2025.08.24

「地獄」だった夏の唐松岳ランニング
――3年間で一番思い出に残っている試合はありますか。
国本 2年生の時の100mのレースです。その日はすごく雨が降っていた日で、先生や先輩たちが雨の中でどう走るかいろんなアドバイスをくれました。ちょうど他の種目がやっていない時間帯でチームメイトもたくさん応援をしてくれて。
そして、私の組になって、スタートラインに立った瞬間にパッと雨が止んで、光がトラックに射し込みました。ランウェイかと思いました。私が走るためだけに! もう私が主人公だ! って(笑)。結果はベストもでなくて4位…。みんなごめん!って謝りました(笑)
中3の最後の大会は走幅跳で出たのですが、2本ファウルしてしまって、ラスト1本は踏み切りが合わなくて…めちゃくちゃ悔しい終わり方になってしまいました。サブトラックで練習していた時はすごく調子が良くて、「今日は来たぞ!」と思っていたので、なかなか切り替えられなかったです。
――これまでで、最もきつかって練習を教えてください。
国本 それはもう、1年に一度、夏に全員が行う山練習です。標高約2700mの「唐松岳」という山があるのですが、そこを走る地獄のトレーニングなんです! 登山をしても往復6時間くらいかかるところ、朝7時にスタートして4時間で帰ってこないといけないんです。限界が来るまでは走って、最後はもう歩く人もいます。みんなヘロヘロで家に帰るのもしんどいくらい。地元に温泉の足湯があるので、みんなで浸かってから帰っていましたね。もう絶対にやりたくないです!
冬場のサーキットトレーニングも厳しかったです。豪雪地帯なので校舎内で練習するしかなくて。階段を3階まで駆け上がって、150mくらいの廊下をダッシュ、また階段を降りて…。

「幼馴染みが箱根駅伝を走っているんです!」と雑誌にも興味津々
――楽しい練習はやっぱり専門練習?
国本 はい、跳ぶのが本当に楽しかったです。空中のフォームがきれいにできている瞬間が一番気持ち良いんです。助走から踏み切り、着地まで、何かがカチッとハマる時があるんですよね。
あと、私は砂場をならすのが得意だったんです。サッカーでトンボを使い慣れていたからか、誰よりもうまくて、後輩が「やります」と言ってきてくれても「私の仕事だから」って責任持ってやっていましたね(笑)
実はウチの中学校にとって走幅跳は“花形”なんです。被ってはいないのですが、男子の先輩で長野県中学記録保持者(7m04)を持っているレンジェンドがいて、全国大会でも優勝されていました。その存在が伝説として代々、部員の中で語り継がれているんです。跳躍ピットもその先輩のために敷かれたそうです。
――振り返ると、どんな3年間でしたか。
国本 めちゃくちゃ青春です。今でもみんなで集まることもありますし、実は今日(取材日)も地元で集まって遊ぶって連絡が来たくらい。きつい練習を乗り越えた仲で結束力、仲間意識も強いです。
東海大の花岡寿哉(上田西高→東海大)はそのうちの1人で、幼なじみなんです。箱根駅伝も応援に行きましたし、先日の日本選手権に出ていたのもチェックしています。
陸上は「ゴール」が設定されているので、最後まで頑張ろうっていう忍耐力、粘り強さは陸上で培われたなって思っています。

中学で走幅跳に挑戦!
――早速ですが、陸上部に入ったきっかけを教えてください! 国本 中学3年間、陸上部でした。小学校の時はずっと少年団で男子と交じってサッカーをやっていたのですが、中学では女子サッカー部がなくて…。仲が良かった先輩に誘われたのがきっかけです。 ――サッカー少女だったということは、幼少時から活発だったんですね。 国本 小さい時は全然でした。なるべく動きたくないタイプでした(笑)。長野の白馬村出身で、両親ともにウインタースポーツ(父がモーグル、母はスノーボード)の選手でしたし、弟もスキーをしていました。私も冬の体育の授業で必ず雪山に行っていましたが。 小2の校内マラソン大会で最下位だったんです。母が「これはやばい。何かやらせないと」ということで、サッカーを始めました。1年後の大会では7位になって「あれ?意外と得意で、好きかもしれない」と気づいたんです。のちのち、それが陸上部に入るきっかけでもありました。短距離も苦手ではなくて、運動会のリレーの選手には選ばれるくらいでした。 [caption id="attachment_179957" align="alignnone" width="800"]
「地獄」だった夏の唐松岳ランニング
――3年間で一番思い出に残っている試合はありますか。 国本 2年生の時の100mのレースです。その日はすごく雨が降っていた日で、先生や先輩たちが雨の中でどう走るかいろんなアドバイスをくれました。ちょうど他の種目がやっていない時間帯でチームメイトもたくさん応援をしてくれて。 そして、私の組になって、スタートラインに立った瞬間にパッと雨が止んで、光がトラックに射し込みました。ランウェイかと思いました。私が走るためだけに! もう私が主人公だ! って(笑)。結果はベストもでなくて4位…。みんなごめん!って謝りました(笑) 中3の最後の大会は走幅跳で出たのですが、2本ファウルしてしまって、ラスト1本は踏み切りが合わなくて…めちゃくちゃ悔しい終わり方になってしまいました。サブトラックで練習していた時はすごく調子が良くて、「今日は来たぞ!」と思っていたので、なかなか切り替えられなかったです。 ――これまでで、最もきつかって練習を教えてください。 国本 それはもう、1年に一度、夏に全員が行う山練習です。標高約2700mの「唐松岳」という山があるのですが、そこを走る地獄のトレーニングなんです! 登山をしても往復6時間くらいかかるところ、朝7時にスタートして4時間で帰ってこないといけないんです。限界が来るまでは走って、最後はもう歩く人もいます。みんなヘロヘロで家に帰るのもしんどいくらい。地元に温泉の足湯があるので、みんなで浸かってから帰っていましたね。もう絶対にやりたくないです! 冬場のサーキットトレーニングも厳しかったです。豪雪地帯なので校舎内で練習するしかなくて。階段を3階まで駆け上がって、150mくらいの廊下をダッシュ、また階段を降りて…。 [caption id="attachment_179951" align="alignnone" width="800"]
身体を動かすお仕事に挑戦したい!
――高校から本格的に芸能活動を始められます。 国本 小学生の頃から人前で何かをするのが好きで、緊張しないタイプでした。テレビっ子で、「テレビに出たい」というのはずっとあって、母も「向いているかも」とオーディションを受けて芸能活動を始めました。 中学の時は週末に東京でレッスンを受けながら部活を頑張っていたのですが、日焼けで真っ黒。「日焼けと言えば梨紗」と言われていたくらいでした! 気にはなっていたのですが、それ以上に部活が楽しくて(笑) 高校からは上京して、陸上部に入ろうと思っていたのですが、部員が少なくて…。練習場所もなかったのであきらめました。元サッカー部の同級生などがいたので、友達を集めてフットサル同好会を立ち上げました! [caption id="attachment_179954" align="alignnone" width="800"]

くにもと・りさ/2003年4月10日生まれ、22歳。長野県北安曇郡白馬村出身。161cm。中学3年間、陸上部に所属し、走幅跳で県大会出場経験を持つ。高校から上京して本格的に芸能活動をスタート。高3時から『ズームイン!!サタデー』(日本テレビ)に出演すると、21年から今年3月まで出演していた『超無敵クラス』(日本テレビ)で大ブレークを果たす。情報番組やバラエティー番組で活躍しながら、ドラマ出演やWebマガジンでのコラムなど、活動の幅を広げている。 公式HP、Instagram |

RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.08.24
-
2025.08.24
-
2025.08.24
-
2025.08.24
-
2025.08.23
2025.08.19
15年ぶりの箱根総合優勝へ 早大駅伝主将・山口智規「夏合宿で底上げを」 妙高で合同取材会
-
2025.08.24
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.24
栁田大輝 最後の最後まで挑戦も100m代表逃す「無理をしなくて良かったと思える日が絶対に来る」
東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子100mに栁田大輝(東洋大)が出場した。 土壇場での大逆転を狙い、日本記録(9秒95)を目指した栁田。午前中の第一レースを10秒11( […]
2025.08.24
ドキュメント/今年も歴史が刻まれた福井の夜に熱狂!東京世界陸上前に過去最大規模の“お祭り”が夏を彩る
2019年に産声を上げたAthlete Night Games in FUKUIは、今年で6回目を迎えた。17年に行われた日本インカレの男子100mで、桐生祥秀(東洋大、現・日本生命)が日本初の9秒台を刻んだ時の感動から […]
2025.08.24
100mH清山ちさと 34歳自己新連発 ラストチャンスは惜しくも標準届かず世界陸上代表ならず
東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、九州選手権が大分スポーツ公園クラサスドーム大分で行われ、女子100mハードルに清山ちさと(いちご)が出場した。 東京世界選手権の参加標準記録(12秒73)を […]
2025.08.24
【“陸女”インタビュー】バラエティーや情報番組に引っ張りだこ!タレント・国本梨紗さん 中学3年間の陸上部「あの時の記憶が数年後の自分を助けてくれる」
「地獄」だった夏の唐松岳ランニング ――3年間で一番思い出に残っている試合はありますか。 国本 2年生の時の100mのレースです。その日はすごく雨が降っていた日で、先生や先輩たちが雨の中でどう走るかいろんなアドバイスをく […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99