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2025.12.29

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【高校生FOCUS】走高跳・中村佳吾(関大北陽高)「プレッシャーがあったほうが跳べる」
【高校生FOCUS】走高跳・中村佳吾(関大北陽高)「プレッシャーがあったほうが跳べる」

2025年度高校3冠を成し遂げた中村選手〔提供写真〕

理想の跳躍は瀬古選手

――陸上を始めたきっかけは。
中村 (堺市立)三国丘中で陸上部に入ってからです。それまでは、小学3年生から6年生まではサッカーをしていました。でも、チームスポーツは向いてないと思って陸上に進みました。

――初めから走高跳ですか。
中村 はい。自分が小6の時、中学で四種競技をしていた姉(中村和花選手/現・福岡大)が全中の走高跳ですごく綺麗に跳んでいる姿見て、自分も跳びたいと思って始めました。

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――中学3年間はどんな思い出がありますか。
中村 1年生の頃は同年代の女の子に負けるでしたが、2年生の11月にたまたま1m78を跳べて、全国大会に出るくらいにはなりたいなと思うようになりました。それから走高跳専門の先生にフィジカルやメンタル、技術を徹底的に教えてもらって、いろいろつかむことができました。

――3年時の全中では6位に入りました。
中村 急に記録が伸び、4月下旬には1m85、7月下旬の府中学選手権では1m90をクリアし、全中でも入賞(1m88)できました。

――記録が伸びて走高跳がより楽しくなったのでしょうか。
中村 いや、中学で始めた頃からあまり跳べない時期でも、跳んだ時の浮遊感が楽しくて、それはずっと変わっていません。

――関大北陽高校に進んだきっかけは。
中村 3年生の秋に関大北陽の練習に参加させてもらったとき、走るメニューやジャンプ系のドリルなど、米川先生のメニューの質が高く、こういう練習をやっていれば自己ベストが出ると思いましたし、先生方も含めて環境が整っていると感じたので、関大北陽を選びました。

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――入学当初の目標は。
中村 インターハイ優勝です。当時は高校記録更新までは考えていなかったです。

――高校の練習はレベルが高いと感じましたか。
中村 1年生の時は2学年上に、インターハイで4位に入る新山創大さん(現・大阪国際大)のような先輩がいたので、新山さんについていくぐらいのつもりで練習していました。

――2年生でインターハイ3位など、順調に結果を残してきた印象です。
中村 記録も1年生からかなり上げられていたので、大きなケガもなかったですし、だいぶ順調でした。

――ケガをしないために心掛けていることは。
中村 風呂上がりには必ずストレッチしています。あとは身体作りの一環でストレッチの後にあえて補強を入れたり、練習中の合間にも補強トレーニングを入れたりして、基礎体力を高めるようにしていました。

――2年時のインターハイ後には日本代表として日・韓・中ジュニア交流競技会(韓国)にも出場しました。
中村 日の丸を背負って試合(1日目2m10で2位、2日目2m10で1位)に出るのは、すごく光栄で楽しい面もありましたが、まだ自分には荷が重いという感じも少しありました。

――これまで、関大北陽で陸上を続けてきて、どういう部分が成長したと感じますか。
中村 選手として技術や身体的な面はすごく伸びましたが、米川先生のご指導もあって、競技会が終わった時は審判の先生、補助員の人たちに「ありがとうございました」と一礼したり、言葉遣いに気をつけたりしていたので、人間的にも成長できたと感じています。

男子走高跳を制した中村佳吾選手(2025年インターハイ)

――あこがれの選手や目標の選手はいますか。
中村 跳躍の理想は瀬古優斗さん(FAAS)です。踏み切り1歩前の接地の仕方と足のさばき方、そして踏み切りの浮き上がりの強さが理想です。

――学校の授業で好きな教科や得意な教科は。
中村 覚えることは得意なので、歴史や地理、公民といった社会系の科目は点数も高いです。

――部活動が休みの日はどんなふうに過ごしている。
中村 身体がしんどい時は、家でずっと寝ていますが、クラスメイトや陸上部の仲間と遊びに行くことも多いです。夏はプールや海に行ったりして、最近は梅田あたりにご飯を食べに行ったりしています。

――陸上以外で趣味はありますか。
中村 趣味ですか……、Switchとかでゲームをするくらいです。

――好きな食べ物は。
中村 ラーメンです。〝二郎系〟が好きで、試合の後とかによく食べに行きます。

――自分の性格を自己分析すると。
中村 忍耐力があるというところだと思います。

――今後の目標を教えてください。
中村 大学に進学して競技を続ける予定なので、U20アジア選手権に優勝してU20世界選手権に出場することと、1年時から関東インカレや日本インカレで優勝することが目標です。2年目は北京で世界選手権、3年目にはロサンゼルス五輪があります。いずれは日の丸を背負って出場して、メダルに近づければなと思っています。

――記録ではどうですか。
中村 1年目から2m25を狙っていきたいです、それ以降は2m30以上を目指そうと思います。助走の技術的には大きな課題がないので、あとは踏み切りの力強さを磨くために、ウエイトトレーニングで上半身も下半身も鍛えていく。そこを鍛えたら、2m25は全然跳べる記録だと思っています。

構成/小野哲史

FOCUS! 高校生INTERVIEW 中村佳吾 Nakamura Keigo 関大北陽3大阪 毎月恒例掲載の高校生FOCUSは、男子走高跳の中村佳吾選手(関大北陽3大阪)に2025年を締めくくってもらいます。7月の広島インターハイ、9月のU20日本選手権、10月の滋賀国民スポーツ大会(少年共通)と高校生の主要大会をいずれも優勝。高校生相手には無敗という華々しい成績を残した中村選手が、今季の振り返りと2026年の目標を話しています。

全国大会では「外さない」

――広島インターハイ、U20日本選手権、国スポで優勝するなど、2025年は大活躍のシーズンでした。 中村 高校入学の時からずっとインターハイ優勝を目標に頑張ってきたので、達成することができて、とてもうれしかったです。ただ、2年生の福岡インターハイで、目の前で中谷魁聖君(福岡第一/現・東海大)が高校記録を跳んで、「それを絶対に上回るぞ」という気持ちで3年生になったので、高校記録(2m25)を更新できなかった点では悔しい気持ちはあります。 ――タイトルの中ではインターハイを重視していたわけですね。 中村 国スポとU20日本選手権も大事でしたが、一番はやはりインターハイでした。 ――予選も決勝も試技は1つの高さで3回までから2回までに変更されました。影響はありましたか。 中村 自分の強みの1回目で跳び切るところ。それを出せたので、そこまで影響はありませんでした。でも、1本落としたら、次は必ず修正しないといけないというプレッシャーはありましたし、3回あれば、もう少し記録を出せたかなという思いもあります。 ――3位だった2年時からどんな成長がありましたか。 中村 昨年度は挑戦者のような感じで、上級生や自分より記録の良い選手に食らいつくだけでしたが、今年はランキングトップだったので、少し余裕を持って挑めた部分では成長できていたかなと。ただ、記録的には成長を見せられませんでした。 ――インターハイで優勝し、周囲の人たちの反響は。 中村 顧問の米川和宏先生が「1番良い色のメダルを取ってきて、めっちゃうれしいわ」と喜んでくれて良かったです。家族も喜んでくれたし、友達からたくさんのメッセージが届きました。チームの跳躍ブロックの仲間たちも自費で広島まで応援に来てくれて、すごく力になりました。 ――シーズン前から〝高校3冠〟が目標だったのでしょうか。 中村 いえ、絶対にインターハイで1番という気持ちでやっていたので、3冠は全然意識していなかったです。 ――ここまで勝てた要因は。 中村 「誰にも負けない」という気持ちが強くて、あとは技術面だと思っていました。練習の時から跳躍の動画を撮ってもらって、良かった時と悪い時の差を見つけて改善を重ねた結果が良い成績につながったと思います。 ――自身の持ち味は。 中村 助走は最初の部分である直線を速く走って、ラスト3歩目の内傾の深さ。その速い助走スピードから繰り出される踏み切りの鋭さが特徴であり、持ち味かなと。あとはプレッシャーがあったほうが跳べるので、全国大会では絶対に外さない自信があります。 ――2025年で最も会心だった跳躍は。 中村 近畿大会の翌週の記録会で、自己ベストの2m18を跳んだ跳躍です。助走のラスト3歩で、腰の上下動や頭の位置が変わらないほうが踏み切りの時に最大のパワーをもらえますが、それが無意識にできました。踏み切った瞬間に今までにないぐらいの身体の浮き上がりがあったので、自分でも驚きました。 ――練習は1日どのぐらい行いますか。 中村 時間にすると長くて2時間半、短くて1時間半くらいです。休憩は減らして、短時間で終わせる感じです。あとは月曜~金曜に朝練習があります。 ――普段の練習で意識していることは。 中村 自分なりに練習メニューを理解しながら進めています。例えば、腕を大きく振るとか、接地の際はつま先から入らないでフラットで接地しに行くとか、そのメニューで絶対に意識することを1つ決めてやるようにしています。 ――跳躍練習は多いですか。 中村 実は、跳躍練習は少なめです。シーズン中は週2回、冬季練習中は週1回程度です。それ以外の日はトレーニングが中心です。 ――現在は冬季練習期間中です。どんなテーマで取り組んでいますか。 中村 12月のU20オリンピック育成競技者研修合宿で、体力測定をすると、他の跳躍選手と比較するとジャンプ系が弱かったので、自分で考えたり、先生のアドバイスを受けながら、跳躍に直結したドリルを多めに取り組んでいます。

理想の跳躍は瀬古選手

――陸上を始めたきっかけは。 中村 (堺市立)三国丘中で陸上部に入ってからです。それまでは、小学3年生から6年生まではサッカーをしていました。でも、チームスポーツは向いてないと思って陸上に進みました。 ――初めから走高跳ですか。 中村 はい。自分が小6の時、中学で四種競技をしていた姉(中村和花選手/現・福岡大)が全中の走高跳ですごく綺麗に跳んでいる姿見て、自分も跳びたいと思って始めました。 ――中学3年間はどんな思い出がありますか。 中村 1年生の頃は同年代の女の子に負けるでしたが、2年生の11月にたまたま1m78を跳べて、全国大会に出るくらいにはなりたいなと思うようになりました。それから走高跳専門の先生にフィジカルやメンタル、技術を徹底的に教えてもらって、いろいろつかむことができました。 ――3年時の全中では6位に入りました。 中村 急に記録が伸び、4月下旬には1m85、7月下旬の府中学選手権では1m90をクリアし、全中でも入賞(1m88)できました。 ――記録が伸びて走高跳がより楽しくなったのでしょうか。 中村 いや、中学で始めた頃からあまり跳べない時期でも、跳んだ時の浮遊感が楽しくて、それはずっと変わっていません。 ――関大北陽高校に進んだきっかけは。 中村 3年生の秋に関大北陽の練習に参加させてもらったとき、走るメニューやジャンプ系のドリルなど、米川先生のメニューの質が高く、こういう練習をやっていれば自己ベストが出ると思いましたし、先生方も含めて環境が整っていると感じたので、関大北陽を選びました。 ――入学当初の目標は。 中村 インターハイ優勝です。当時は高校記録更新までは考えていなかったです。 ――高校の練習はレベルが高いと感じましたか。 中村 1年生の時は2学年上に、インターハイで4位に入る新山創大さん(現・大阪国際大)のような先輩がいたので、新山さんについていくぐらいのつもりで練習していました。 ――2年生でインターハイ3位など、順調に結果を残してきた印象です。 中村 記録も1年生からかなり上げられていたので、大きなケガもなかったですし、だいぶ順調でした。 ――ケガをしないために心掛けていることは。 中村 風呂上がりには必ずストレッチしています。あとは身体作りの一環でストレッチの後にあえて補強を入れたり、練習中の合間にも補強トレーニングを入れたりして、基礎体力を高めるようにしていました。 ――2年時のインターハイ後には日本代表として日・韓・中ジュニア交流競技会(韓国)にも出場しました。 中村 日の丸を背負って試合(1日目2m10で2位、2日目2m10で1位)に出るのは、すごく光栄で楽しい面もありましたが、まだ自分には荷が重いという感じも少しありました。 ――これまで、関大北陽で陸上を続けてきて、どういう部分が成長したと感じますか。 中村 選手として技術や身体的な面はすごく伸びましたが、米川先生のご指導もあって、競技会が終わった時は審判の先生、補助員の人たちに「ありがとうございました」と一礼したり、言葉遣いに気をつけたりしていたので、人間的にも成長できたと感じています。 [caption id="attachment_194538" align="alignnone" width="800"] 男子走高跳を制した中村佳吾選手(2025年インターハイ)[/caption] ――あこがれの選手や目標の選手はいますか。 中村 跳躍の理想は瀬古優斗さん(FAAS)です。踏み切り1歩前の接地の仕方と足のさばき方、そして踏み切りの浮き上がりの強さが理想です。 ――学校の授業で好きな教科や得意な教科は。 中村 覚えることは得意なので、歴史や地理、公民といった社会系の科目は点数も高いです。 ――部活動が休みの日はどんなふうに過ごしている。 中村 身体がしんどい時は、家でずっと寝ていますが、クラスメイトや陸上部の仲間と遊びに行くことも多いです。夏はプールや海に行ったりして、最近は梅田あたりにご飯を食べに行ったりしています。 ――陸上以外で趣味はありますか。 中村 趣味ですか……、Switchとかでゲームをするくらいです。 ――好きな食べ物は。 中村 ラーメンです。〝二郎系〟が好きで、試合の後とかによく食べに行きます。 ――自分の性格を自己分析すると。 中村 忍耐力があるというところだと思います。 ――今後の目標を教えてください。 中村 大学に進学して競技を続ける予定なので、U20アジア選手権に優勝してU20世界選手権に出場することと、1年時から関東インカレや日本インカレで優勝することが目標です。2年目は北京で世界選手権、3年目にはロサンゼルス五輪があります。いずれは日の丸を背負って出場して、メダルに近づければなと思っています。 ――記録ではどうですか。 中村 1年目から2m25を狙っていきたいです、それ以降は2m30以上を目指そうと思います。助走の技術的には大きな課題がないので、あとは踏み切りの力強さを磨くために、ウエイトトレーニングで上半身も下半身も鍛えていく。そこを鍛えたら、2m25は全然跳べる記録だと思っています。 構成/小野哲史

中村選手のプロフィールをチェック!

◎なかむら・けいご/2007年7月23日生まれ。大阪府出身。三国丘中―関大北陽高。中学から陸上を始め、当時から専門は走高跳。中3年の全中では6位に入った。高校に入学すると、1年時のインターハイ近畿大会は8位で全国切符を得られなかったが、秋のU18大会は6位タイで入賞を果たす。2年時には6月のU20日本選手権で1位と同記録(2m09)ながら無効試技数差で2位に入り、インターハイは3位。10月のU18大会も3位に入った。3年時はインターハイで自身初の全国大会優勝を遂げ、9月下旬のU20日本選手権、10月の国民スポーツ大会(少年共通)の両大会でも1位となり、高校生相手には無敗で2025年を終えた。高校時代は三段跳や八種競技でも試合に出場している。自己ベストは走高跳2m18(25年)。なお、3学年上の姉・中村和花選手(福岡大)は中学時代に四種競技で全中6位、高校時代は三段跳でインターハイ3位の実績を持つ [caption id="attachment_194540" align="alignnone" width="800"] 2025年国民スポーツ大会を制した中村佳吾選手[/caption]

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