2025.05.11
◇木南記念(5月11日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
日本グランプリシリーズの木南記念が行われ、男子100mは小池祐貴(住友電工)が優勝。10秒09(+1.1)は、自身が9秒98のベストを出していた2019年以来、6年ぶりの10秒10切りの好記録で、自己3番目タイとなる。
自己ベストで続いた鈴木涼太(スズキ/10秒12)、デーデー・ブルーノ(セイコー/10秒14)との競り合いだったが、ラスト10mでグッと抜け出した。
久しぶりの快走は、充実の表情が物語る。「予選は様子を見すぎましたが、決勝は顔を上げるまでに加速できて、後半も自分でも良いなと感じていました。やっとコーチの教え通りに走れましたね」。
それでも、「練習くらいの出力は出せているので空回りはしていないし、トラックもとらえられいたのですが、トップスピードの局面で焦りがあった。80mくらいまで引っ張れればもっと良い記録が出たと思います」と振り返り、「追い風1.1mでこのタイムですから」と苦笑いだった。
東京五輪に出場した翌年の22年に海を渡った。モーリス・グリーン(米国)らを指導した名コーチ、ジョン・スミス・コーチに指導を受けた。周囲の人からは「3年はかかるよ」と言われていたが、やはり最初は苦労した。特に言葉の壁。「ちょっとしたニュアンスや使う単語」を理解するのに時間を要した。
これまでもレース後は何度も「コーチの言う通りに走れれば」と口にしていた。記録にも波があったが、昨年あたりから「ようやく理解するというフェースが終わって、自分の身体と合わせて考えられるようになった」と話す。
実際、9月には追い風参考ながら10秒0台を2本そろえた。ただ、今回のレースは「その時の10秒0台とはまったく違うもの」と、しっかり積み上げての1本だった。
苦しい時期を過ごしたが「契約を結んだ以上、何が何でも絶対に信じ切ると決めていた。自分より知識がある。だから、結果が出なくても辞めなかった」。信じた道を貫き通して、ようやく形になりつつある。
「まだ条件に頼らないといけないですが、この寒さの中でこの記録なので、自己ベストくらいは出せると思います。東京世界選手権に向けて仕上げていければ」
セイコーゴールデングランプリ、そして布勢スプリントと記録を狙っていく構えだ。力強く復活を遂げた小池が、ここからさらにギアを上げていく。
【動画】木南記念で復活の優勝を遂げた小池祐貴
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