悔しさにじむ/名古屋ウィメンズマラソン

名古屋ウィメンズマラソン2026で日本人トップの2位に入った佐藤早也伽

◇名古屋ウィメンズマラソン2026(3月8日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着)

アジア大会代表選考会を兼ねたMGCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソンが行われ、シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間21分54秒で2連覇。2秒差で佐藤早也伽(積水化学)が2位だった

広告の下にコンテンツが続きます

31kmから、チェプキルイ、アイナレム・デスタ(エチオピア)、加世田梨花(ダイハツ)、そして佐藤の4人の優勝争いとなった。

「勝ちたい気持ちがあった」

初マラソンも、そして自己ベストを出したのもこの名古屋。「良いイメージがある」。だが、これまで優勝経験がない佐藤は、“芯”にある負けず嫌いが顔をのぞかせる。

38kmでチェプキルイがペースアップするも対応。その後、何度か前に出ようと佐藤が気迫の走り。フィニッシュのドームが見えた時にもグッと前に出ようとするが、そこは前回女王が許さなかった。

「先頭の選手に並びかけたりしたのですが力負けでした。悔しい」

1年前にも日本人トップとなったが、優勝争いには絡めずに、海外選手と2位争いをして制するかたちとなった。順位の悔しさはあったが、日本歴代9位の2時間20分59秒と自己記録を更新できたことで、自らの新たな可能性を見出した。2度目の世界選手権となった東京では13位。ブダペストよりも成長した姿を見せた。

そして、今回は勝負への執念を見せた。野口英盛監督も「久しぶりに粘り倒せた。これが彼女の持ち味」と評価するラストの強気の姿勢。昨年とは違った“強さ”を見せたが、道のりは険しかった。

昨年の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)後は故障。「12月までは走り込めなかったので、脚作りができませんでした」と明かす。

「不安はありました」と涙が止まらない。その姿勢にどれだけ厳しい状況だったかがわかる。それでも、「1、2月に何とか取り戻そうという気持ちで練習してきました」という佐藤。世界大会に出て「強い選手と走る」のがモチベーションでもあるが、「自己ベストを超えたい」というのが、佐藤の何よりの原動力だった。

そういう意味では、記録はコンディションなどにも左右されるにせよ、今大会は過去の自分を超えたと言えるのではないだろうか。「風が強いコンディションの中でもしっかり力をためられたのは自信になります」。

最後まで優勝争いをしたからこそ、「マラソンで勝ちたいと思って走れたのは良い経験になりました。悔しいですが、自分の中では頑張れたかな」。

MGCシリーズ25ー26年チャンピオンとなり、名古屋アジア大会の代表選考では最優先に。ロス五輪のMGC出場権も手にしたが、「これからじっくり考えたい」と話すにとどめた佐藤。今年32歳、マラソンランナーとして充実期に突入していきそうだ。

◇名古屋ウィメンズマラソン2026(3月8日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着) アジア大会代表選考会を兼ねたMGCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソンが行われ、シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間21分54秒で2連覇。2秒差で佐藤早也伽(積水化学)が2位だった 31kmから、チェプキルイ、アイナレム・デスタ(エチオピア)、加世田梨花(ダイハツ)、そして佐藤の4人の優勝争いとなった。 「勝ちたい気持ちがあった」 初マラソンも、そして自己ベストを出したのもこの名古屋。「良いイメージがある」。だが、これまで優勝経験がない佐藤は、“芯”にある負けず嫌いが顔をのぞかせる。 38kmでチェプキルイがペースアップするも対応。その後、何度か前に出ようと佐藤が気迫の走り。フィニッシュのドームが見えた時にもグッと前に出ようとするが、そこは前回女王が許さなかった。 「先頭の選手に並びかけたりしたのですが力負けでした。悔しい」 1年前にも日本人トップとなったが、優勝争いには絡めずに、海外選手と2位争いをして制するかたちとなった。順位の悔しさはあったが、日本歴代9位の2時間20分59秒と自己記録を更新できたことで、自らの新たな可能性を見出した。2度目の世界選手権となった東京では13位。ブダペストよりも成長した姿を見せた。 そして、今回は勝負への執念を見せた。野口英盛監督も「久しぶりに粘り倒せた。これが彼女の持ち味」と評価するラストの強気の姿勢。昨年とは違った“強さ”を見せたが、道のりは険しかった。 昨年の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)後は故障。「12月までは走り込めなかったので、脚作りができませんでした」と明かす。 「不安はありました」と涙が止まらない。その姿勢にどれだけ厳しい状況だったかがわかる。それでも、「1、2月に何とか取り戻そうという気持ちで練習してきました」という佐藤。世界大会に出て「強い選手と走る」のがモチベーションでもあるが、「自己ベストを超えたい」というのが、佐藤の何よりの原動力だった。 そういう意味では、記録はコンディションなどにも左右されるにせよ、今大会は過去の自分を超えたと言えるのではないだろうか。「風が強いコンディションの中でもしっかり力をためられたのは自信になります」。 最後まで優勝争いをしたからこそ、「マラソンで勝ちたいと思って走れたのは良い経験になりました。悔しいですが、自分の中では頑張れたかな」。 MGCシリーズ25ー26年チャンピオンとなり、名古屋アジア大会の代表選考では最優先に。ロス五輪のMGC出場権も手にしたが、「これからじっくり考えたい」と話すにとどめた佐藤。今年32歳、マラソンランナーとして充実期に突入していきそうだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.04.15

東京世界陸上マラソン金のジェプチルチルが疲労骨折 4月26日のロンドンマラソン欠場

女子長距離のP.ジェプチルチル(ケニア)が疲労骨折のため4月26日に英国で開催されるロンドンマラソンを欠場することが発表された。 ジェプチルチルは東京五輪、東京世界選手権のマラソンで金メダルを獲得している32歳。ハーフマ […]

NEWS お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年5月号)

2026.04.14

お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年5月号)

月刊陸上競技2026年5月号の内容に一部誤りがございました。 154ページの実業団情報で一部誤りがありました。 広告の下にコンテンツが続きます 正しいデータの情報を掲載するとともに、関係者の皆様にお詫びをし、訂正いたしま […]

NEWS 織田記念に桐生祥秀、山縣亮太、福部真子、﨑山雄太らエントリー!

2026.04.14

織田記念に桐生祥秀、山縣亮太、福部真子、﨑山雄太らエントリー!

日本グランプリシリーズの織田記念のエントリーリストが発表された。 男子100mの招待選手には、昨年9秒99を出した桐生祥秀(日本生命)、9秒95の日本記録保持者で地元出身・山縣亮太(セイコー)が登録。2013年のこの大会 […]

NEWS お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年5月号)

2026.04.14

お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年5月号)

月刊陸上競技2026年5月号の内容に一部誤りがございました。 90ページに掲載したインターハイ予選日程(表)のうち、北海道地区大会の開催地に誤りがありました。旭川ではなく、正しくは帯広(帯広の森陸上競技場)で行われます。 […]

NEWS 酸素ルームを活用した口腔ケアで〝全身の統合医療〟を推進/歯科医師・野本恵子
PR

2026.04.14

酸素ルームを活用した口腔ケアで〝全身の統合医療〟を推進/歯科医師・野本恵子

軽度高気圧濃縮酸素の環境をつくり出す日本気圧バルク工業の『O2Room®』は最高のパートナー 歯科治療だけでなく、患者さんの身体全体を治し、良い状態にするために、口腔ケアを基点としてトータルサポートするのが歯科医師・野本 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年5月号 (4月14日発売)

2026年5月号 (4月14日発売)

2026シーズン展望
中距離特集ほか

page top