2026.01.23
男子400m日本記録保持者の中島佑気ジョセフ(富士通)が、地元の立川市から市民栄誉表彰が授与された。
昨年の東京世界選手権では、予選で44秒44の日本新を出すと、準決勝では組2着に入って1991年東京大会の高野進以来となる決勝進出を果たし、日本人最高となる6位に入賞した。
中島は東京都立川市出身。「スポーツの分野において功績が顕著であり、市の知名度または郷土への帰属意識の向上に寄与した」と評価されての受賞となった。
この日は母校の立川第一小学校を訪問。そこで授与式が執り行われ、酒井大史市長から表彰状が手渡された。
その後は『先生』となった中島が、全校児童、保護者に向けて特別授業。子どもたちの間を走るデモンストレーションでは、予定になった「せっかくなら一緒に」と中島からの提案で子どもと一緒に走ることに。世界の走りを披露して心をつかんだ。
次は児童からの質問に答えた中島。「小学生の時にライバルはいましたか?」という問いに、「小、中の親友がライバル。彼が速くて勝てなかったので、400mをやりました。彼のお陰ですし、きつい練習も絶対に負けないぞ、と頑張れました」と秘話を明かす。
実は小学校の卒業文集に「陸上で東京オリンピックに出る」「短距離で金メダルを取る」と書いていた中島。それは「覚えていなくて、さっき見せてもらった」そうだが、卒業証書授与の前に壇上で「めいっぱい腹に力を込めて、『東京オリンピックに出ます!』と宣言したのを覚えています」。
そうしたなか、「トントン拍子に速くなったのではなく、負けもケガもありました。絶対に夢をあきらめず、叶えられる力があると思い、困難に負けず、地道に一歩ずつ頑張ることが大事です。頑張っていればいつか良いことがある、と覚えていただけたらうれしいです」と話すと、子どもたちも真剣なまなざしで耳を傾けていた。
東京世界選手権6位にも「金メダルを取るためにやっているので満足していません。次は金メダルを取って戻ってきたいです」と、小学生のときと同じように壇上で力強く夢を語った。
最後は全校児童とともに校歌合唱。「覚えていないと思ったのですが、前奏を聴くと自然と歌えました。感動しました」と笑顔だった。
式典後に取材に応じた中島。卒業後、1度だけ訪れていたそうだが8、9年ぶりの訪問に、「こんなに温かく迎えていただいてビックリしました。校舎はちょうど改築の時期に卒業だったのですが、先生方に会えたり応援をいただいたりして力が湧きました」と感慨深げ。
メディアに引っ張りだこだったが、11月からしっかり冬季トレーニングに励んでいる。「あえて考えすぎず、トレーニングしていく中で自然な流れで動きや身体がどう変わるか試験的にやっています」。
もちろん、質・量ともに前年と同程度以上を担保し、「感触もコーチからの評価も良い」と手応えがある。2月以降は海外遠征を重ねてシーズンに向かっていく構えだ。
「文集を書いた頃の素直さ、純粋さを忘れずにやっていきたい」と中島。後輩たちのエールを背に、初志貫徹で、さらなる高み、世界一へと駆け上がっていく。
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