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2025.11.02

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前回王者・國學院大は連覇ならず4位「甘くなかった」3区区間賞・野中恒亨「箱根初Vへ必要な実力をつける」/全日本大学駅伝
前回王者・國學院大は連覇ならず4位「甘くなかった」3区区間賞・野中恒亨「箱根初Vへ必要な実力をつける」/全日本大学駅伝

25年全日本大学駅伝で4位だった國學院大(7区・青木から8区・上原への中継)

◇第57回全日本大学駅伝(11月2日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km)

学生駅伝ナンバー1を決める第57回全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間6分53秒で2年ぶり最多17度目の優勝を飾った。

前回王者・國學院大は4位でフィニッシュを迎えた。前田康弘監督は「ストーリーはそんなに甘くなかった」と振り返った。

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10月13日の出雲駅伝を連覇し、2年連続2冠を懸けたレース。「出雲の時はまだ少し重さを残した状態でレースに臨んでいました」という中で4区でトップに立ち、そのまま逃げ切る盤石の強さを見せていた。

序盤は出雲を再現。1区・尾熊迅斗(2年)がトップと1秒差の3位と好スタートを切ると、2区で7位に順位を落としたが、3区・野中恒亨(3年)が区間賞の快走で2位まで巻き返す。

「たぶんトップで来るだろうな」という想定とは違った展開となったが、ラスト3kmのアップダウンに対して「他の選手が苦しくなるので、そこまで余裕をもっていき、(ラスト3kmから)ペースアップする」プランに変更。「自分の実力通りにやるべきことをやっただけ」と振り返るが、前回(5区)に続く2年連続区間賞で流れを一気に変えた。

4区・高山豪起(4年)が駒大、中大との首位争いから、最も警戒していた駒大を振るい落とす力走。中継所では中大に2秒先着を許したが、4位に下がった駒大には33秒差をつけた。

ただ、そこから苦戦。5区で飯國新太(2年)が駒大・伊藤蒼唯の、区間新の快走の前に逆転を許して52秒差をつけられると、6区・浅野結太(2年)は駒大から1分05秒差の3位に。

連覇へのプランとして、駒大が7区に佐藤圭汰(4年)を起用したことで、「(7区で)先にもらっていないと勝負にはならないと思っていました」と前田監督。7区、8区には青木瑠郁、上原琉翔とエース格の4年生コンビが配して「7区で並ばれても粘ってアンカー勝負」を描いていたが、逆に1分以上のリードを許す展開となり、連覇には苦しい状況となった。

終盤は中大、青学大に後れをとり、4位に。「駒大が対ウチに対しての区間配置が多かった」と前田監督は振り返る。選手層の厚さを生かして中盤で初Vへの流れを作った昨年の國學院大への対策を練ってきた中で、それに対応しきれなかった点に「私の采配ミス」とする。

出雲駅伝から「調子は確実に上がってきていました」と野中。だからこそ、味わった悔しさを「箱根駅伝の総合優勝という目標は絶対に変えないと思うので、必要な実力をつけていきたい」と口元を引き締める。

前田監督も「5、6区の2年生たちも練習はできています」と話し、正月の決戦に向けて「野中の強さなど確認できた収穫もあります。選手たちはいろいろな意味で気持ちが引き締まって箱根に向き合えると思います」と言葉に力を込めた。

◇第57回全日本大学駅伝(11月2日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 学生駅伝ナンバー1を決める第57回全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間6分53秒で2年ぶり最多17度目の優勝を飾った。 前回王者・國學院大は4位でフィニッシュを迎えた。前田康弘監督は「ストーリーはそんなに甘くなかった」と振り返った。 10月13日の出雲駅伝を連覇し、2年連続2冠を懸けたレース。「出雲の時はまだ少し重さを残した状態でレースに臨んでいました」という中で4区でトップに立ち、そのまま逃げ切る盤石の強さを見せていた。 序盤は出雲を再現。1区・尾熊迅斗(2年)がトップと1秒差の3位と好スタートを切ると、2区で7位に順位を落としたが、3区・野中恒亨(3年)が区間賞の快走で2位まで巻き返す。 「たぶんトップで来るだろうな」という想定とは違った展開となったが、ラスト3kmのアップダウンに対して「他の選手が苦しくなるので、そこまで余裕をもっていき、(ラスト3kmから)ペースアップする」プランに変更。「自分の実力通りにやるべきことをやっただけ」と振り返るが、前回(5区)に続く2年連続区間賞で流れを一気に変えた。 4区・高山豪起(4年)が駒大、中大との首位争いから、最も警戒していた駒大を振るい落とす力走。中継所では中大に2秒先着を許したが、4位に下がった駒大には33秒差をつけた。 ただ、そこから苦戦。5区で飯國新太(2年)が駒大・伊藤蒼唯の、区間新の快走の前に逆転を許して52秒差をつけられると、6区・浅野結太(2年)は駒大から1分05秒差の3位に。 連覇へのプランとして、駒大が7区に佐藤圭汰(4年)を起用したことで、「(7区で)先にもらっていないと勝負にはならないと思っていました」と前田監督。7区、8区には青木瑠郁、上原琉翔とエース格の4年生コンビが配して「7区で並ばれても粘ってアンカー勝負」を描いていたが、逆に1分以上のリードを許す展開となり、連覇には苦しい状況となった。 終盤は中大、青学大に後れをとり、4位に。「駒大が対ウチに対しての区間配置が多かった」と前田監督は振り返る。選手層の厚さを生かして中盤で初Vへの流れを作った昨年の國學院大への対策を練ってきた中で、それに対応しきれなかった点に「私の采配ミス」とする。 出雲駅伝から「調子は確実に上がってきていました」と野中。だからこそ、味わった悔しさを「箱根駅伝の総合優勝という目標は絶対に変えないと思うので、必要な実力をつけていきたい」と口元を引き締める。 前田監督も「5、6区の2年生たちも練習はできています」と話し、正月の決戦に向けて「野中の強さなど確認できた収穫もあります。選手たちはいろいろな意味で気持ちが引き締まって箱根に向き合えると思います」と言葉に力を込めた。

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