◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)7日目
東京世界陸上7日目のイブニングセッションは5種目で決勝が行われた。
男子200mはノア・ライルズ(米国)が19秒52(±0)で4連覇を達成。直線に入って昨年のパリ五輪金メダリストのレツェレ・テボゴ(ボツアナ)や同銀メダリストのケネス・ベドナレク(米国)、ブライアン・レヴェル(ジャマイカ)の4人が争うかたちとなったが、ライルズが終盤に前に出て競り勝ち、100m3位の雪辱を果たした。男子200mの4連覇は09年、11年、13年、15年大会を制したウサイン・ボルト(ジャマイカ)以来2人目。
フィニッシュ後に日本の観客に向けて“かめはめ波”ポーズを見せたライルズは「いろんな苦労があって4連覇に誇りを持っている。“元気玉”で最高の走りができた」と喜んだ。レース内容については「準決勝のようなスタートはできませんでしたが、それでも速く走れると確信していた。ライバルたちを観察して150m付近から自分の勢いが増していくだろうと思っていた」と語っている。
なお、銀メダルは19秒58のシーズンベストを出したベドナレク。銅メダルは自己新の19秒64をマークしたレヴェル。4位はテボゴが今季自己最高の19秒65で入った。
一方の女子200mは、100mを大会新の10秒61で制したメリッサ・ジェファーソン・ウッデン(米国)が快勝。2位に0.46秒差をつける世界歴代8位の21秒68(-0.1)で制し、女子では史上4人目の100mと200mの2冠を果たした。
米国勢の優勝は2009年ベルリン大会のアリソン・フェリックス以来16年ぶり。「幼い頃から彼女をとても尊敬していた」というジェファーソン・ウッデンは、「2種目優勝を果たしたことは大きな意味を持っている。 2028年のロサンゼルス五輪が今から楽しみ」と3年後に行われる自国開催の五輪を見据えた。
女子400mハードルは世界記録保持者のシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が400mに回り、前回覇者のフェムケ・ボル(オランダ)が圧巻のレース。今季世界最高の51秒54をマークして2連覇を飾った。「2回連続の金メダルを獲得できて、本当に誇りに思う。これは私にとってかけがえのないもの。今日は特別で最後の100mは今シーズンで最高の走りができた」と喜んだ。
また、男子400mはパリ五輪王者のライ・ベンジャミン(米国)がシーズンベストの46秒52で世界陸上初の金メダル。速報でベンジャミンの優勝が出たあと、10台目のハードルを倒したことが「他の選手を妨害した」として一度は失格になった。だが、米国の抗議でまもなく失格が撤回され、結果が確定した。
ベンジャミンは「最高の気分。一度失格となったのは、最後に倒したハードルのせいだったのかもしれない。でも、結局何も問題はなかった。走り始めたら、レースに勝てると確信した。良い走りができたと思う。残念ながら、最後は欲張りすぎて、最終ハードルをぶつけてしまった」とコメントした。
なお、21年東京五輪で世界記録の45秒94を打ち立て、世界陸上では前回の23年ブダペスト大会を制したカールステン・ワルホルム(ノルウェー)はスタート直後から飛ばしたものの、終盤失速し、47秒58で5位に終わった。
フィールド種目の決勝は男子三段跳。21年東京五輪と22年オレゴン大会を制しているペドロ・ピチャルド(ポルトガル)が最終跳躍で底力を発揮した。
2回目に17m55(±0)をマークしてトップに浮上。5回目まで順位をキープしていたが、最終6回目に入ったところ、4位だったアンドレア・ダッラヴァッレ(イタリア)に17m64(+1.5)の自己新ジャンプで逆転される。しかし、ピチャルドが最後の跳躍で17m91(+0.5)で再びトップを奪い返して終了。2大会ぶりの金メダルを手にした。
このほか、女子800m準決勝はパリ五輪金メダルのキーリー・ホジキンソン(英国)と23年ブダペスト大会覇者、メアリー・モラー(ケニア)の実力者2人が順当に決勝へ進んだ。またモラーのいとこ、サラ・モラー(ケニア)も準決勝を通過した。
男子5000m予選では22年以降、世界陸上、五輪を含めて国際大会3連勝中のヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)が2組8着で決勝進出。敗退の9着に0.19秒先着しての通過だった。1500m予選落ちの屈辱を晴らせるか注目だ。
女子七種競技は前半の4種目を行い、世界歴代2位タイの7032点を持つアナ・ホール(米国)がただ1人4000点超えの4154点をマークして1位で折り返している。
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