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2025.09.27

大阪学大 自覚芽生え充実の選手層で2連覇「全日本は優勝が目標」/関西学生女子駅伝
大阪学大 自覚芽生え充実の選手層で2連覇「全日本は優勝が目標」/関西学生女子駅伝

2連覇した大阪学大(25年関西学生女子駅伝)

◇第35回関西学生対校女子駅伝(9月27日/兵庫・神戸しあわせの村)

第43回全日本大学女子駅伝関西地区選考会を兼ねた第35回関西学生対校女子駅伝が6区間36.2kmで行われ、大阪学大が2時間1分32秒で2年連続5回目の優勝を果たした。

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1区(6.9km)はワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)ハーフマラソン4位の関大・前田彩花(3年)が序盤からレースを引っ張る展開。大阪学大の千葉妃華(3年)は先頭の38秒差の7位とやや出遅れたが、2区(3.3km)で北野寧々(3年)が区間2位の力走を見せ、順位を3位に押し上げる。

3区(6.5km)を任されたのは3000m障害で日本インカレV、WUG10位の実績を持つ主将の山下彩菜(4年)。「4区で立命大は土屋舞琴さん(4年)が控えていて、自分がタスキを渡す時点で立命大より前にいないと、後半は苦戦するかもしれないと思っていたので、絶対に追いつく追いつくと思って走りました」と25秒前にスタートした立命大の池田悠音(2年)を果敢に追い、中盤で大阪学大、立命大、関大の三つ巴になった。

後半に関大の岩本風音(4年)がペースを上げて、山下は最初に後退するが、「立命大を意識して、あまり惑わされないようにしました」と冷静さを失わず、立命大・池田を捉え、関大と5秒差の2位でタスキをつないだ。

4区(6.5km)の古澤由奈(1年)は中間点手前で関大を抜いて首位に浮上。「夏合宿を通して身につけた粘りの走りができたのかなと思います」と11秒後ろでスタートした土屋の追い上げにも耐え、2秒差でトップを守った。

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5区の(6.5km)佐内瑞希(2年)は「自分の走りに集中しようと思って走りました」と先頭を死守。後半にリードを大きく広げ、35秒の貯金を作って、最終6区(6.5km)の依田采巳(3年)につなぐ。

「この差を崩さないように優勝テープを切るんだという気持ちで走ることができました」と依田も安定した走りで後続との差を広げ、フィニッシュテープを切った。

前回大会、5年ぶりに関西女王に返り咲いたものの、全日本大会は6位で、年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)は7位。いずれも優勝は立命大だった。

この春には一昨年のユニバハーフマラソン8位の永長里緒(現・三井住友海上)など強い4年生が卒業。「大阪学大は弱くなった」と周囲からの声が聞こえることもあったそうだ。

弘潤一監督は、正月の帰省期間に「私がやらなきゃ誰がやる」というスローガンを部のグループLINEで提示。「昨年は4年生がうまく行き過ぎて、頼り過ぎていたというか、甘えさせ過ぎたというのが反省点としてありました」(弘監督)と今年は特定の選手に頼るのではなく、一人ひとりが自覚を持ち、選手層の厚いチームを作り上げることに成功した。

来月の全日本大学女子駅伝での目標は優勝。「最初はその目標を口にするのもおこがましいくらいでしたが、だんだん力をつけているのを実感しているし、自分たちに期待する気持ちは大きいです」と山下は自信を見せた。

第43回全日本大学女子駅伝は10月26日、宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台を発着とする6区間38kmで行われる。

文/馬場遼

◇第35回関西学生対校女子駅伝(9月27日/兵庫・神戸しあわせの村) 第43回全日本大学女子駅伝関西地区選考会を兼ねた第35回関西学生対校女子駅伝が6区間36.2kmで行われ、大阪学大が2時間1分32秒で2年連続5回目の優勝を果たした。 1区(6.9km)はワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)ハーフマラソン4位の関大・前田彩花(3年)が序盤からレースを引っ張る展開。大阪学大の千葉妃華(3年)は先頭の38秒差の7位とやや出遅れたが、2区(3.3km)で北野寧々(3年)が区間2位の力走を見せ、順位を3位に押し上げる。 3区(6.5km)を任されたのは3000m障害で日本インカレV、WUG10位の実績を持つ主将の山下彩菜(4年)。「4区で立命大は土屋舞琴さん(4年)が控えていて、自分がタスキを渡す時点で立命大より前にいないと、後半は苦戦するかもしれないと思っていたので、絶対に追いつく追いつくと思って走りました」と25秒前にスタートした立命大の池田悠音(2年)を果敢に追い、中盤で大阪学大、立命大、関大の三つ巴になった。 後半に関大の岩本風音(4年)がペースを上げて、山下は最初に後退するが、「立命大を意識して、あまり惑わされないようにしました」と冷静さを失わず、立命大・池田を捉え、関大と5秒差の2位でタスキをつないだ。 4区(6.5km)の古澤由奈(1年)は中間点手前で関大を抜いて首位に浮上。「夏合宿を通して身につけた粘りの走りができたのかなと思います」と11秒後ろでスタートした土屋の追い上げにも耐え、2秒差でトップを守った。 5区の(6.5km)佐内瑞希(2年)は「自分の走りに集中しようと思って走りました」と先頭を死守。後半にリードを大きく広げ、35秒の貯金を作って、最終6区(6.5km)の依田采巳(3年)につなぐ。 「この差を崩さないように優勝テープを切るんだという気持ちで走ることができました」と依田も安定した走りで後続との差を広げ、フィニッシュテープを切った。 前回大会、5年ぶりに関西女王に返り咲いたものの、全日本大会は6位で、年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)は7位。いずれも優勝は立命大だった。 この春には一昨年のユニバハーフマラソン8位の永長里緒(現・三井住友海上)など強い4年生が卒業。「大阪学大は弱くなった」と周囲からの声が聞こえることもあったそうだ。 弘潤一監督は、正月の帰省期間に「私がやらなきゃ誰がやる」というスローガンを部のグループLINEで提示。「昨年は4年生がうまく行き過ぎて、頼り過ぎていたというか、甘えさせ過ぎたというのが反省点としてありました」(弘監督)と今年は特定の選手に頼るのではなく、一人ひとりが自覚を持ち、選手層の厚いチームを作り上げることに成功した。 来月の全日本大学女子駅伝での目標は優勝。「最初はその目標を口にするのもおこがましいくらいでしたが、だんだん力をつけているのを実感しているし、自分たちに期待する気持ちは大きいです」と山下は自信を見せた。 第43回全日本大学女子駅伝は10月26日、宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台を発着とする6区間38kmで行われる。 文/馬場遼

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