2025.06.19
ナイキの契約アスリートであるフェイス・キピエゴン(ケニア)が女子初となる1マイル4分切りを目指すプロジェクト「Breaking4」を来週に控える6月18日、バーチャルプレスカンファレンスが開かれ、キピエゴンが改めて挑戦への決意を語った。
キピエゴンは1500mで3分49秒04の世界記録保持者で、2016年リオ、21年東京、24年パリと五輪3連覇を達成。1マイル(約1600m)でも23年に4分07秒64の世界記録を持つ。
2017年に男子マラソンで人類初の2時間切りを目指す「Breaking2」をエリウド・キプチョゲ(ケニア)とともにチャレンジしたナイキ。19年に非公認レースながらキプチョゲが1時間59分40秒をマークして夢を実現したが、今回の挑戦はそれに続く「ムーンショット」(大きな夢)である。
キピエゴンは「どうなるか想像もできないけど、自分らしくポジティブに楽しく走りたい」と語る。当日は練習パートナーであり、盟友でもあるキプチョゲも訪れるという。
今回のプロジェクトのためにナイキは新しいシューズとウエアも開発。「ショーツは少し長くて素材も違う。軽くて快適です。シューズも試していますが履き心地が全然違う。速く走れるシューズです」とキピエゴンは言う。
レースは6月26日で、フランス・パリのスタッド・シャルレティが舞台。昨年7月のダイヤモンドリーグで1500mの世界記録を出したスタジアムでもある。「パリは思い出のある場所。世界記録を破った場所でもあるし、特別なトラック。ファンが見守る中で、良い結果を見せられるようにしたい」。
自己記録を約8秒縮めることは「難しいですが、それこそが挑戦」と簡単ではないと理解した上で、「モチベーションも高くなっていますし、挑戦することはポジティブな体験。残り少ない時間ですが、そこにむけてフォーカスしたいです。この挑戦が次の世代、そして女性に希望を与えることができるでしょう。それこそが私のレガシーになります」とキピエゴン。
「考えながら自分らしく走って7秒を埋めていきます。できるかどうかわかりませんが、挑戦し、みんなで一緒に縮めたい」
1マイルは欧米で人気の高い種目で、伝統もある。男子では1954年にR.バニスター(英国)が人類初の4分切りを果たしたが、それから70年が経っても女子は到達できていない。
ナイキとキピエゴンが挑む“ムーンショット”。その結末は誰にもわからないが、どんな結果になってもその挑戦に大きな価値がある。
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