HOME 国内

2025.09.19

中距離・薄田健太郎が現役引退 「苦しい経験を超える喜びを与えてくれた」 10月にラストラン
中距離・薄田健太郎が現役引退 「苦しい経験を超える喜びを与えてくれた」 10月にラストラン

25年7月MDCに出場した薄田健太郎

DeNAは9月19日、所属する薄田健太郎が今季限りで競技活動を退くことを発表した。

薄田は神奈川県出身の26歳。希望ヶ丘高時代は800mで8位入賞、国体7位入賞と活躍。筑波大時代も日本インカレで入賞を続け、20年の日本選手権では5位に入った。

22年に大きく躍進し、5月の静岡国際では日本歴代5位(当時)となる1分46秒17と日本人トップを占め、日本選手権では2位。秋には1000mで17年ぶり日本新記録となる2分18秒69もマークした。当初は大学院修了とともに引退する予定だったが、23年アジア室内選手権代表に選ばれたこともありDeNAで競技を続けていた。

広告の下にコンテンツが続きます

しかしその後はケガにも苦しみ、自己記録を更新できないシーズンが続いた。今後は9月の全日本実業団対抗選手権に出場し、10月19日の「MIDDLE DISTANCE CIRCUIT」が引退レースとなる。

薄田はチームのホームページを通じ、「自身の競技人生を振り返ると、苦しい経験の方が多かったように感じます。しかしそれを超える喜びを与えてくれたのも陸上競技でした。初めて1分台を出した瞬間、全国大会への出場が決まった瞬間、自己ベストを更新した瞬間、レース後にライバルと健闘を称えあった瞬間。どれも刹那ではありますが、苦しい経験に耐えうる十分な理由になりました」と語り、「どんな時も応援して下さったファンの皆さま、そして集中して競技に取り組める環境を整えてくださったDeNAに心よりお礼を申し上げます。これまで本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えた。

引退後は、DeNAの社員としてスポーツ・スマートシティ事業に携わっていくという。

DeNAは9月19日、所属する薄田健太郎が今季限りで競技活動を退くことを発表した。 薄田は神奈川県出身の26歳。希望ヶ丘高時代は800mで8位入賞、国体7位入賞と活躍。筑波大時代も日本インカレで入賞を続け、20年の日本選手権では5位に入った。 22年に大きく躍進し、5月の静岡国際では日本歴代5位(当時)となる1分46秒17と日本人トップを占め、日本選手権では2位。秋には1000mで17年ぶり日本新記録となる2分18秒69もマークした。当初は大学院修了とともに引退する予定だったが、23年アジア室内選手権代表に選ばれたこともありDeNAで競技を続けていた。 しかしその後はケガにも苦しみ、自己記録を更新できないシーズンが続いた。今後は9月の全日本実業団対抗選手権に出場し、10月19日の「MIDDLE DISTANCE CIRCUIT」が引退レースとなる。 薄田はチームのホームページを通じ、「自身の競技人生を振り返ると、苦しい経験の方が多かったように感じます。しかしそれを超える喜びを与えてくれたのも陸上競技でした。初めて1分台を出した瞬間、全国大会への出場が決まった瞬間、自己ベストを更新した瞬間、レース後にライバルと健闘を称えあった瞬間。どれも刹那ではありますが、苦しい経験に耐えうる十分な理由になりました」と語り、「どんな時も応援して下さったファンの皆さま、そして集中して競技に取り組める環境を整えてくださったDeNAに心よりお礼を申し上げます。これまで本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えた。 引退後は、DeNAの社員としてスポーツ・スマートシティ事業に携わっていくという。

薄田健太郎の引退コメント全文

いつも温かいご声援をいただき、ありがとうございます。 この度、17年間続けてきた陸上競技生活に区切りをつけ、現役を引退することを決断しました。 自身の競技人生を振り返ると、苦しい経験の方が多かったように感じます。特に、度重なる怪我によって十分なトレーニングを積むことができず、満足のいく走りができなかったことが何より辛いことでした。 しかしそれを超える喜びを与えてくれたのも陸上競技でした。初めて1分台を出した瞬間、全国大会への出場が決まった瞬間、自己ベストを更新した瞬間、レース後にライバルと健闘を称えあった瞬間。どれも刹那ではありますが、苦しい経験に耐えうる十分な理由になりました。 陸上競技の中距離という種目は国内で人気があるとは言えません。その中距離を人気種目にするために世界の舞台で活躍すると息巻いていたものの、その舞台に立つことは叶いませんでした。しかし、今の日本の中距離界には世界へ羽ばたけるポテンシャルを持った選手がたしかにいます。さらに私が所属していたTWOLAPSというチームは様々な活動を通して、中距離界を盛り上げています。これらの活動が相乗効果を生み、中距離が人気種目になる日を楽しみにしています。 今後は陸上競技を通して培った力を業務に生かし、元陸上選手は社会でも活躍できるということを証明していきたいと思います。 最後になりますが、競技をするにあたってどんな時も温かく応援してくれた家族、ここまで導いて下さった指導者・スタッフの方々、切磋琢磨したチームメイト、どんな時も応援して下さったファンの皆さま、そして集中して競技に取り組める環境を整えてくださったDeNAに心よりお礼を申し上げます。 これまで本当にありがとうございました。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.20

旭化成のエマニエル・キプルトに出場停止処分 世界陸連が発表

世界陸連(WA)は12月19日、旭化成に所属するエマニエル・キプルト(ケニア)に対して、出場停止処分を科したと発表した。 処分理由の詳細について、WAは明らかにしていないが、「アスリート代理人規則に基づく異議申し立てを受 […]

NEWS 東京世界陸上代表・小池祐貴と中島ひとみが人気番組「逃走中」に参戦! 自慢のスプリントで逃げ切りなるか

2025.12.20

東京世界陸上代表・小池祐貴と中島ひとみが人気番組「逃走中」に参戦! 自慢のスプリントで逃げ切りなるか

東京世界選手権代表で男子短距離の小池祐貴(住友電工)と女子100mハードルの中島ひとみ(長谷川体育施設)が、フジテレビの人気番組「逃走中」に出演することが発表された。 小池は19年に100mで9秒98をマーク。今季は5月 […]

NEWS 川口桃佳が自己記録に迫る5000m15分26秒59 3年ぶりの15分30秒切り/日体大女子長距離競技会

2025.12.20

川口桃佳が自己記録に迫る5000m15分26秒59 3年ぶりの15分30秒切り/日体大女子長距離競技会

12月20日、神奈川県横浜市の日体大健志台陸上競技場で第26回日体大女子長距離競技会が行われ、5000m4組では川口桃佳(ユニクロ)が15分26秒59で1着となった。 川口は11月のクイーンズ駅伝で、1区を務め5位と好走 […]

NEWS 箱根駅伝Stories/日大・山口彰太「万全の状態で本戦を」 2度目の舞台は往路で勝負

2025.12.20

箱根駅伝Stories/日大・山口彰太「万全の状態で本戦を」 2度目の舞台は往路で勝負

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 1年目はケガや長期離脱 「こうすれば良かった、という後悔が一切ない走 […]

NEWS 箱根駅伝Stories/最後のエース区間へ意欲を燃やす神奈川大・宮本陽叶 あこがれのOBに「やっと記録で追いつけた」

2025.12.20

箱根駅伝Stories/最後のエース区間へ意欲を燃やす神奈川大・宮本陽叶 あこがれのOBに「やっと記録で追いつけた」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 エース区間で苦戦も悲観せず 神奈川大のエース・宮本陽叶(4年)が最後 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top